・カメラマンにとっての3D CG基礎知識

・スチルカメラマンにとってのムービー撮影を考える

・プロカメラマンのための撮影データ管理術

・3ds Maxを用いた新時代写真術

・Capture One 徹底使いこなし術

・PCJライティング講座





「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.24


透明度の使いこなし





文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 6 Box」 49,800円
対応OS:Windows XP/Vista/7、
Mac OS X 10.5.8〜10.6

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




まずはお知らせから。
CaptureOneがバージョンアップした。この春に各社から発売された新しいデジタルカメラに対応したのが主な変更点だ。

ニコンD800、キヤノン5D Mark IIIを買われたフォトグラファーも多いだろう。待ち望んだC1での対応がこのバージョン6.4だ。ただし残念なことにD800、5D Mark IIIに関してはテザー撮影は対応していない。多くのプロフォトグラファーが期待しているので、たぶん、次のマイナーバージョンアップまではお預けなのか? 僕もこのテザー撮影をよく使うので、非常に残念だった。

さて、だんだんと暖かくなってきてあちこち出かけたくなるシーズンだが、旅行でよく撮る写真を調整することを今回のテーマとしよう。
今回は風景写真における透明度の使いこなしについて考えてみたい。

Capture One の透明度ツールは英語版では「clarity」と名付けられているものだ。この手のツールはなにもC1だけに限ったものではなく、各社のソフトに搭載されている。 clarityを透明度と訳すことが適しているかどうかは何とも言えないが、慣れてしまえば違和感もなくなるだろう。

透明度ツールの説明はなかなか難しく、主に中間調のコントラストとシャープネスを調整するツールだと思ってよい。実際に動かしてみればだいたいの感じは分かるだろう。それでは、この透明度ツールの王道的な使い方から解説していこう。

◀香港島の『ビクトリア・ピーク』の展望台から撮った写真だ。香港に行った9割の人が訪れるというが、だいたいこの手の写真は撮ってくるだろう。

香港に限らないが、こういった写真は遠景にいくほど霞んでいくのが普通だ。通過する空気の距離があるためだが、これをクリアにするのが透明度ツールの得意技だ。


◀透明度ツールは露出タブの一番下にある。

まず、マックスの+100にしてみた。カリカリに仕上がった。

◀拡大画像での遠景。これがデフォルトの撮影されたままの状態。


◀透明度マックスの+100ではこんなにクリアになる。


◀+100のものを近くの部分を拡大してみると、さすがにきつい。


◀近景に関してはこのくらいが適度だろう。


◀だが、その状態では遠景が物足りない。

簡単に調整するだけなら、遠景と近景のどちらも中途半端なところで妥協するしかない。

でも、もっと手間を掛けても自分の1枚を仕上げていきたいというフォトグラファーにはこの先を読んでいただきたい。


◀部分調整タブに移動して、部分調整をしていこう。

まず、調整レイヤーで+ボタンをクリックして「遠景」レイヤーを作る。


◀ツールをブラシに変えて遠景部分を塗っていくわけだ。


◀その際、調整タブの一番下にある透明度ツールをマックスの+100にしておく。

この場合、分かりやすいように透明度をマックスにしているだけなので、掛けすぎかもしれないが、その数値は後で低くできるので取りあえず+100でブラシで塗ってみよう。


◀ブラシツールは塗るときはショートカットの「B」、消すときはショートカットの「E」になる。

また、塗ったところをマスク表示もできる。マスク表示させながら塗った方が分かりやすいかもしれない。


◀マスク表示させたところ。

遠景の水平線に近い部分のみブラシで塗ってみた。


◀左が遠景のみ調整レイヤーで透明度をマックスにした状態。

近景は透明度が低く、遠景は透明度を高くするとバランスの取れた意図通りの写真になる。


◀上のままでもよいのだが、遠景レイヤーだけ彩度を上げて、さらに自分好みにした。調整レイヤーを使うと、このように部分を限定して自分好みに仕上げられる。


◀さて、ちょっと脱線するが、遠景の調整で気になっていたビルのモアレも消してしまおう。

部分調整ツールでさらに+ボタンをクリックしてモアレ用のレイヤーを作る。



◀そのままのモアレレイヤーでビルを塗っていく。

◀モアレが消えるところまでモアレスライダーを上げる。あまり上げすぎると悪影響が出るので注意。


◀これで完成。

この調整レイヤーを作った後の作業では、1つ注意点がある。

ビューアーの上にあるレイヤー表示がレイヤーになっていると、そのレイヤーに対しての調整になってしまう。全体の明るさなどを後で微調整したいときは、この部分が今どうなっているか? それを確認するようにしよう。調整できなくて焦るときがある。

また調整レイヤーの効果を確認したいときは、調整レイヤーツールのチェックボックスを入れたり、切ったりすれば、その調整レイヤーだけの効き具合を確認できる。


◀簡単に透明度を上げるだけではなく、部分調整ツールも併用する一手間を惜しまず作品を仕上げていってほしい。

CaptureOneは1枚の写真の完成度を上げる手助けをしてくれるはずだ。




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