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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.40


部分調整ツールの使いこなし





文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


http://homepage3.nifty.com/y2/
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「Capture One Pro 7」 39,900円
対応OS:Windows Vista/7/8
Mac OS X 10.6.8〜10.8.2

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




今回は部分調整ツールについて解説しよう。

部分調整ツールはCapture One 7で自動マスク機能が追加され、以前よりも強化されたツールだ。いろいろな解説の際にブラシを使って部分調整をするというやり方は、過去に何度か紹介してきた。今回は自動マスク機能も含めて、重点的に解説しようと思う。

ちなみに過去の解説はこちら。すでに忘れているかと思うので、再度、目を通した上で、今回の解説をお読みいただきたい。

№11 Local Adjustment(部分調整)の使いこなし



左の写真を例にとって進めよう。

京都での1コマだが、すでに夕方5時だったので、光が柔らかく、そして傾いている。通りがかった巫女さんの赤い袴が印象的だったのでシャッターを切ったが、撮ったままではその印象は伝わらない。

これを自分が感じたイメージに仕上げていく。


部分調整ツールはツールバーのブラシのマークの中にある。

左はデフォルト状態。

まず、空の部分が明るすぎて、色もない状態なので、これを空のようにしていく。


◀+ボタンを押せばレイヤーが1つできる。レイヤーは最高10個まで作ることが可能だ。

レイヤーのない状態からならブラシマークのボタンを押してもレイヤーはできる。


◀レイヤーを作ったら名前を入れておくとよいだろう。レイヤー2、3個くらいなら、このままでも分かるだろうが、名前があるに越したことはない。


◀ビューワーの上のツールバーからブラシを選ぶ。

ブラシツールは「マスクを描く」を選択。これで調整したい部分を塗っていくというのが基本的な使い方だ。

Photoshopを使う人なら抵抗なく使えると思う。

このツールの中には「マスクを消す」「グラデーションマスク」が選択できる。ショートカットキーがマスクを塗るのはブラシツールのBで、それを消すのは消しゴムのEと覚えておけばよい。

また、部分調整ツールの最初ではなんの調整も変えていないので、ブラシを塗っても画像の変化がない。どこを塗って、どこが塗られていないのか? 分かりやすくするために、マスクを表示できる。マスクはショートカットキーでMになる。

実際の作業ではマスクを表示、非表示と切り換えて、常に塗られている部分を確認しながらの作業になるので、Mキーは是非覚えておこう。

左のように、「設定中のみマスクを表示」で、塗る時だけマスク表示させることも可能だが、個人的にはそれほど良い使い勝手とは思えない。僕の場合、頻繁にMキーを押して確認している。

次マウスをブラシに変えて塗っていくわけだが、ブラシの設定を説明しよう。

ブラシツールの状態で右クリックで左のような設定ウィンドウが出る。

サイズはブラシの直径。左の場合、外から2番目の円がそれだ。ショートカットキーがあり、「と」で直径を変えられる。

硬さは、ブラシのボケ足。左の場合、先ほどの直径から外側の幅を指す。ショートカットキーがあり、[と]で幅を変えられる。

不透明度はそのまま、ブラシの透明度。


「筆圧を有効」はペンタブレットを使った時のタッチの強さに反応するかどうかだ。

オートマスクは今回の目玉の自動マスク機能になる。


◀左が上の設定でワンクリックしたところ。

マウスでのクリックでは、このようにワンクリックだけで、直径部分が塗りつぶされる。その外側がボケ足だというのもよく分かるだろう。


◀左がペンタブレットでタッチした様子。ペンタブレットだと、その筆遣いで同じ設定でもタッチの強さで塗る範囲を変えられるので、この部分調整ツールを使う時は是非、ペンタブレットをお使い頂きたい。作業が格段に楽になる。


オートマスクをオンにして、ブラシを塗っていく。

オートマスクがオンだと、直径の中にもう1つ輪が表示されるが、この小さい輪で塗ったところを自動的に認識して、それと同じ部分と、そうではない部分を判別、同じ部分だけにマスクを塗るという機能だ。

たとえば、左の例だと、空を塗るわけだが、木の部分は極力塗りたくない。そういうときに、小さい輪の部分は空にある状態でブラシ直径は枝に掛かるくらいで塗る。

左の状態が塗っている時のものだが、このように塗って、マウスを放すと、、、


空だけが塗られて、木の部分はマスクが消えるという、マジックのようなことが起きる。

これが自動マスク機能だ。

使いこなしのコツは、常に塗っている時の小さい輪の部分を意識することだ。小さい輪の部分が空ではなく、木の枝に掛かったりすると、枝も選択した、と判断されるので、枝部分もマスクがかかってしまう。


そのようにして塗ったのが左の画面。

クリックで拡大ウィンドウが見られる。

枝の透けている部分は自動マスク機能でもそれを分離するのは難しい。


塗りすぎた部分を消すのは消しゴムツールだ。

消しゴムの大きさも右クリックで変更できる。消しゴムにもオートマスクがあるので、必要に応じて使い分けよう。


この写真のように青空が白っぽくなっているのを青くする例では、よく起きるのが左のようなまだらになってしまうことだ。

アウトフォーカス部分ということもあり、空と枝の境目がハッキリしない。自動マスク機能でまだらに選択されてしまったのが原因だ。

こうなってしまうと、直すのはかなり難しい。どれだけ手を加えられるか? による。


◀今回はブラシを柔らかくして、ボケ足を長くした状態で気になるところを塗っていった。


◀境目が分かりにくいように調整したのが左の例。


次に境内の白砂を白くする。

地面を白くするためのレイヤーを作り、同じように地面を塗っていく。


◀地面レイヤーの露出、明るさを明るく調整する。


◀さらに巫女さんの袴の赤を強調する。

袴用にレイヤーを作り、ブラシで袴部分を塗っていく。ここでも自動マスク機能は便利だ。


◀これが完成状態。


◀撮ったままと比べれば、その差は歴然。



今回のように部分調整でいくつものレイヤーを作っていくと、今、どのレイヤーを調整しているのか? 分からなくなってしまう。

その際はビューワーの左上に現在アクティブなレイヤーが表示される。バックグランドとはレイヤーのない元画像を指す。




部分調整ツールは写真を調整する上で、作業と考えると効率の悪い方法だ。1点1点、ブラシを塗っていくことは1枚の写真を仕上げるという時には緻密で良い方法なのだが、仕事で写真を短時間に仕上げていく時には向いていない。

部分的に色を変える、または調整する方法論は、部分調整ツール以外にもいろいろなやり方がある。その方法を知っていれば、どういう時にはどういうやり方が向いているのか? 事前に分かるようになる。

自分には興味ない、とか、向いていないと思うこともあるだろうが、この手の技術は知っていることが重要だ。時間のある時に実際に試して、自分の知識としておいて欲しい。


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