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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.27


JPEGファイルの調整





文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


http://homepage3.nifty.com/y2/
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「Capture One Pro 6 Box」 49,800円
対応OS:Windows XP/Vista/7、
Mac OS X 10.5.8〜10.6

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




今回はCaptureOne6(以下C1)でのJPEGファイルの調整について解説していこう。

C1ユーザーのほとんどは、僕の個人的想像だが、RAWファイルの調整のためにC1をお使いになっていると思う。かく言う僕も同じで、2011年に出版した「CaptureOne公式ガイドブック」を書くにあたり、RAWファイル以外も調整できるという解説をするために、ほとんど初めてJPEGファイルをC1で調整してみた。その時の実感で、「え!?  けっこうJPEGでもいけるんじゃない?」と思った記憶がある。

公式ガイドブックでは見開き2ページでの解説だったので、こんなこともできます、という程度の内容までだったが、今回はWebでの解説なので、もっとじっくりと書いてみようと思う。


◀まず、撮影されたJPEGファイルを表示させる。


◀もし、JPEGファイルがC1に表示されないという人はここをチェックしてみよう。

RAW+JPEGで撮影しているフォトグラファーだと、同じ画像が2枚表示されるので、それがうっとうしいとき、RAWファイルのみをC1で表示させる「グローバルフィルター」という機能があるが、ここでJPEGファイルを隠す、という設定にしていると、表示されない。

詳しくは以下を参照。

No.16 グローバルフィルターとバックアップについて


◀まずはスタジオ撮影で段階露光したテスト画像を、適正露光のものに近づけるように調整してみよう。

中央が適正露光のもの。上下はそれぞれプラスマイナス2EVの露光量で撮影されている。

カメラ:キヤノン1Dsmk3 スタンダード ホワイトバランス デイライト

レンズ:Nikon PCMicro85mm

ストロボ:コメットCsb-1200


◀まずはアンダーの画像から。

アンダーの画像を適正露光のものに近づけるには、露出スライダーで上げていくだけではダメだ。

左の画像を見ていただければ分かるが、明度スライダーをマックスまで上げている。

このあたりの理由は以下を参照。

No.22 露出ツールを使いこなす


◀明度を上げていくと、コントラストがきつくなるので、それを弱める。


◀できるだけ適正露光のものに近づけたところ。

上が適正露光のJPEGファイル。下がマイナス2EVアンダーのJPEG画像を補正したもの。

このレベルならまあまあという感じか。


◀次にプラス2EVのオーバー露出の画像。

ここまで飛んでいると、見ただけで、無理そうな印象を受ける。


◀ここでも露出スライダーは使わない。JPEGファイルの明るさを調整するときは明度を使った方がよい。

明度スライダーを下げていくと、コントラストがきつくなる。それを補正するためにコントラストスライダーも下げる。

今回はそれでも足りなかったので、トーンカーブでもコントラストを弱くするようにしている。レベルも若干下げてみた。


◀適正露光のものと比較。上がオーバー露出の画像から補正したもの。下が適正露光のもの。

ハイライト側で飛びきっている部分の回復は無理ということが分かる。


◀左の画面は同じオーバー露光のRAWファイルを調整してみた。下がJPEGファイルの調整。

同じようにプラス2EVの露光量だが、RAWファイルはハイライト側の回復ができる。iPodを見ていただくとよく分かるだろう。

以上のように、露出の関しては、かなりの幅でJPEGファイルの調整でいけそうな感じがお分かりいただけただろうか?


◀次に色に関してはどうだろうか?

左の画像はホワイトバランスと露出を間違えて撮影してしまったJPEG画像だ。

露出はマイナス2EVのアンダー画像。ホワイトバランスはタングステンに合わせていたので、全体がブルーになってしまった。

もちろん、RAWファイルならこれくらいをリカバリーするのは容易なことだが…。


◀明るさに関しては上の解説と同じ。

ホワイトバランスの調整をマックスまで持っていっても足りなかったのでトーンカーブで調整した。


◀トーンカーブは左のようにRとBのチャンネルをいじっている。

C1の場合、大まかにホワイトバランス、露光量などで調整もきくが、自分なりに細かく調整をしたいというときは、このようにトーンカーブがRGBそれぞれのチャンネルで調整ができるので、時間さえ掛ければかなりのところまでは思い通りになる。


◀さて、それでは実際の撮影画像でどのくらいJPEGファイルの調整ができるのか? テストしてみよう。

左の画像は夕景の海を撮影したときのものだ。カメラのAEで撮ったままだと大抵はこのように少しアンダーに写ると思う。

カメラ:NikonD7000 RAW+JPEG スタンダード

上がカメラ内生成のJPEG、下がRAW画像だが、若干の色の違い、露出の違いがある。以下を参照していただきたいが、カメラで作られるJPEGとC1の表示にはどうしてもズレがあるのだ。

No.16 グローバルフィルターとバックアップについて


◀撮ったままだと夕景の印象が薄いので、より印象的な色にしてみよう。

変更点はホワイトバランスとカラーバランス。それと露出だ。

JPEGファイルの調整でここまでいければすごいと思う。


◀同時記録のRAWファイルの調整で同じようにしてみるが…結構同じにならない。

上の写真と比べてみればどっちが好みか?


◀RAWファイルとJPEGファイルの調整を比較してみると、ビルの周囲の色収差がJPEGファイルにはないのが分かる。

これは前回の解説「No.26 色収差補正」でも触れているが、カメラ内生成のJPEGではメーカーが各種の補正を施した画像になるということだ。

つまり、RAWファイルからの調整では色収差補正は自分でやらないといけないが、JPEGファイルの調整ではすでに補正済みの画像ファイルなので、そのあたりの調整はいらないというわけだ。これはシャープネスなども同じだ。


◀C1のJPEGファイル調整がどれだけ使いやすいか? 同じファイルをPhotoshopで調整してみればよく分かる。

余談になるが、C1の調整は元の画像データを直接調整しているわけではない。調整パラメータを記憶しているだけなので、そのパラメータで現像しないと調整したことにならない。Photoshopでは普通にJPEG画像をいじると、その度に調整が掛かるので、かなりの画像劣化を引き起こすことになる。

PhotoshopでJPEGファイルの調整をできるだけ画像劣化しないように行うには、最初の段階でCameraRAWを使ってJPEG ファイルを開くというやり方がある。さらに、16bit変換して、調整はすべて調整レイヤーで行い、最終的な画像統合、8ビット化で最低限の劣化にできる。ただ、そこまでやるなら、最初からC1を使った方がはるかに簡単、しかも、やり直しはいくらでもできる。


今回はC1で行うJPEGファイルの調整をテーマに解説してきた。

RAWしか使わないというフォトグラファーでも、一度、JPEGファイルの調整を試してみると目から鱗が落ちるような気分になるはずだ。他社の現像ソフトと比較しても、C1のJPEG調整は群を抜いている。この解説でいくら例を挙げて解説しても、伝わらないかもしれない。だが、自分のJPEGファイルを調整してみれば一発で分かることだ。是非一度、C1にJPEGファイルを通してみてほしい。


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