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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.54


C1 バージョン8の新機能「フィルム粒子」





文:湯浅立志
フォトグラファー
1961年群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオのカメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。写真関連の執筆多数。有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 8」 38,000円(税別)
対応OS:Windows 7 SP1(64bit) / 8(64bit)
Mac OSX10.9

日本総代理店:
DNPフォトイメージングジャパン
http://www.dnpphoto.jp/products/
phaseone/captureone/index.html


Phase One
http://www.phaseone.com/




今回はバージョン8に新機能として追加された「フィルム粒子」ツールについて解説したい。

Phase Oneからの公式発表資料には「新機能として新たに追加されたフィルム粒子ツールは、アナログフィルムの詳細な分析を行い、光と銀塩の物理的な性質をベー スに開発されました」とある。

デジタル画像にアナログの銀塩フィルムのような粒状性を求める声は古くからある。ただ、デジタルカメラやデジタル画像には、それよりもアナログにはないデジタルの強みであるクリアさや高解像度感が優先されてきたので、フィルムと同じような粒状性は後回しにされてきたと思う。大手メーカーが出していないジャンルだったので、個人や小さなメーカーがプラグインなどで出していたのがフィルム粒子のようなシミレーションをするものだった。キャリアのあるフォトグラファーならPhotoshopでノイズを掛けて、それをレイヤーにして幾重にも合成してフィルムらしさを演出した経験は1回や2回はあるだろう。

写真がデジタルデータになって、それをどうやってフィルムに近づけるか? それがデジタル画像の歴史だったとも言える。今では大手メーカーからもフィルム粒子を画像に施すツールは出てきているので、以前のようにPhotoshopのスキルが必要な作業とは言えなくなったと思う。

今回、C1でもフィルム粒子ツールが加わったと言うことは、ある意味、C1がアプリケーションとしての熟成されたという象徴的な出来事とも言えるだろう。


左がフィルム粒子ツール。詳細のタブの中で、シャープネスやノイズツールの下に入っている。

左がデフォルト状態だ。

デフォルトの「Fine Grain」では粒状のスライダーは表示されないが、その他のタイプだと粒状のスライダーも動かせる。

インパクトは写真に施される粒子の影響力で、粒子のコントラスト感を変更できるという感じだ。

粒状は粒子の粗さを調整する。

◀タイプは左のようにメニューが開き、そこから各種の粒子感が選択できる。


ツールバーの右から2番目をクリックすると、いつものようにプリセットが開く。

C1に最初から組み込まれているフィルム粒子のプリセットは左のように13種類もの数がある。自分でタイプとインパクト、粒状を動かしていってもよいが、たぶん、どれがよいのか分からなくなるはずだ。

ひとまず、このプリセットから試してほしい。


プリセットを試すにも、すべて英語表記なので、何がなにやら、、、と言う人も多いだろう。

プリセットの日本語訳を書いてみた。

これは僕個人が勝手に付けた日本語訳なので、公式でもなんでもない。ただ、こんな感じだろうとは思う。

プリセットの名前はすべて形容詞。イメージをつかんでいただければと思う。


◀ついでにタイプの日本語訳もしてみた。多少はイメージできると思う。


それでは実際の画像にフィルム粒子を掛けてみよう。

左の画像はキヤノン6Dで撮ったRAWデータから、C1でモノクロにして、若干の調整を行ったものだ。これにプリセットを掛けてみよう。




◀上の日本語訳と照らし合わせて見ると、何となくこういう感じか、とつかめると思う。


◀ついでにカラー画像にも掛けてみる。


◀ カラーに掛けても悪くはないが、このフィルム粒子はグレーの粒子しかないので、実際のカラーフィルムと同じ粒状感とはいかない。カラーにフィルムと同じ粒状感を施したいときは、このフィルム粒子ツールとノイズツールをうまく併用していった方がよいだろう。


それぞれのプリセットはタイプと調整スライダーの組み合わせになっている。以下に、その調整具合を一覧にしてみた。
想像以上に細かく、そして、いろいろな組み合わせになっていることが分かるだろう。
▲choppy
▲distinct
▲extreme
▲extreme +
▲intense
▲silver
▲silver
▲smooth
▲smooth +
▲soft
▲ soft +
▲vigorous
▲vigorous +

◀最初にも書いたが、フィルムのような粒状を与えるのはC1だけではなく、いろいろなメーカーがツールを出している。

フォトグラファーは自分の好みで選べばよいと思っている。

左で比較したのは左から

Adobe Lightroom5で RAWからモノクロ変換、ノイズを加えたデータ

Adobe Lightroom5からDxO FilmPack 4 でコダック トライXのシミレーションを加えたデータ

C1 8でフィルム粒子ツール「silver +」を施したデータ

この3点で現像した画像を100%拡大で並べたものだ。

C1はRAW現像からフィルム粒子ツールを使えるというメリットはあるんじゃないか、と思う。


◀C1のフィルム粒子ツールには特徴がある。

左は中判デジタルのPhase OneデジタルバックIQ280とコンパクトデジカメ リコーカプリオGX100を比較したものだ。

それぞれRAWデータに同じフィルム粒子ツールを掛けてみた。


◀分かりやすいように100%拡大してみると、左のようになる。

IQ280は8,000万画素、一方リコーは1,000万画素なのだが、比べてみると、IQ280の方が粗く見える。

C1のフィルム粒子ツールのアルゴリズムは推測するしかないが、画像全体に与える粒子の総量が決まっているのではないか? と想像している。高画素のデータでも低画素のデータでも粒子の数は同じで、100%拡大で見ると、必然的に高画素のデータには粗い粒子が掛かっているように見えるという感じだ。

あくまでこの一例を見ただけでの想像なので、真偽は分からないが、何となくだがそうなのではないかと思う。

フォトグラファーによって使っているカメラは違うので、フィルム粒子ツールを使うときは、実際に使う大きさまで拡大して、その粒子感を確認してほしい。プリントするなら実際のプリントの大きさで確認しないと、本番プリントで焦ることになるだろう。


今回はフィルム粒子ツールについて解説した。

次回以降も、8の新機能について順次解説していく予定だ。



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