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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.32


新機能の「カタログ」を使う





文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


http://homepage3.nifty.com/y2/
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「Capture One Pro 7」 39,900円
対応OS:Windows Vista/7/8
Mac OS X 10.6.8〜10.8.2

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/






年末進行のさなか、CaptureOne Pro7はお使いだろうか?前回はダウンロードして使うまでを解説したが、これからは新しい機能などを紹介していきたい。

12月に入って、バグフィックスと思われる 7.0.1が公開になった。 C1に限らず、たいていのアプリケーションはバージョンアップ後には大なり小なりのバグを抱えているものだ。仕事で使うのでそれはイヤだ、 困る、と言うフォトグラファーは、この解説で書くのもなんだが、古いバージョンを使うことを薦める。新しい機能を知り、そして、いち早く自分のものとして作品にすると言うことも大事なことだが、今までの仕事との連続性を重視すると言うことも、プロなら当然のことだ。

新しいC1だが、僕の環境では現像時にエラーが出てしまい、かなり厳しい感じを持っていた。7.0.1でそれは解消されたかに見えたが、一部、不完全なところがある。

僕の場合だけなのか、不明だが、念のため、ここでも紹介しておこう。

現象としては現像結果の画像データにブロックノイズが乗るというものだ。最初のバージョン7ではそれが大規模に発生してしまった。本国のBBSでも話題になったようだ。解決法は環境設定でOpen CLをオートではなく、オフにすると言うことで正常に現像できる。このバグはバージョンアップ後に大部分は解消されているようだが、僕の環境では詳細に画像を見ると一部にブロックノイズが乗ることがあり、完全に解決していないと思われる。それでも現状は環境設定でOpen CLを切ることで問題なく使えるので、僕は日々の仕事でも使っている。

他にも、細かい点でおかしいと思うこともあるが、それが自分だけの現象なのか、どうなのか、分からない。余裕のあるフォトグラファーは、現象をPhase One社に連絡してほしい。C1がさらに熟成するために。

前置きが長くなったが、今回の本題に入ろう。

バージョンアップの最大のポイントは「カタログ」の採用だ。これは前回の一番最後にも書いたが、セッションを使っていたC1がアドビのLightroomと同じようにカタログを採用したと言うことは、今後、C1の大きなターニングポイントになるだろう。

カタログに関しては、C1にとってまったく新しい機能なので、今回に限らず、今後も解説していくつもりなので、お待ちいただきたい。

今回はカタログの概要というか、最初の一歩を解説しよう。

まず、最初にセッションとカタログの使い分けについて。それぞれターゲットとしているフォトグラファー、そして目的が違うので、その点を理解していこう。

以下は、僕が考える分け方だ。

セッション カタログ
写真はその場限り。撮影、調整、納品したら終わりの仕事向き。
写真は永続的、半永久的に使う人に向く。
もしくは、連続性のある撮影に向いている。
雑誌、広告などを仕事としているプロフェッショナルフォトグラファー
写真家
ハイアマチュア
アーカイブなどを目的にした撮影

端的に言うと以上の分け方になる。

誤解をしてほしくないが、すべてがこうだというわけではない。フォトグラファーによっては、連続性のある仕事の場合、たとえば1つのメーカーの商品撮影を長年やっている、と言うようなケースではカタログを使った方がよい場合もある。また、仕事の撮影では納品したら終わりのフォトグラファーでも、プライベートでの作品は別のカタログに一元管理しておきたい、と言う場合、セッションよりも、カタログでひとまとめにしておいた方が、後々、作品をまとめて発表する際にも便利だろう。要は使い分けだ。

セッションで日々の仕事をしているフォトグラファーは、C1がカタログになったからと言って、無理にカタログで撮影しなくてもいい。慣れているセッションを使えばよいのだから。

ただし、カタログのことをまったく知らないでC1を使うのももったいない。この解説を機に、自分の作品はカタログでまとめてみるなど、今までとは違った展開も可能だ。そんな参考になればうれしい。

それでは解説に入ろう。


◀C1をインストール後、カタログになった、という人はそのままでもよい。

カタログを選択せず、セッションを使っているという人は、ファイル>新規カタログ、を選択する。

ショートカットが割り振られているが、新規セッションにはショートカットが割り振られていないのは、個人的に理解に苦しむ。

カタログができたら、写真を取り込む。

「イメージをインポート」と言うボタンを押し、カタログに取り込みたい写真のフォルダを指定する。

◀次回以降はメニューバーの左端のボタンを押すと、写真の取り込みになる。


カタログへの写真の取り込み方法は他にもいくつかある。

左は写真のフォルダを直接マウスでドラッグ&ドロップする方法。

もう1つは、C1のDock内のアイコンに写真フォルダをドラッグ&ドロップする方法。

また、写真はフォルダ単位でなく、1枚の写真でも同じようにドラッグ&ドロップすればカタログに取り込める。


◀「イメージをインポート」と言うボタンを押した後、取り込むフォルダが違ったときは、ここから選択する。ここには過去に取り込んだフォルダを表示している。


◀目的の写真が表示されたら、次に保存先を選択する。

デフォルトでは「カタログ内」になっている。

「カタログ内」というのは、C1が新たに採用したカタログファイルの中に写真画像が格納されるという意味だ。これは後半に解説する。

「現在の場所」というのは、取り込もうとした写真画像の、今あるフォルダのことを指す。そのフォルダのディレクトリのまま、C1のカタログ管理をしたいときに使う。


◀「フォルダを選択...」は新たに、そのカタログで使うフォルダをインポートフォルダとして設定するという意味だ


◀コレクションではデフォルトで「最近のインポートのみ」になっている。コレクションについては、次回以降、解説するつもりだ。

当座は、使い慣れるまでは「最近のインポートのみ」で問題ないだろう。その下のバックアップなども、次回以降に解説していこう。

◀インポートウィンドウの左下には、インポート後の動作を指定する項目がある。

インポート後、その取り込んだコレクションを表示するのが、デフォルトでの「常にインポートコレクションを開く」という意味だ。


◀インポートの各部設定が問題なかったら、右下の「全てをインポートする」ボタンを押せばインポートが始まる。


フォルダの中の特定の写真だけを取り込みたいときは、サムネイル表示されたインポートウィンドウから、特定の写真をクリックで選択し、その後に右下のインポートボタンを押す。

このインポートウィンドウでセレクトができるので、粗選びにも使える便利な方法だ。


◀インポートボタンを押すと、インポートが始まるが、その状況はアクティビティウィンドウで表示される。

C1では新たな写真を取り込み後、C1での処理エンジンによって、サムネイル画像を作り直す。

左の例では、上のアクティビティウィンドウが取り込みの状況、下のアクティビティウィンドウがサムネイル画像として使うプレビューを作成している状況を表す。

このグラフが出ているときは、PCのパワーをそちらに取られているので、若干動作が遅くなる。なので、これが終わるまではそのままさわらない方が良いだろう。


◀取り込み後はこのように取り込んだ画像を表示する。赤枠で囲んでいるのは、取り込みごとのコレクション分けがされている状況だ。

C1のカタログでは、この取り込んだ際の日時が非常に重要な意味を持つ。


◀これでカタログが使えるようになるわけだが、取り込んだ画像を確認して、おかしいことに気がつく場合がある。

JPEG画像が取り込まれていない、という人もいるだろう。

理由は、C1の設定による。これはグローバルフィルターで「JPEGファイルを隠す」にチェックを入れていると、インポートする画像も、JPEGファイルは読み込まれないという設定になる。

カタログを使っていこうという人は、ここの確認を忘れないようにしよう。取り込まれたと思って、元のファイルを削除してしまったら、取り込まれていないJPEGはなくなってしまうと言う事故が起きかねない。


◀取り込み後はムービーファイルも写真と同じように扱える。今のフォトグラファーはスチルもムービーも撮るケースが多いので、このあたりも便利だ


◀さて、もう1つ、C1でカタログにインポートする時に便利なのが、XMPファイルを使うと言う方法である。

左はアドビのBridgeだ。Bridgeでセレクト、CameraRAWで調整というフォトグラファーも多いと思うが、そのファイルをC1で流用することができる。


上のBridgeで表示していたフォルダを、C1にインポートしたところ。

このように調整は無理だが、レイティング、タグ、場所やキーワードなど、Bridgeで付けたものはC1でもそのまま表示される。


◀ただし、Bridgeの設定を左のようにしておかないとならない。

Bridgeの環境設定で、画像設定の保存先を「サイドカー、xmpファイル」に指定しておく。


◀すると、Bridgeでの調整、タグなどは同じフォルダの中にxmpファイルとして付加される。


◀その状態でフォルダをインポートすれば、タグ、レイティングなどはC1に移行できる。

左はBridgeで「花」というキーワードを付けておいた画像。

C1でも花のキーワードができて、そこをクリックすると、花の写真が選ばれる。


◀カタログでの写真を選択、表示させるには一定の方法がある。

左のツールバーの上からコレクションを選び、その中でタグや星の数を選んだものが下のサムネイルビューワーに表示される。

最初は慣れないと思うが、この左の上から順番に下に下がる、という法則を頭に入れておけば、すぐに慣れてしまうはず。


◀さて、カタログに入った写真はどこに行ったのだろうか? 自分の大切な写真がどこに行ったのか? どこに保存されているのか? 非常に不安になる。

C1のカタログは、取り込んだ写真はカタログの中に入る(デフォルトでカタログに保管を選んでいる場合)。

左のようにそのカタログファイルの情報を見れば、左の例だと50GBにもなっているので、中に写真が入っているというのは想像がつくだろう。

◀実際に写真はどこにあるのか? というと、このカタログの中なのだが、普通では表示できない。パッケージとして見られないようになっているからだ。

見る方法は、カタログを右クリックで「パッケージの内容を表示」を選択する。


◀すると、このような構造になっていて、Originalというフォルダの中に、取り込んだ日時でフォルダ分けされて、画像の本体が格納されている。


◀C1では、カタログを採用する際に、面倒なフォルダ分けなどを、ユーザーの目に触れないようにしたのだろう。カタログ全体を1つのファイルとして管理するのは、写真をバックアップするという面からも、便利な方法だと思う。

上の手順でオリジナルファイルを取り出して、という方法はスマートではない。

C1でカタログを使うと、もっとスマートにオリジナルを使えるようになる。

取り出したい画像を選び、右クリックで「エクスポート...」を選ぶ。そこからオリジナルを選択。すると、「オリジナル...」と「バリアント...」の選択が出る。

「オリジナル...」を選ぶと、指定のフォルダにオリジナルの画像ファイルをコピーする。その際に、C1でのタグ付け、調整などはオリジナル画像と同じフォルダに「CaptureOne」という名前のフォルダが作成され、そこにパラメーターが入る。オリジナルとパラメーターのコンビで書き出されるという仕組みだ。


◀もう1つ、「バリアント...」を選択するとどうなるか?

左のようなウィンドウが開き、どこのフォルダへ、なんのフォーマットで書き出すのか?を指定できるようになる。

「エクスポート...」する際の「オリジナル...」と「バリアント...」の違いはこれだ。

オリジナルは撮影された、もしくはC1に取り込んだままのファイルをコピーすることで、バリアントは他の画像形式に書き出すことを主とした目的の時に使うと覚えておきたい。


◀最後にバックアップについて。

この時のバックアップは、C1のカタログのバックアップを指している。撮影画像のバックアップではないので誤解しないようにしたい。

バックアップの指定は環境設定の一般の項目にある。また、日にちが経つと終了時に自動的に左のようなアラートが出るので、その時にバックアップのボタンを押せば完了する。

このバックアップは、カタログなのだが、内容はタグやキーワード、調整のパラメーター、そしてプレビューデータが含まれる。カタログへの登録枚数が少なければ数MBなのだが、数万枚の写真を登録していくと、容量が増えることが予想される。当座、慣れるまではデフォルト設定で行って、枚数が多くなったときに再度、設定を見直していけば良いだろう。

なお、画像自体のバックアップは先に書いたように、このカタログのファイル自体をバックアップする事で完結する。カタログファイルにすべての画像を含んでいるメリットはここにある。



今回はここまで。

次回以降もカタログに関しては随時、解説していくつもりだ。Lightroomでもそうだが、カタログというものが分かりにくいと感じるフォトグラファーが多いと想像している。慣れればどうと言うことないのだが、得てしてPCに強い人、画像をご自身でディレクトリ管理している人には不評な印象を受ける。

次回以降は、いろいろなフォトグラファーに自分に合ったカタログ管理の方法を書いていきたいと思う。


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