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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.48


バリアントの使いこなし





文:湯浅立志
フォトグラファー
1961年群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオのカメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。写真関連の執筆多数。有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 7」 39,900円
対応OS:Windows Vista/7/8
Mac OS X 10.6.8〜10.9.2

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




今回はバリアントについて解説しよう。

バリアントは新機能でもなんでもないので、今まで触れることもなかったが、C1で作品を仕上げていく上で、このバリアントは非常に便利な機能の1つだ。

バリアント、とは何か? 辞書で調べると、「変形 別形」と出てくる。日本語だとバリエーションという言葉の方がなじみ深いかもしれない。

C1においてのバリアントの意味は、元の画像があって、それに対しての別の画像(元の画像を変えた)という意味と思っていただきたい。元は1つで、それのバリエーションという感じだ。

それではさっそく解説していこう。


これが最初の画面。

テストとしてセッションと作ったので、フォルダにはこの画像1枚しか入れていない。ここから調整を始めていこう。

普通の夕景だったが、空の色が曇天だ。太陽が一瞬さしたので、その光だけが赤い。


色温度と彩度、クラリティーを上げて、印象を強くした。周辺光量も落とす。

取りあえずはこんな感じがイイ線だろう。


◀この調整で、自分としてはイイ線になったので、この状態で取っておきたい。でも、他の調整もやってみたいと思うことはよくあることだ。

そんな時に便利な機能がバリアントだ。


◀メニューバーの イメージ>新規バリアント を選択する。キーボードショートカットが割り当てられていて、キーボードの上の方にある、F2キーを押すだけで新規バリアントの作成ができる。(Fと数字の2ではなく、ファンクションキーのF2なので間違えないように)


◀そうすると、左のように無補正の最初の状態の画像ができる。

新規バリアントは、今までの調整が掛かっていない状態の画像をバリアントとして作るという意味だ。

ここから再度、自分なりの調整を加えていく。

今までの調整を一旦ナシにして、まっさらな状態から調整していきたい時はこの新規バリアントを使う。


◀最初から調整し直すのは面倒、細部を調整する程度のバリエーションを作りたい。と言う時は「バリアントを複製」を選ぶ

キーボードショートカットでF3を押すとこのバリアントの複製になる。

前の新規バリアントを削除して、この「バリアントの複製」をしてみよう。

なお、バリアントの削除は、deleteキーを押すだけで削除される。元の画像が削除されるわけではないので、バリアントの作成も削除も気軽にやってみよう。


◀F3キー(バリアントの複製)を押すと、このように、調整した状態での複製が1つできる。

バリアントにはこのように、F2キーとF3キーの2種類あり、それを使い分けることが使いこなしのポイントだ。


◀バリアントの複製だったので、ある程度イイ線だったところから調整は始まる。

この2番目のバリアントは、さらに印象を強くするために、空の部分をブラシで焼き込んでみた。


◀覆い焼きはやり過ぎるとあざとくなるので、この程度にして、さらに別の方法での表現を試してみる。

バリアントの複製を選び、覆い焼きされているところから、さらなる調整をスタートしてみる。


◀画面全体の青みを押さえ、それと対比するかのように日の光を際立たせたい。

カラーエディターを使い、青い部分の彩度を低くした。相対的に日の光が目立つように。


◀ここまでやるとむしろモノクロにした方がよいのか?  という思いもわき上がる。

今度はF2キーを押し、無調整でのバリアントからモノクロにする。調整済みをモノクロにしてもよいが、階調を重視したいので無調整から始める。


◀モノクロ化するにはいくつか方法があるが、便利なのはプリセットを使うことだ。


◀モノクロも2種類作ってみた。


◀ふと思い立って、夕景の色温度にしてみたらどんな感じだろうか? と思って作ったのがこれ。

このように1つの元画像から、いくつものバリエーションが簡単に作れるのがバリアントのメリットだ。


◀今回は6種類のバリアントを作った。

並べて見るとこんな感じ。比較として、無調整の元画像を一番下に表示してある。

ここから好きな画像、もしくは意図に合う画像を選べばよい。


◀バリアントをこんなに作ってしまうと、HDDがいくつあっても足りない、と思う人もいると思うが、バリアントのメリットはこれだけではない。バリアントはいくつ作っても、それほど容量を圧迫しないのだ。

ちなみに左は今回のテストセッションフォルダ。キャプチャーフォルダには元画像1枚だけだ。バリアントをいくつ作っても、元画像のコピーを作るわけではない。

どうしているかというと、調整のパラメータと、それに基づくサムネール画像、100%表示の時の見本画像を作るだけなので、危惧するほどの容量にはならない。

IQ280のデータなので1枚80Mバイトくらいあるが、サムネールなどが入っているCaptureフォルダ全体でほぼ100MBの容量になっている。さすがに高画素モデルのサムネールなので、かなり大きいが、それでも、プラスアルファと言えるレベルだろう。


◀さて、このようにバリアントをじゃんじゃん作ってしまうと、サムネール表示がバリアントだらけになってしまう。今回のテストのように1枚ならよいが、カタログを使っていると、膨大な枚数が表示されるようになるので、バリアントはうざい存在になる。

そんな時は「バリアントを収納」を選ぶ。


◀すると、左のように見た目は1枚のように「収納」される。


◀サムネールの左上にこのようなアイコンが付いているが、これがバリアントがあるというマークだ。

表向き1枚に見えているが、このアイコンをクリックするとバリアントを展開する。

また、展開時にこのアイコンをクリックすると、バリアントを再び収納する。


◀バリアントを収納の下に在る、「すべてのバリアント...」の2つは、このフォルダの中にあるすべてのバリアントを収納したい時に使う。目的のバリアントだけを収納、展開する時には、このように上のメニューになるので、この違いを理解してほしい。


◀さて、1枚に収納された時に表示される画像が、気に入らない時もあるだろう。このバリアントの中で気に入ったものを表示したい時は、左のように「バリアントを選択」を選ぶ。


◀すると、このように選んだ画像が最前面に出るようになる。


◀バリアントは、言ってみれば順位みたいなものだ。バリアントを展開した時に、上から気に入ったもの順にしておくよいだろう。

バリアント内ならマウスでドラッグ&ドロップすれば順番を変えられる。



今回は、バリアントについて解説した。

大量カットを一気に仕上げるみたいな仕事ではなく、1枚の写真を丁寧に、そしていくつかの候補を作って、そこから1つに絞っていくような、作品作りに向いている機能といえる。

また、仕事でも、クライアントに別バージョンとして、こういう表現もできます、みたいな提案が簡単に行えるのもバリアントに向いている使い方だ。

1枚の写真から多くの表現が試せるのはデジタルフォトならではと言える。

C1でさらに写真の楽しみが広がるだろう。

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