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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.56


CaptureOne 8 で使うソニーα7





文:湯浅立志
フォトグラファー
1961年群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオのカメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。写真関連の執筆多数。有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 8」 38,000円(税別)
対応OS:Windows 7 SP1(64bit) / 8(64bit)
Mac OSX10.9

日本総代理店:
DNPフォトイメージングジャパン
http://www.dnpphoto.jp/products/
phaseone/captureone/index.html


Phase One
http://www.phaseone.com/




CaptureOne 8で新たに追加されたバージョンがある。Capture One Pro(for Sony)というソニー製カメラ専用バージョンだ。

下位バージョンのCapture One Express(for Sony)は無償でソニーユーザーに提供されている。

Capture One Express (for Sony)

機能的には基本的な調整だけの前のバージョンのExpressバージョンと同じだが、無償で使えるという点は大きいだろう。

今回はExpressバージョンではなく、Proバージョンについて解説したい。なお、Proバージョンはソニー専用となっており、他社のカメラデータの現像調整などはできない。対応カメラは以下を参照して欲しい。

対応カメラ

ここでの注目点は、RAW現像だけでなく、テザー撮影も可能だという点だ(すべての機種ではない)。また、Pro版でも値段がソニー製カメラ専用バージョンなので、値段が安いことも大きなメリットと言える。23ユーロなので今日(2015/01/25)現在のレートで3,000円ちょっとくらいでProバージョンのすべての機能が使えるのはかなりお得と言える。

UPGRADE OPTIONS

なお注意点としては、このCapture One Pro (for Sony)は、日本代理店は販売もサポートもしていない。購入は上記のサイトからネット決済になる。

さて、今回このCapture One Pro (for Sony)をなぜ取り上げたか? というと、昨今、ソニーα7系のカメラに移行するプロカメラマンが少なからずいるという情勢からだ。ジャンルによるが、プロカメラマン、プロフォトグラファーが使っているカメラメーカーの大勢を占めるのはニコンとキヤノンの2大メーカーというのは、誰も異論をはさむ余地はないだろう。

そのプロ市場にソニーがα7を投入してから、状況は少し変わったと感じている。α7は現在3シリーズある。

ソニーα7R (ILCE-7R) 3,640万画素 フルサイズExmor CMOSセンサー(ローパスフィルタレス)
ソニーα7 II (ILCE-7M2) 2,460万画素 フルサイズ 世界初のセンサーシフト式5軸手ブレ補正
ソニーα7S (ILCE-7S) 1,220万画素 フルサイズ 最大ISO 409600(静止画・動画)

3機種の性格が尖っており、特定の使用用途に置いてはこれ以上のカメラはないと言ってもよい3種類と言える。

現在所有のニコン、キヤノンを売り払って、ソニーに換える、という英断はできないにしろ、特定分野で使い勝手の良いカメラを使う、と言う手段は、プロカメラマンとしては当然あるべき選択だろう。

そこで今回の解説だが、

1:現状、使い慣れているC1でソニーのカメラがどこまで使えるのか?

2:手持ちのレンズ資産を生かせないか?

この2点をテーマとして解説していきたい。

◀今回用意したのは左から

ニコン D800
sony α7-Ⅱ
sony α7R

◀D800と比較して、ソニー製カメラの薄さが目立つ


◀薄いのはミラーがないから。

キャップを外すと、すぐにセンサーがそこにある。ミラーレス一眼はたいていはこういう構造になっているが、フルサイズだけにその大きさがちょっと怖い感じがする。


◀C1の方を見てみよう。

現在Proバージョンをお使いのユーザーはそのままソニー製カメラは使える。

そうでないユーザーは、C1にはインストール時に4種類のバージョンを選択する画面がある。

◀Capture One Express (for Sony)を起動するとこのようにProバージョンへの移行を薦める画面になるが、Expressバージョンのままでよいときは、下のチェックボックスをチェックすれば、それ以降はこの画面が出ないでCapture One Express (for Sony)が使える。


◀上記画面の誘導通りにサイトにいくと、Proバージョンの購入画面になる。


◀左がソニー製カメラ専用バージョンのCapture One Pro (for Sony)の画面だ。

環境設定でカメラの項目を見ると、Phase Oneデジタルバック以外、ソニーのカメラしかない。ソニー製カメラ専用バージョンというのがよく分かる部分だ。


◀なお左の画面は通常のC1プロ8の環境設定。

通常のプロバージョンをお持ちのユーザーは、こちらでSonyをチェックする。

これ以降はプロバージョンもCapture One Pro (for Sony)バージョンも同じ解説になる。


◀まず最初にテストしたのは、テザー撮影がどこまで使えるのか? と言う点。

カメラ横にマイクロUSB端子があり、そこにUSBケーブルを挿してPCとつなぐ。


◀マイクロUSB端子はAndroid系のスマートフォンに採用されている端子だ。今となっては一般的な端子なので、困らないが、テザー撮影するとなると若干の不安要素がある。

まず、小さいので、強度的な心配がある。次にケーブル長が長いものが余りないようで、PCとつなぐのに延長ケーブルを使うなどしないとならない点。

USBは2.0なので、D800のようにUSB3.0と比較すると、転送速度が遅い。

◀まず、カメラの設定をテザー撮影用に変更する。

変更点は「USB接続」の項目を「PCリモート」にチェックを入れる。



◀上記の変更だけでC1とのテザー撮影は可能になるが、スタジオ撮影など、大型ストロボを使った撮影ではもう一つ設定変更する。

「ライブビュー表示」から「設定効果反映off」にチェックを入れる。


◀これをしないと、背面液晶画面が真っ暗で、撮影どころではない。

理由は、スタジオ撮影ではマニュアルモードでの撮影なので、シャッタースピードと絞りが撮影状態になっていると真っ暗に表示されてしまうからだ。

これはアマチュアカメラマンだと理解できない現象かもしれないが、スタジオ撮影を行うには必須の設定と言える。

◀以上の段取りを経て、C1とのテザー撮影となる。

◀左のように通常のニコン、キヤノンとまったく同じ操作でソニーαを使うことができる。


◀ボディがあまりに小型なので、スタジオ撮影では他の機材が大げさに感じてしまうほどだ。

液晶はこのように動くので、スタジオでの使い勝手も上々。

大型ストロボ用のシンクロ接点が付いていないが、最近ではスタジオ撮影でも無線シンクロが一般的なので、ホットシューさえあれば問題ないだろう。旧型αシリーズのように旧ミノルタ時代のホットシューではないと言うだけでも、格段の進歩と感じる。


◀左はα7-Ⅱのライブビュー画面。

ニコン、キヤノンのようにピントの調整がこの画面からできないのが残念だが、動作は問題なく快適なライブビュー画像と言える。

◀こちらはα7Rのライブビュー画面。

残念ながらはテザー撮影に対応はしているが、C1からのライブビューには対応していない。カメラ本体の背面液晶でフレーミングなどは行うしかない。

なお、余談だが、C1とテザー撮影している場合、カメラ背面液晶は通常通り画面は表示している。ニコンのようにライブビュー画像を取り出すと背面液晶に映らないと言うことはないので、カメラの使い勝手としてはよい。


◀今回はこういうものも使ってみた。

METABONES製 SONY NEX Eマウント用 電子接点付キャノンEFアダプターVer4

僕もキヤノンユーザーだが、ニコンD800も持っている。理由は、写真を大きく使う撮影の時、キヤノンのカメラでは画素数が足りないと言うときのためだ。Phase Oneデジタルバックも持っているが、あまりに大げさになるので、そこまでではないと言うときに、フルサイズのカメラで高画素モデルは必要だった。

今回、α7Rにこのマウントアダプターを介してキヤノンのレンズが使えるのか? もテストしてみた。これに関しては、近いうちにこのアダプターだけの解説を書く予定なので、楽しみにしておいて欲しい。


テスト画像を見てみよう。

◀カメラ:Sony α7R

レンズ:Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z

RAW現像:Capture One Pro (for Sony)

◀カメラ:Sony α7-Ⅱ

レンズ:Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z

RAW現像:Capture One Pro (for Sony)


◀カメラ:ニコンD800

レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

RAW現像:Capture One Pro (for Sony)


◀カメラ:Phase One IQ260 mamiya DF+ (6000万画素)

レンズ:Shneider kreuznach AF80mmF2.8LS-D

RAW現像:Capture One Pro


◀カメラ:Phase One IQ260 mamiya DF+ sensor+(1500万画素)

レンズ:Shneider kreuznach AF80mmF2.8LS-D

RAW現像:Capture One Pro


上記の画像はスタジオで同じ条件で撮影されている。

絞りはF16と絞りすぎと感じると思うが、商品撮影ではこの程度の絞りは多用するレベルだ。撮影に関しては、機種ごとに若干の感度が違うので、基準となるグレーにスポイトでほぼ同じレベルの輝度になるようにストロボの光量を調整して、どのカメラでもF16で適正とした撮影をしている。現像はグレーにスポイトでホワイトバランスを取って、その他のパラメータはデフォルトとした。

ニコンD800とSony α7Rは同じソニー製のセンサーを使っていると言われているが、D800はローパスフィルターありなので、若干の差が見て取れる。

7Rの高画質は予想通りだったが、驚いたのはα7-Ⅱだ。想像以上の解像感を出している。

以下は屋外でのテスト画像だが、これも参考にして欲しい。絞りはすべてF8.0で統一している。

特筆すべき点はソニーがズームレンズを使っているにもかかわらず、これだけの描写をしている点だ。

  24ミリ
50ミリ
Sony α7-Ⅱ
レンズ:SONY T*FE24-70F4ZA OSS


レンズ:Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z

Sony α7R
レンズ:SONY T*FE24-70F4ZA OSS


レンズ:Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z

ニコンD800

レンズ:PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D ED


レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G



ご覧のようにソニーαシリーズは素晴らしいポテンシャルを持っているカメラだとご理解いただけるだろう。

C1は既存の2大メーカーユーザーであるプロカメラマンの使用率が圧倒的だと推測しているが、C1を使ってさえいれば、例えば今回のようにソニーのカメラを使うことも簡単にできる。しかも、現像も今まで通りの感覚で、テザー撮影もできるとなれば、使っているカメラメーカーを換えるという敷居もグッと下がるはずだ。

特に、紹介したようにマウントコンバーターによって手持ちのレンズも使えるとなれば、もはや、カメラはどこのメーカーでもかまわない、好きなカメラ、その撮影に適しているカメラを使う、という理想的な環境に今の時代はなったと言うことを認識すべきだろう。そして、その理想的環境の中核をなすのは C1だということ。

C1を使っていれば、35mmだろうが、バックタイプだろうが、ソニーだろうが、もはやカメラは問わないと言う時代なのだ。



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