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・3ds Maxを用いた新時代写真術

・Capture One 徹底使いこなし術

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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.28


テザー撮影についての四方山話





文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 6 Box」 49,800円
対応OS:Windows XP/Vista/7、
Mac OS X 10.5.8〜10.6

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




今年の夏もかなり暑かったが、僕たちフォトグラファーを取り巻く状況も、それに負けずにホットなニュースが多かった夏だった。

まずは、CaptureOneのマイナーバージョンアップ。



6.4.3は Mac OS X 10.8 Mountain Lion に正式に対応したバージョンだ。また、待望だったキヤノン5D Mark III、ニコン D800などの新型カメラとテザー撮影の対応もこのバージョンからできるようになった。

今やデジタルカメラとは切っても切れない関係となったパソコンだが、Macの方も新型が発表になった。それと先に書いたようにOSのメジャーバージョンアップも行われた。

今回はC1の解説と言うよりも、バージョンアップされたC1とそれを取り巻くPC環境についての四方山話をしていきたいと思う。

さて、最も大きな変化はMacOSのバージョンアップだろう。Mac OS X 10.8 Mountain Lion に対応したアプリケーションはまだまだだ。その中でもC1がいち早く対応してくれているのはありがたい。が、その対応バージョンであるC1 6.4.3 は、テザー撮影の対応においてそれ以前のバージョンとは少し変わった。特にキヤノンのカメラでテザー撮影をするときは注意したい。10.8ではC1  6.4.3はキヤノンのカメラでテザー撮影は対応していない。テザー撮影をスタジオでは頻繁に使うというフォトグラファーはOSのアップデートはもうしばらく待とう。

以下、C1の最新バージョン、6.4.3におけるテザー撮影などについて紹介する。


◀まず、カメラを切り換えるときに、今までなら環境設定で連結サポートのチェックはすべてのメーカーをチェックしておいても何の問題もなかったが、このバージョンでは、キヤノンとニコンを同時にチェックしておくと再起動を促される。

また、キヤノンのカメラを使っていて、撮影途中でカメラが切断された場合、再接続がそのままではできない。C1の再起動をしないとキヤノンのカメラはテザー撮影にならない。

上記の使用状況 MacBookPro 2012 OS 10.7.4

これは僕の環境だけなのか? 定かではないが、数台のMacでテストして同じ結果だったので、キヤノンのカメラでテザー撮影するフォトグラファーは注意したい。



◀また、数としては少ないと思うが、ニコンとキヤノンのカメラ、両方使っているフォトグラファーはニコンとキヤノンを切り換えるときに、C1の環境設定でカメラのチェックをその度に切り換えて、C1の再起動が必要になる。頻繁に換える人は面倒に思うだろう。

今後のC1はすべてこのようにテザー撮影時に切り換えなけらばならないとすると、辟易する仕様変更だと思う。ただ、カメラメーカーとの関係もあるので、何らかの理由でこのような仕様にならざる得なかったのかもしれない。


◀次にMacの変更だが、現時点での問題はない。気になるのは将来的なことだ。

MacBookPro Retinaの発売で、このMacからFireWire 800(FW800)の端子がなくなってしまった。アップルからは、それに変わるさらに転送スピードの速い規格であるthunderbolt端子があるので、一般的なユーザーはそれほど困らないことなのだが、フォトグラファーにとっては気がかりな点がある。Phase Oneなどのバックタイプはどうなるのか? ということだ。

もちろん、現時点ではFW800の付いているMacはあるので、それを選べば問題はない。ただ、次の新型でFW800が付いている保証はないのだ。デジタルバックは高価なので、それほど頻繁に手持ち機材を更新しない。反対にMacは数年で新型にしている人も多いだろう。今使っているバックタイプがいつまで使えるのか? 高価な機材を買った人ほど気になるものだ。

なお、新しいバックタイプのLeaf CredoではFW800とUSB3.0の端子も付いているので、次世代でもテザー撮影の対応は万全だ。


◀アップルからはMacBookPro Retinaの発売に合わせて「Thunderbolt - FireWireアダプタ」を発売している。
早速僕もこれを購入してテストしてみた。



◀まず最初は基礎知識から。

今まで使われてきたPhase Oneなどのバックタイプではこのファイヤワイヤ400(FW400)の端子が付いている。

転送スピードは理論値で400Mbit/秒。


◀2010年頃だったか、MacからFW400からFW800に切り替わった。

転送スピードは理論値で800Mbit/秒。

そのMacとバックタイプをつなぐために、FW400-FW800変換ケーブルを用いてテザー撮影をしていた。


◀それでは上記の「Thunderbolt - FireWireアダプタ」にFW400-FW800変換ケーブルでつなぎ、テザー撮影をしてみよう。

結果は左のように転送ができない。もしくはC1で認識されないことになる。

いろいろ調べた結果、「Thunderbolt - FireWireアダプタ」ではバックタイプを動かすための電源供給が足りないようだ。Phase OneではFireWireでのテザー撮影では10Wの電源が必要とされている。


◀電源供給をFireWireからではなく、内蔵電池から撮るという設定に換えると、それでも使えるようになる。

PシリーズのPhase Oneを例にとる。


詳細設定から電源設定を選ぶ。


◀デフォルトでは自動検知になっているが、それをバッテリーに変える。

これでPhase OneはFireWireを接続してあってもバッテリーで動くことになる。


◀極端な例だが、MacBookAirの11インチにPhase Oneをつないで撮影も可能だ。

接続はMacBookAir>Thunderbolt - FireWireアダプタ>FW400-FW800変換ケーブル>P45+となっている。

ただ、何度かテストしてみたが、電池をフル充電しておかないと、不安定になるようだ。

それでも、できるだけ荷物を減らしたいときには、11インチのAirでもテザー撮影ができると言うことだけでもうれしい。


◀Thunderbolt - FireWireアダプタを使っても、もっと安定したテザー撮影をしたいという時は、電源供給のできるハブを中間に入れることで、バックタイプは使えるようになる。

左のものはBELKIN(ベルキン)のFW400のハブだ。数年前から、テザー撮影が不安定な人の間では定番的に使われていたものなので、お持ちのフォトグラファーも多いと思う。


◀僕が以前持っていたものが左のもの。

これでもテストしてみたが、このハブではテザー撮影ができなかった。

上のものと比べてみると、電源供給が低いと言うことに気がついた。ハブでも機種によっては電源供給が低いものがあるので、実際に接続テストしてみないと分からない。

なお、このハブに上のBELKIN(ベルキン)のACアダプターをつないで使うと、電源供給されてバックタイプでも使えるようになった。


◀MacBookAirの11インチにPhase Oneをつないで撮影も可能だ。

接続はMacBookAir>Thunderbolt - FireWireアダプタ>FW400-FW800変換ケーブル>BELKIN(ベルキン)ハブ>FW400ケーブル>P45+となっている。

ハブのための電源が必要な点と、変換ケーブルなど、接続がかなりの行程を渡るので、そのあたりのリスクは考えた方がよいだろう。


◀もう1つの方法としては、FW800の外付けHDを間に入れることだ。これもポートが2個付いてて、FW800でディジーチェーンができるものを選ぶ。

手持ちのFW800の外付けHDでテストしてみたが、おおむね良好だった。が、P25+をつなぐと動作が不安定になった。同じPシリーズだからと言って、すべてが大丈夫ではないようだ。

不安定な原因はやはり電源供給だと思う。FW800では決まった電源供給というものがかなり幅が広いのではないだろうか? ものによって使える使えないのバラツキがあるのはそのためではないかと僕は推測している。


◀さて、もう1つ、新型のMacではUSB3.0に変更された。すでにWindwosマシンでは一般的になってきている規格だが、Macではこれからだ。

また、USB3.0を採用したニコンD800もフォトグラファーにとっては大きな変化だった。

少しだけ、ニコンD800とUSB3.0について書こう。

USB3.0の特徴はなんと言ってもスピードだ。転送スピードは理論値で5Gbit/秒。前出のFWとは桁が違う。

USB3.0ではポートにブルーを使うのが多いようだが、Macは使っていない。この点が紛らわしい。


◀USB3.0の規格ではケーブルの最大長は3メートルと決まっている。左はニコンD800に付属のUSB3.0ケーブルだが、長さは1メートルちょっとだ。この長さではとてもじゃないが、テザー撮影で使うことは無理がある。

そこでこれを延長したいわけだが、USB3.0規格の延長ケーブルを使わないと転送速度はガタ落ち、というか、USB2.0の規格スピードになってしまう。


◀そこで僕が使っているのがコレ。

LINDY プレミアムUSB3.0延長ケーブル TYPE A オス/メス 2m。

これを上の純正ケーブルにつなぐと3メートルを超えてしまうが、それでもUSB3.0の速度でテザー撮影できる。

なお、これ以上長くしたいときは電源供給のあるレピーターケーブルを使えば速度も落ちないでテザー撮影できるようだ。


◀実際にUSB3.0がどれだけ速いか? C1でテザー撮影した結果を見ていただこう。

左はニコンD800に付属していたケーブルでC1とテザー撮影したものだ。

30秒間でどれだけシャッターを押せるか、と言うテーマでの連写のコマだ。

30秒間で38コマ撮影。30秒間の連写後、17秒後にすべてのカットを転送終了。


◀ニコンD800に付属していたケーブルにUSB2.0の延長ケーブルをつないでテザー撮影したもの。

30秒間で21コマ撮影。30秒間の連写後、34秒後にすべてのカットを転送終了。


◀比較対象としてキヤノン1Ds Mark IIIをテザー撮影したもの。もちろん規格はUSB2.0。

30秒間で34コマ撮影。30秒間の連写後、18秒後にすべてのカットを転送終了。


◀ついでにPhase Oneもテストしてみた。

Thunderbolt - FireWireアダプタ>FW800-FW400変換ケーブル>P45+ のテザー撮影したもの。

30秒間で15コマ撮影。転送の遅れなし。


◀Thunderbolt - FireWireアダプタ>FW400-FW800変換ケーブル>BELKIN(ベルキン)ハブ>FW400ケーブル>P45+。

30秒間で15コマ撮影。転送の遅れなし。


◀MBPのFW800ポートに直接繋いだ状態。

FW800-FW400変換ケーブル>P45+

30秒間で15コマ撮影。転送の遅れなし。


以上のように、USB3.0のスピードはフォトグラファーにとってかなり期待できる新兵器となるのが分かる。画素数がバックタイプ並みなのに、転送速度は今までの2000万画素デジタル一眼よりも速いくらいなのだから。

また、バックタイプをthunderbolt端子につなぐことになっても、ハブがあればそれほど問題もなく使えそうな手応えがあった。転送速度もそれほど顕著に遅くなることはない。もっとも、バックタイプがFW400なのだから、ボトルネックはそこにあると考えてもよいだろう。

たとえ、MacからFireWire端子がなくなってしまってもPシリーズなどのPhase Oneは、まだまだ現役で使えそうだ。

今回は特別にテザー撮影に関して現状を踏まえて書いてみた。

これを書くにあたり、自分だけの環境でのテストなので、絶対この通りだと言うつもりはない。人それぞれのPC環境があると思うので、参考とする一例としてみていただきたい。

少しでも参考になる部分があればうれしい。


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