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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.53


CaptureOne 8 バージョンアップ





文:湯浅立志
フォトグラファー
1961年群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオのカメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。写真関連の執筆多数。有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 8」 38,000円(税別)
対応OS:Windows 7 SP1(64bit) / 8(64bit)
Mac OSX10.9

日本総代理店:
DNPフォトイメージングジャパン
http://www.dnpphoto.jp/products/
phaseone/captureone/index.html


Phase One
http://www.phaseone.com/




さる2014年9月16日に、CaptureOneのメジャーバージョンアップとなるバージョン8(以下C1 8)が公開された。

前のバージョン7の公開が2012年10月25日、バージョン6の公開日は2010年12月1日だった。このところのメジャーバージョンアップはほぼ2年周期ということで、今回はフォトキナ2014のタイミングということもあったのか、若干早めという感じだ。

僕はここの解説もあったり、実際の仕事でも必要不可欠なアプリケーションということもあり、早速バージョンアップして使っている。また1ヶ月弱という試用期間だが、その印象や注意点などを書いていこうと思う。

バージョンアップでの新機能についてはこちらを参照してほしい。

デジタルバック通信

インストールについても過去の解説をお読みいただきたい。細部は違っているが、おおよその方法は同じだ。

メジャーバージョンアップした「Capture One Pro 7」登場!

また、アップグレードなどについてはナショナルフォート様のサイトが最も詳しいと思う。

ナショナルフォート

なお現在、バージョン8はマイナーバージョンアップされ、8.0.1が最新になっている。また、バージョン7もバグフィックスのマイナーバージョンアップがあり、最新は7.2.4となっている。(2014/10/14現在)

バージョン7の解説の時にも書いたが、新しいバージョンが出たばかりの段階でアップグレード版を日本国内の正規代理店で購入はできない。想像だが、価格をいくらにするかなど、バージョンアップの発表後にPhase One社と交渉に入るため、発表と同時に国内での販売とはならないのか? と思っている。(あくまで僕個人の想像の範囲)

ということで、今回も日本国内での販売が間に合っていないので、僕個人はネット上の本国サイトからアップグレード版を購入した。これも前回の解説とほぼ同様なので、そちらを見ていただきたい。

今回、為替が円安ということもあり、アップグレード価格が本国では前回と同じ69ユーロなのにも関わらず、現在の日本円での換算レート1ユーロ136円(2014/10/13)で計算すると、9,300円になってしまう。ナショナルフォート様を含む、日本の販売ディーラーが発表しているアップグレード価格の8,240円から比べると、かなり割高になってしまう。

試用期間が60日間なので、待てる人は日本国内での販売で買った方がよいだろう。

また、今回からサブスクリプションプランも新設された。12ヶ月の使用契約で一月あたり8ユーロとなっている。同じサブスクリプションプランを採用したAdobeのPhotoshopと比較すると、ちょっと割高に感じると思うので、ほとんどのユーザーはアップグレード版の購入となるのではないかと思う。なお、サブスクリプションプランは本国サイトから直接購入となり、日本代理店などは介さない。

前回と同様、注意点としては、本国サイトから購入したアップグレード版、サブスクリプションプランなどを購入したのユーザーは、日本のディーラーからのサポートはない。つまり、何らかのトラブルや疑問点があって日本の販売店に問い合わせても、基本的にはそれに答えることはできない。本国サイトへ自力でメールなど書いて交渉しなければならない。その点を注意しておきたい。

Capture One 8へのアップグレードはバージョン3以降からなら同じ価格でアップグレードできる。古いバージョンのユーザーもシリアルさえあれば対象になる。また、 Capture One LEとExpress版は廃止になった。その受け皿としてCapture One Lと、Expressからのアップグレードも用意されている。日本国内での価格は10,800円。2014年12月末までの特価ということなので、こちらの対象者も早いうちに検討した方がよいだろう。


◀C1 8を起動した最初の画面。

この4種類から自分が使いたいバージョンを選択する。

「Pro」はPhase Oneデジタルバック以外のカメラでもテザー撮影ができるなど、C1のフルパッケージ。

「Pro for Sony」は今回のバージョンから新設された。ソニー専用のC1Pro。ソニー製の対応カメラならテザー撮影も可能になった。ただし、このバージョンで、ソニー以外のカメラでのテザー撮影、および、RAW現像はできない。あくまでソニー製カメラ専用バージョンとなる。

「Express for Sony」C1Expressのソニー版。テザー撮影ができない点と、機能限定になる。

「DB」従来通り、Phase Oneデジタルバックのためのバージョン。35タイプのデジカメで撮影されたRAW現像などはできない。Phase Oneデジタルバックを持っていれば無償で使える。


◀バージョンを選択すると、この画面になる。

お試しなのか、購入、または認証するか?選択する。

上で解説したように、日本国内での販売がまだの場合は、お試しを選ぶ。本国サイトなどでシリアルを持っている場合は、認証するを選ぶ。購入は、本国サイトのストアにリンクしている。


◀ライセンス契約の条件を承認するにチェックを入れて、承諾ボタンを押す。


◀C1 7をお使いだった場合、前回の使用記録が残っているので、そのセッションか、カタログを開くことになる。

ここでの注意点は「アップグレードとして開く」を押すと、C1 8はセッションファイル、またはカタログファイルをバージョン8専用にアップグレードしてしまう。すると、旧バージョンの7でそのセッションファイル、カタログファイルは開くことができなくなってしまうので、注意してほしい。

気軽にお試しで使ってみただけなのに、古いバージョンでは使えなくなってしまうと、かなり焦る。後半に、その対処法を書くので、最後までお読みいただきたい。


◀バージョン8での画面で印象が変わった。その理由はツールなど画面のデザインが一新され、フラットデザインとなった。最近のiOSやAndroidもフラットデザインで、Windowsも8からフラットデザインを採用しているように、今の潮流だろう。



◀今まで使っていたセッションやカタログを開くと、基本特性ツールで左のような画面になっているはずだ。

今までの現像エンジンとバージョン8は違うエンジンになる。そのまま使いたいときは、ここはそのままで。バージョン8のエンジンで処理をしたいときは「アップグレード」のボタンを押す。


◀選択されたカットのエンジンをアップグレードしてよいかどうか? を聞いてくる。

注意として、今までのバリアントを上書きしてしまうので、元のバージョンでは8の処理を開くことができなくなってしまう。それでよければ「エンジンをアップグレード」ボタンを押す。

かなり怖いと感じるが、僕が今まで使ってきて、バージョン8で困ったと言うことはない。なにかの都合で古いバージョンでなければ困るというユーザーもいるかもしれないので、そういう人は注意しよう。

なお、「次から警告しない」をチェックしておけば、次からいちいちこのアラートは出てこなくなる。


◀エンジンのアップグレード後はこのようにエンジンが変わる。

エンジンを変えないとバージョン8からの新機能は使えないので、ここを変えずにバージョン8を使うということはできないし、バージョン 8を使う意味がない。バージョン8で色が違ったという報告も一部ではあるようだが、僕が使った限りでは極端に変わると言うことはないように思う。

ユーザーそれぞれ使用状況が違うので、バージョンアップには注意しよう。

また、バージョンアップしてしまうと、元に戻れないという点も、「バリアントを複製」してからエンジンのアップグレードをすると、以前のエンジンとバージョン8のエンジンが共存できるので、バージョン8に慣れるまではそうした方がよいだろう。


◀さて、先に書いたように、バージョン8はセッション、カタログを上書きしてしまう。上書きされると、古いバージョンではそのセッション、カタログが開かなくなってしまう。これは僕もどうしたらよいか? と思った部分だ。

DNP、フェーズワンの方に相談したところ、バックアップファイルから元に戻せるというやり方を教えていただいた。その方法を紹介しよう。

左はカタログをアップグレードしたときのやり方だ。セッションでも同じ方法になる。

まず、カタログは表向きワンパッケージになっているので、そのカタログファイルを右クリックして「パッケージ内容を表示」で中身を表示させる。


◀カタログの中身が表示させる。

だいたいは左のような構成になっていると思う。

拡張子が「.cocatalogdb」となっているファイルがC1で使うデータベースファイルだ。バージョンアップするとこのファイルが7用から8専用に上書きされる。上書きされてしまうと困るので、自動的にC1はそれのバックアップファイルを作る。それが拡張子「.cocatalogdb.baukup」だ。

この2つのファイルは拡張子が違うものの、同じファイルと言える。


◀バージョン8でカタログ、セッションを開いてしまったあと、元のバージョン7などに戻したいときは、このバックアップファイルをデータベースファイルとして使う。

やり方は拡張子「.cocatalogdb.baukup」の後ろ側、「.baukup」を削除すればいい。同じ階層にバージョン8のファイル「.cocatalogdb」があると、同じ名前になってしまうので、バージョン8のファイルを別の階層に退避させるか、削除してから、リネームを行うこと。


◀拡張子を変えることになるので、左のようなアラートが出る(Macの場合)

ここでは「".cocatalogdb"を使用」をクリックする。


◀これで元のバージョン7で使用できるようになる。


◀今後、この連載でバージョン8の新機能を解説していくので、新機能については触れないが、1つだけここで紹介したいものがある。

新機能ではないが、バージョン8で変更になった部分がある。

左はバージョン7で新規セッションを作成するときのメニューだ。バージョン7になってから、カタログができたので、以前のようにショートカットで新規セッションを作ることができなくなってしまった。プロカメラマンにとってはセッションでの使用が多いので、この点は非常に使いにくくなった部分だった。


◀バージョン8になって、なんと、この新規セッションのショートカットが復活した。これで以前のように撮影ごとにセッションを作って管理するということも簡単になった。僕個人、ここが最もうれしい改変と言える。

さて、最後に、新しいバージョンなので、なにかと不具合が起こる可能性がある。Macの場合は、TimeMachine機能があるので、Capture One Pro 8に限らず新しいソフトを入れる前の状態でバックアップを取っておくことをおすすめする。転ばぬ先の杖となるだろう。



以上、今回はバージョンアップされたC1について、注意点を交えて書いてみた。

次回からは新機能などを含めて、通常の解説をしていくつもりだ。


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