・プロカメラマンのためのムービー撮影術

・カメラマンにとっての3D CG基礎知識

・スチルカメラマンにとってのムービー撮影を考える

・Capture One 徹底使いこなし術

・PCJライティング講座

・プロカメラマンのための撮影データ管理術

・3ds Maxを用いた新時代写真術





「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.42


フォーカスチェック





文:湯浅立志
フォトグラファー
1961年群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオのカメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。写真関連の執筆多数。有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


http://homepage3.nifty.com/y2/
Flickr:http://www.flickr.com/photos/tatsphoto/
Facebook:http://www.facebook.com/tatsphoto
Twitter:http://twitter.com/#!/tatsphoto



「Capture One Pro 7」 39,900円
対応OS:Windows Vista/7/8
Mac OS X 10.6.8〜10.8.2

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




今回はフォーカスチェックについて書いていこう。

写真を撮って、まず気になること…露出が合っているだろうか? ピントが合っているだろうか? ぶれていないだろうか?…たぶん、これが気になるポイント、ベスト3だろう。特にプロカメラマンはピントが一番気になるところなのではないだろうか?

カメラがいくら進歩して自動化したところで、最後にチェックするのは人間の目だ。未来では好きな場所にピントを合わせたり、ぼかしたり、が自由自在にできるようになるのかもしれない。が、まだまだ先の未来だろう。

と言うことで、当分の間は自分の目でピントを確認していく作業からは逃れられない。

今回はC1で、いかに効率的に、そして、楽にピントをチェックをしていけるか? をテーマに解説していく。


◀C1でピントを確認するにはいくつかの方法がある。


◀一番簡単で、多くの人が使っていると思われるのが、ビューワーのアイコンをクリックする方法。

緑の丸で囲んである大きい人物マークをクリックすれば、ビューワー上で100%拡大される。

元のフィット画像表示に戻したいときは、赤い丸で囲んである小さい人物マークをクリックする。

このスライダーは好きな大きさに拡大が出来るので、マウスでスライダーを動かしてもよい。


◀次にハンドツールから、ビューワー上で拡大してみたいところをダブルクリックする方法。

個人的にはもっともよく使っている方法だ。

ダブルクリックで拡大。もう一度ダブルクリックで元のフィット画像に戻る。

注意点としては、ハンドツールにしていないとならないこと。他のツールではダブルクリックしても拡大できない。


◀僕はワコムのペンタブレットを使っているので、環境設定でマウスのクリックの設定を変えている。

ローラーをダブルクリックに変更することで、かなり楽にダブルクリックできるようになる。

余談だが、最近、フォトグラファーの間でも、PC作業が長すぎ、指に障害を持つ人も見受けられるようだ。ダブルクリックは短時間に2度指を動かすので、負担も大きいと思う。

上記の設定は、ローラー部分をワンクリックするだけで、ダブルクリックになるので、負担を減らす面でもよい設定だと思う。


◀僕が使っているペンタブレットのマウス。汚い状態で申し訳ない。

ペンタブレットのマウスは、最近では別売りになっているが、ペンよりもマウスで行った方がよい作業もある。やはり両方あるべきだろう。


◀上に挙げた2つの方法で、拡大したビューワー上で、他の部分を見たいとき、便利な方法がある。

マウスの右クリックで左のようなサムネール画像が出て、そのサムネールの中から、拡大して見たい部分を指定することができる。少し慣れが必要だが…右クリックからすぐに移動できるので、慣れれば便利な機能だ。


◀次に挙げる方法は、フォーカスツールを使う方法。

ツールからフォーカスツールを選び、どこを拡大したいか? は「フォーカスポイントの選択」から指定する方法だ。

これのメリットはコマセレクトを次々に行っても、拡大される部分が同じで、常にフォーカスツールに表示されていることだ。モデルカットであまり動きのないものなら使いやすいと思う。


◀次に挙げる方法はルーペツールを使う方法。

ショートカットキーで「P」を押すとこのツールになる。


◀このツールの便利なところは、見たいところにマウスを置いてクリックするだけで、左のようなルーペで拡大したようにピントチェックできる点だ。


◀ルーペ状になるサイズの変更も可能。使っているPCモニターのサイズによって使い分けられる


◀もちろん、拡大率も変更できる。


◀このルーペツールを使うときは、ペンタブレットでペンを使った方が便利で、しかも楽だ。

前にも書いたように、指でクリックするのも長時間だとかなりきつい作業になる。ペンを使うことにより、ペンタッチして、そこで押し込めばルーペで拡大されるようになるので、指の負担がない。


◀次の方法は大まかなピントチェックに使える方法だ。

左の「フォーカスマスクを表示」ボタンをオンにすると、ピントが合っていると思われる部分を、強調色で表示してくれるという便利な機能だ。


◀C1の環境設定の中に「フォーカス」の設定がある。

ここでピントが合っていると思われる部分を調整することができる。

しきい値とはピントが合っていると判断する基準を甘くするか、厳しくするか? を換えるスライダーだ。

明るさは、フォーカスマスクの色の明るさを換える。

もちろん、色も変更できる。左はデフォルトで、緑になっている。

この場合、緑色になっている部分が、ピントが合っていると判断される部分という意味だ。


◀まず、明るさがデフォルトでは見にくいので、少し上げてみる。

なお、サムネイル画像も含めてフォーカスマスクが掛かるので、数が多いカットからのピントチェックにも使えるだろう。


◀左の参考画像はあえてピントの外れたカットを選んでいる。ピントが合っている部分はバッグの一番レンズ寄りの部分だ。

カラーチャートの部分を拡大してみると、ピンぼけというのがよく分かるだろう。

このしきい値では、ピントの合っていない部分もフォーカスマスクがかかって、ピントが合っているかのように見えてしまう。


◀しきい値をいっぱいに下げてみると、商品すべてにピントが合っていることになる。

この商品カットでは、この設定では使えないと分かるだろう。


◀しきい値300にしてみた。

これでもまだ甘い。


◀しきい値をマックスの500にしてみた。

これだと厳しすぎる。


◀ピントチェックの許容範囲は、各自違うだろうし、使用するシーンでも違ってくるだろう。Lサイズくらいのプリントなら極端に言って、よほどピントが外れていないと分からないという人もいるかもしれない。逆に、B全のポスターサイズになるのなら、よりシビアなピントチェックはあるだろう。

左は僕はこれくらいならよいかな、という例で、この数値は人によるのでご注意願いたい。ご自身でしきい値は決めてほしい。


◀ピントの合っているカットを表示させてみよう。

ご覧のように100%拡大でチャートの部分もバッグもピントが合っている。


◀上のカットにフォーカスマスクを表示させると、左のようになる。

チャートの部分にマスクが掛からない点を見ていただきたい。

このように、フォーカスマスクは万能ではない。人間の目でピントが合っているように見えても、フォーカスマスクではそう判断されないこともある。

逆に、ピンぼけなのに、フォーカスマスクでピントが合っていると表示されることもある。

これでフォーカスマスクは使えない、と思う人もいるだろうが、万能ではないにせよ、簡単な判断材料にはなるので、最初のセレクトにはこれでも十分というシーンも多いのではないだろうか?


◀左の作例だが、マミヤ645DF+、Leafで撮影したカットだ。絞りはF4.0なのでピンぼけの確率が非常に高い撮影だった


◀フォーカスマスクをオンにして見ると、サムネール画像はこんな感じになっている。

ルーペツールでチェックすると、このカットは目にピントが合っている。


◀その前のカットは奥側にピントが行ってしまい、手前の目は外している。

ここで注目したいのは、サムネール画像のフォーカスマスクのかかり具合だ。

OKカットとNGカットではこのくらいの表示の違いがある。

モデル:霧積かのん


今回はフォーカスチェックについて解説した。

このフォーカスマスク機能は、1つ前のバージョン6から付いた機能だと思うが、最初、使ってみて、「実際に使うには厳しいかな〜」と思っていたものだ。

理由は、まず、ピントの合っている部分を検出するのに、それなりのマシンパワーが必要なこと。それと、マスクが掛かって見えるので、クライアント立ち会いなどでは撮影しながら使えないことだった。

マシンパワーについては、昨今のPC事情と、C1自体のバージョンアップで多少改善されたと思う。

撮影しながら使えるかどうか? だが、これはそもそもそういう使い方ではないのではないか? と感じる。ピントが合っているところに色が掛かるわけだから、カメラマン以外はその機能を知るはずもなく、単にヘンな色の表示に不安になるだけだろう。モデルとフォトグラファー、1対1だけの撮影なら、撮影しながらフォーカスマスクを使うというシーンもあるだろうが、プロフェッショナルフォトグラファーではそんなケースはまれ。

実際のところ、撮影後、セレクトの場面で、どれだけ迅速にピントの合っているカットを抜き出せるか? に使うというシーンが、もっとも想定しやすいと思う。

C1はこのフォーカスマスクもあるし、簡単に100%拡大でピントチェックする方法もある。今回の解説が、自分のやりやすい方法を模索する一助になればうれしい。


↑Page Top


| ご利用について | 広告掲載のご案内 | プライバシーについて | 会社概要 | お問い合わせ |
Copyright (c)2010 colors ltd. All rights reserved