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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.41


新しくなったLCC(レンズキャストキャリブレーション)





文:湯浅立志
フォトグラファー
1961年群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオのカメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。写真関連の執筆多数。有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 7」 39,900円
対応OS:Windows Vista/7/8
Mac OS X 10.6.8〜10.8.2

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




今回はLCC(レンズキャストキャリブレーション)について解説しよう。
LCCに付いては過去何度かここでも取り上げているので、今回の前段として今一度お読みいただければうれしい。

№6 Capture One 5.2リリース! さらに便利になったLCCの使いこなし

№3 Capture One 5 で連結撮影 その 3: Phase One編

今回、バージョン7になり、以前のバージョンから変更点が多かったのがLCCツールだ。本来ならもっと早く取り上げるべきだったかもしれないが、このLCC、中判デジタル以外のデジタルカメラユーザーにはほとんど馴染みのないツールなので、後回しになっていた。僕は仕事柄、4×5に付けたPhase Oneでの撮影が多いので、このLCCはなくてはならない機能なのだ。たぶん、LCCがなかったらバックタイプを4×5に付けて撮影しようとは思わなかったかもしれない。それほど重要だと思っている。


まずはバージョン6までのLCCと比較してみよう。

左がバージョン6の画面だ。レンズ補正の中にLCCは組み込まれていた。レンズに対する補正をすると言うことで、これはこれで分かりやすい構造だったと思う。


◀バージョン6までのLCCの操作方法はここでは書かない。過去の解説を参照して欲しい。

LCC作成後、LCCファイルを撮影画像に当てるというやり方が基本だ。

LCCを作る際、LCC画像から解析、解析(ゴミ除去しない)、分析(テクニカルカメラ広角)と3通りの作成方法があり、この部分が分かりにくく、しかも、毎回それを選択しなくてはならなかったので、面倒な部分だった。

また、LCCファイルは作成するとたまる一方なので、よく使う人は短期間にかなりの数になってしまい、定期的にそれをファインダーから削除するという手間もあった。


左がLCCファイルが格納されているフォルダ。使わないファイルはこのようにファインダーから手作業で捨てる。

以上がバージョン6までのLCCだった。


◀バージョン7で新しくなったLCCツールが左の画像になる。

レンズ補正とLCCツールと、ツールが分けられた。これは先に書いたように、LCCツールを使う人が限られた人だからだろう。使わない人にとってはこのツール自体をツールから削除してしまうなどして、シンプルな画面にした方がいいだろう。


◀また、レンズ補正から独立させたもう1つの理由は、レンズプロファイルでLCCをカバーするということがある。マミヤ645DF+などを使えば、自動的にレンズプロファイルを当ててくれるので、そのプロファイルの中にすでにLCCのような色むらをなくすための補正値も入っているからだ。つまり、レンズプロファイルのあるものなら、LCCは必要ないと言える。ただし、広角レンズなどで、周辺光量落ちなどは今まで通りLCCをカスタムした方が良いという場合もあるだろう。


◀実際の撮影でLCCを作成してみよう。

左のようにボトルなどを垂直を出して撮影するようなシーンがもっとも分かりやすい例かと思う。


◀バックタイプを4×5に付けて、このようにアオって撮影するのだが、フィルムと違い、センサーに対して斜めの光に弱い。ここで色むら、周辺光量落ちの原因になるわけだが、さらにレンズ固有の特性もあり、アオって撮影したときは、かならずLCCツールを使わないと、あとあと修正困難な画像になってしまう。


◀LCCを作るために、Phase One各デジタルバックに付属している乳白アクリルを撮影する。この時、このアクリルが均等な光になるように、注意すること。何かの影が掛かっていたりすると、その影も考慮したLCCファイルになってしまう。


◀上のやり方で撮影した画像をビューアに表示させたら、LCCツールの中の「LCCを作成」ボタンを押す。


◀次にゴミ情報を含む、と広角レンズアオリのチェックボックスがある。センサーに付いたゴミもLCCで取りたいときは、ここをチェック。また、上のように4×5にバックタイプを付けての撮影時には広角レンズアオリもチェックする。

僕のように毎回これを使う人は、その下の「再度表示しない」にチェックを入れておくと、この画面を飛ばせる。


◀作成ボタンを押すとLCCの作成に入る。この作業は当然ながらマシンパワーのあるPCの方が早い。LCCは昔からそうだが、かなりパワーを要するツールなので、たとえば撮影画像すべてにLCCを掛けるなどはしない方がよいだろう。必要なカットだけ、最小限にした方が作業的には効率的だ。


◀左がLCC用に撮影されたアクリル板を撮ったもので、LCCを掛ける前。


◀これがLCC作成後の状態。このように色むらがなくなるのがよく分かる。


◀LCC作成後、他の画像にそのLCCを掛けないとならない。

バージョン6まではLCCファイルに名前を付けて保存していたので、そのファイルネームを選択して掛けると言うことができたが、バージョン7からはLCCファイルに名前を付けると言うこともなくなった。

なので、LCC作成後は、調整のコピー&ペーストで、このLCCファイルを他の画像にペーストして掛ける。

文章だと分かりにくいかと思うが、左のようにLCCツールから調整クリップボードでコピーをして、別な画像にそれをペーストするというやり方だ。


◀今バージョン7から便利になったのは、LCC用画像をビューアに表示させたら、右クリックでLCCの作成ができるようになったことだ。

ただし、カーソルが選択ツールの状態でないとこの右クリックは使えない。マウスを上のツールバーから選択ツール(矢印のアイコン)に変えて試して欲しい。


◀テザー撮影をしている際には、最新の撮影カットに逐一、ホワイトバランスなどの調整を加えた状態で表示させたいと言うことがある。これにLCCを入れて完成データに知覚して表示も可能だ。

赤枠で囲んだように、キャプチャー設定を「最後からコピー」にしておくと、最後に調整した画像のすべての調整を、撮影する度に掛けてくれるようになる。ただ、何度も言うようだが、それなりのパワーが必要になる。


◀LCCのもう1つの特徴であるゴミ取りも簡単に解説しよう。

デジタルカメラのセンサーに付いたゴミをLCCを使って見えないようにするというものだ。LCC用画像を撮るときに、センサーに付いたゴミは黒く写る。それを、C1が解析して、見えなくする。

左のように拡大するとゴミが写っている。赤丸で囲んだのが、センサーに付いたゴミだ。その他のゴミは、撮影時に白バックに付いていたゴミだ。


◀「ゴミ除去」をチェックすると、このようにセンサーに付いたゴミは消える。

この例のようにフラットな部分に付いたゴミはきれいになくなるが、樹木など、複雑な絵柄に重なった部分でのゴミは難しい。ゴミの部分に周りから画像を持ってきて修復するような機能なので、シンプルな絵柄の時には良いが、複雑な絵柄ではごまかしきれないのだ。

取りあえずやってみて、ごまかしが目立たなければいい、と言うくらいに使った方が良いだろう。


◀もう1つ、ユニフォームライトを有効にする、というチェックボックスがある。

これはLCCから分析した周辺光量落ちを回復させると言う機能だ。

左の画面は左がLCCのユニフォームライトを使ったもの。右がレンズ補正の光量低下を使ったもの。

LCCのユニフォームライトはアオった状態での光量落ちを回復させている。レンズ補正の光量低下は、画像の周辺部を一律上げている。その違いがある。

どちらが良いかは使用シーンによるので、フォトグラファーが決めることになる。



今回はちょっとマイナーだけど、使う人にとってはこれなしでは撮影できないというLCCに付いて解説した。多くの人にとって参考になるわけではないが、デジタルバックを手にしたときに必ず役に立つはずだ。頭の片隅にでも覚えておいていただけるとうれしい。

また、LCCは現在デジタル一眼レフのRAWデータにも対応しているので、デジタル一眼レフで広角レンズ使用時などにも有効だ。



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