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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.35


写真に著作権情報を入れる





文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


http://homepage3.nifty.com/y2/
Flickr:http://www.flickr.com/photos/tatsphoto/
Facebook:http://www.facebook.com/tatsphoto
Twitter:http://twitter.com/#!/tatsphoto



「Capture One Pro 7」 39,900円
対応OS:Windows Vista/7/8
Mac OS X 10.6.8〜10.8.2

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




まずは、ここのところ恒例となっているバージョンアップ情報から。Capture One 7がバージョンアップされた。「Capture One 7.1.1」となる。
詳しくはこちらのサイトを参照いただきたい。Phase One デジタルバック通信

バージョンアップは、バグフィックスと新しいデジタルカメラへの対応が主なところだ。実はキーワードをテーマにした解説を今回行う予定だったが、テスト中、キーワードを写真に付ける動作で、頻繁におかしいことが起こっていて、3月分の解説を他のテーマに変更することにした。今回のマイナーバージョンアップ後、そのキーワードの件も解決しているようなので、次回に解説していくつもりだ。

今回はキーワードと同じように、写真に対しての情報を追加することを解説していきたい。

フォトグラファーなら誰しも、自分の撮影した写真に著作権があることをご存じだろう。撮影した時点で著作物として写真はフォトグラファーに帰属する。デジタルになる前はネガやポジの管理、そしてプリントへのサインなど、著作権に関しては割に気にすることも多くはなかったのが実情だと思う。なぜなら写真を流用しようとすると、デュープや複写など、技術的と金銭的な問題を経ないとコピーができなかったからだ。デジタルフォトになって、PCさえあれば、いや、iPadやiPhoneなどの端末でも可能だが、写真を複製、コピーすることは簡単にできるようになってしまった。Webで見た画像が気に入ったから、コピーしてPhotoshopでフィルターを掛けてカタログに使ってしまうなど、アンダーグラウンドながら良く目にする、耳にすることになってしまった。

フォトグラファーは、今の時代、常に自分の写真はそういう危険があると言うことを前提に、写真を撮影する、保存、公開するということを考えておかなければならない。

C1は新しいバージョン7からカタログを使えるようになって、今までの職業的なフォトグラファーだけではなく、作家的なフォトグラファーの作品作りでも中核になるアプリケーションとして進化した。そこには当然、著作権情報の保護、明記のツールも備わっているので、今回はそれをテーマにしていきたい(注意:写真の著作権については、ここで解説はしないので、Webで調べるなり、本を読むなりしてほしい。ここで著作権と簡単に表記しているが、便宜上の措置である)。

まず、写真を撮る際に自分の名前などを入れておこう。ここが基本だ。


◀キヤノン6Dを例にとる。

カメラの設定から「著作権情報」を選ぶ。

なお、ここ数年発売された機種ではこのような項目があるが、古い機種では設定自体がないものもあるようだ


◀作成者名、著作権者名を入力する


◀入力後、表示させたところ。

ちなみにこのカメラは僕の女房が使っているものだ。


◀キヤノンではカメラとテザー撮影するアプリケーションからもこの情報は設定できる。

アプリケーションからの設定では、カメラの所有者も設定できる。


◀撮影後、C1のカードからのインポート画面。

ここでも「コピーライト」という項目があり、データコピーの際に撮影画像にコピーライトを入れることが可能だ。左はデフォルト画面。


◀コピーライトの項目に「©tats yuasa」と入れておくと、インポートされる画像ファイルにコピーライトを入れられる。

なお、ここを空白にしてインポートすると、カメラに設定されている著作権者情報が入る。

現実的な使い方として、他人のカメラで撮影した写真に自分の著作権情報を入れたい時に使う。その際でも、カメラの所有者名は変わらない。


◀上で説明したキヤノン6Dで撮影した画像を、上のインポートのやり方でインポートした。

画像を選び、ツールバーのメタデータを選択すると、その画像ファイルの情報(メタデータ)が表示される。

カメラの設定がここに表示されているのが分かるだろう。

さらに、コピーライト情報の項目に「©tats yuasa」と入る。

今回は説明のために名前を変えているので、実際にはこういうパターンで入れるケースは少ないだろう。

ここでの入力は各自適した名前を入れてほしい。

項目を理解するのは結構大変で、僕自身も理解しているとは言いがたい。ただ、個人のフォトグラファーなら自分で撮影して、自分で現像して、自分で公開するわけなので、該当する項目には全て自分の名前を入れておけばよいことになる。最低限はそうなっていれば十分ではないだろうか。

◀なお、写真データには2種類の管理情報がある。1つはEXIFデータ、もう1つはIPTC情報と呼ばれるものだ。

EXIFデータは撮影時に記録されるデータで、絞り、シャッタースピード、時間などの他に、今回のように撮影者情報も入れられる。基本的には撮影時に記録されるデータで、後からの変更ができない(変更する方法もあるが、ここではそれを除外する)。

IPTC情報は検索を目的にしたデータで、後から追加変更が可能だ。

写真に対しての著作権情報を入れるという目的なので、まずは使用するカメラに著作権情報を設定することと、C1でIPTC情報を追加することの2段階で完成する。

写真をインポートしただけではIPTC情報は不完全なので、さらにIPTCコンタクトという項目を入れよう。

これは写真にその写真を作った人の連絡先を入れるものだ。

僕の場合、会社組織なので、その住所、Webサイト、メールアドレスを入れる。

◀以上のやり方で、写真全部にデータを入れていけばよい。が、当然、1枚1枚それを入れていくのは大変な作業だ。

プリセットを作って、簡単に入れる方法を紹介しよう。

まず、情報を追加した画像をプレビューに表示させてから、ツールバーから「ユーザープリセットを保存...」を選択。

◀何の項目を保存したいか? を選ぶ。ここでは作成者からWebサイトまでをチェックする。
プリセットの名前を入れる。


◀プリセットの名前を入れる。


◀プリセットの名前を「作成者情報」とした。

なお、写真の著作者とこの作成者は異なるケースもある。撮影したフォトグラファーと、そのデータを管理、現像した人が違うケースはあるだろう。その際はここの作成者情報にその情報を入れる。

◀プリセットができたら、その情報を入れたい画像を選択してから、ツールバーのユーザープリセットから、「作成者情報」を選ぶと、画像にその情報が入る。

なお、この時も1枚1枚その作業をするのではなく、複数枚を選択して、一括でこのプリセットを掛けることが可能だ。

◀上記のように情報を入れた画像がどうなるか?見てみよう。

まず、これらの情報を写真に入れたいかどうか? 職業的なフォトグラファーの仕事の写真では入れないというケースもあるだろう。

C1ではデフォルトで現像後のデータにはこれらの情報が入るようになっている。左のように現像設定のメタデータの項目にそれらのチェックボックスがある。

デフォルトでチェックされるので、入れたくない時はチェックを外すこと。


◀現像した画像をPhotoshopで開いてみよう。

Photoshopのファイル情報を見る、からその画像データに含まれている情報を見ることができる。

ちゃんと僕の名前が入っている。

Photoshop以外でも画像情報を見ることができるアプリケーションは多いので、試してみるとよいだろう。


今回は写真の基本となる著作権情報について、C1で行う方法を解説した。

この方法で、すべての写真の保護ができるわけではない。何の対策にもならない、という人もいるだろう。写真の無断使用はフォトグラファーにも頭の痛い問題だが、個人で防衛できることには限界がある。100%防ぐことは不可能だ。Webで公開すれば、様々な方法でコピーは可能になる。Web公開しなくて、たとえば他人に写真を見せる目的で画像データを渡すこともあるだろう。その時にはその人を信用するしかない。

自分の写真に著作権情報を入れておくことは、個人のフォトグラファーができることでは、最も簡単で、しかも最大限のことではないかと思う。画像コピーは防げないが、カジュアルにコピーする人間は画像データに著作権情報が入っていることさえ知らない。不正使用されても、いつかどこかでその写真の中の情報が明るみになることもあるだろう。そのためのものなのだ。


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