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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.26


色収差補正





文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 6 Box」 49,800円
対応OS:Windows XP/Vista/7、
Mac OS X 10.5.8〜10.6

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




デジタルカメラを使うようになって、フィルム時代とは違う基準で写真を見るようになった。その中でもレンズの色収差は、昔とは比較にならないほどシビアに見るようになった1つだろう。理由は簡単、誰もが拡大して比較できるようになってしまったせいだ。フィルム時代なら35ミリから全紙にプリントして飾るという機会でもない限り、レンズ収差に関してそうそう目くじらを立てて言う人はいなかった。

デジタルフォトになってから、この色収差を消す方法論は各メーカーから出ているほど、ホットな機能の1つだろう。今回はCaptureOneの色収差補正について、書いていこう。

まず、色収差とは? と言うところからなのだが、ここで原理とかを書いても仕方ないので、各自お調べいただきたい。一例はwikiを参照して欲しい。色収差

一般論というか、僕の経験則からだが、だいたいは高いレンズの方が色収差は出にくい。また、開放F値が極端に明るいレンズは色収差が大きい傾向がある。そもそもは良いレンズを使って最初から出ないように撮影すればよいのだが、なかなかそうはいかない。たとえば旅をしながらの撮影では、色収差が出ないレンズというよりも、軽くて小型なズームレンズを選択するだろう。重い機材を担いで旅をするのは厳しい。でも、帰ってきて盛大に色収差が出た写真を見てがっかり…というのも悲しい。現像ソフトでの色収差補正は、それをどう救済するか? という点に注目しよう。


◀白い建物を広角レンズで撮ると、たいていは画面周辺部にマゼンタやグリーンの縁取りのような線が出てくる。これが色収差だ。左の写真で使ったカメラはNikon D7000、レンズは16〜85mm/f3.5~5.6。

◀小型のズームレンズではどうしてもこのくらいの色収差が出てしまう。


◀色収差補正をしたい画像をビューアーに出したら、レンズツールタブからレンズ補正の色収差で「解析」を選択する。


◀これだけでこのくらいの色収差は消えてしまう。


詳細にこの画像を見ていくと、収差だけではなく、周辺部は解像感が甘い感じがする。

このレンズ補正ツールで「鮮明度」があるので、チェックを入れ、スライダーはマックスの250%にしてみた。

この鮮明度はシャープネスとか透明度とは違い、レンズ補正での鮮明さを上げている。効果を見ながらスライダーを動かそう。


◀反対側の右端を見ていくと、太陽が当たっている建物のフチにマゼンタのにじみが出ている。色収差補正の解析でも消えなかったパープルフリンジだ。


◀パープルフリンジのチェックを入れてみると、これもあっと言う間に消える。


◀元画像との比較。

色収差補正も行い、さらに鮮明さを上げている。



◀レンズの色収差補正は、そのレンズ固有の特性による。

一度、このように色収差補正を行ったら、そのレンズの特性として、プリセット登録しておくと便利だ。

ツールバーのプリセットボタンから「ユーザープリセットを保存..」を選択。

なお、余談だが、C1ではこのように、あらかじめプリセットとして登録されているレンズもある。ただ、Phase Oneを使ったときのレンズなので、このプリセットが使える人は少ないかもしれない。



◀ここで行った補正にチェックが付いていることを確認して、保存ボタンを押す。


◀レンズの名前を入れて保存しておくと、後々便利だ。


◀一度プリセットさえ作っておけば、同じレンズで撮影した画像には、次からはそれを選ぶだけでよい。


◀レンズ補正ツールのプリセットボタンから、ユーザープリセットに登録されているこのレンズの補正を掛ける。


◀左が補正前後の比較。プリセット登録しておくといかに楽か? お分かりいただけただろうか?

◀これも同じレンズでの例。

◀一度、プリセットを掛けた後、再度、解析を行ってもよい。解析はその画像から行われるので、解析元の画像によっては多少の差が出る。


◀元のレンズ補正プリセットから再度解析を行ったので、「(調整済み)」となっている点に注目。

これで保存し直しておく。



◀同じレンズ名の_2にしておく。この際、前のレンズ補正値がいらなければ、上書き保存してもよい。また、いくつか作って置いて、その中から選ぶのも悪くはない。



◀左の画像が補正前後の比較。


◀さて、色収差補正は別の現像ソフトでも当然ながらある機能だ。左はニコン純正ソフトのCaptureNX2。

デフォルトの状態で色収差は消えている。あたかも、このレンズは色収差がないレンズだと錯覚しそうなほど。

ニコンの特徴として、純正ソフトではデフォルトでレンズの補正をしているのだ。C1をはじめとするいわゆるサードパーティの現像ソフトは、デフォルトでの補正は行っていないので、単純に比較してしまうと、Nikon純正ソフトの方がよく見えてしまうのは、この理由による。

ちなみに、左では色収差は消えているにせよ、鮮明さはないので、ここからシャープネスなどを上げていく処理をしなくてはならない。



◀今度はキヤノンで撮影した画像を例にしてみよう。

この画像はキヤノン50D、EF50mm/f1.2Lでの撮影だ。


◀このレンズをお使いのフォトグラファーならよくお分かりだろうが、盛大に色収差が出る。この時も開放近くでの撮影だったので、C1の色収差補正を掛けてここまで消せたくらいだ。


◀キヤノンからはやはりメーカー純正ソフトのDigitalPhotoprofessional(DPP)があり、そのレンズ固有の特性から補正を掛けることができる。この辺りはさすがにカメラメーカーならでは、ニコンと同様だ。ただ、DPPの場合、デフォルトでの補正はやらないので、手間としてはかかる。


◀同じ画像をアドビのCameraRAW7.1で補正してみた。

色収差補正はスライダーで自由に調整できるのだが、掛けすぎると、正常な部分までおかしくなってしまう。この辺りの使い勝手をどう判断するかは、フォトグラファー次第だろう。



◀最後にキヤノンの1Dsmk3、TS-E45mm/f3.5での撮影画像の例。

物撮りではアオれるレンズが必需品だが、キヤノンのこの標準レンジのレンズは設計も古く、デジタル時代に使うには厳しいレンズの1つだ。



◀シフトレンズはあおったときの色収差が大きく出る。しかも、メーカー純正ソフトではその色収差は補正できない。

こういうレンズを使ったときはC1の独壇場といえるだろう。


今回は比較として各現像ソフトの例も出した。C1にはC1の良さがある。が、カメラメーカーならではの補正もあると言うことも分かった。

最初にも書いたが、この色収差は現像ソフトの1つの特徴として、日進月歩の機能だと思う。トータルでの使い勝手としては、処理の簡単さ、スピード、仕上がりを考えると、今のところ、C1が1つぬきんでていると思う。

C1をはじめ、各メーカーのそれぞれの特徴を良く理解し、撮影シーンによって使い分けるのが望ましいだろう。



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