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第37回 OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://gungh6.wix.com/takaotsushima



OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL 14-150mm F4-5.6 II
背面液晶はバリアングルタイプで自由なアングルが可能
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO + パワーバッテリーホルダーHLD-8+HLD6P

●OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II
・有効画素数   1605万画素
・撮像素子    4/3型Live MOSセンサー/マイクロフォーサーズ17.3mm x 13.0mm
・撮影感度    ISO LOW(約100相当)、200〜25600 1/3または1EVステップ
・ファインダー  約236万ドット液晶ファインダー 視野率約100%
・モニタ     3.0型バリアングル、約104万ドット タッチセンサー
・動画      (MOV)1920x1080、1280x720 (AVI) 1280x720、640x480
・サイズ     123.7mm(幅) x 85mm(高さ) x 44.5mm(奥行き)  
・質量      約417g(本体のみ)

● M.ZUIKO DIGITAL 14-150mm F4-5.6 II
・焦点距離/開放f値 14-150mm(35mm判換算28-300mm)F4.0-5.6
・レンズ構成    11群15枚(DSAレンズ1枚、ED非球面レンズ1枚、EDレンズ1枚、HRレンズ3枚)
・最短撮影距離   0.5m
・全長       83mm
・質量       285g

● M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
・焦点距離/開放f値 12-40mm(35mm判換算24-80mm)F2.8
・レンズ構成    9群14枚(ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ2枚、DSAレンズ1枚EDレンズ2枚、HDレンズHR1枚、レンズ2枚)
・最短撮影距離   0.2m
・全長       84mm
・質量       382g

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark IIのサイトへ



●概要

OM-D E-M5Mark IIは、電子ビューファインダー(EVF)内蔵のミラーレス一眼カメラOM-D E-M5の後継機種となる。より高性能となった5軸手振れ補正、大型で高精細なEVF、0.5ピクセル-1ピクセル単位でセンサーを動かし8回露光することによって得られる高解像4,000万画素のハイレゾショットを搭載した充実のカメラである。上位機種のE-M1に劣ることのない、魅力的な機種である。


●作例

中判デジタルカメラバックのハッセルブラッドやジナーなどに搭載機種があるマルチショットの技術と同じ様に、0.5ピクセルから1ピクセル単位でセンサーを8回動かして露光したデータを元に合成処理をして約4,000万画素のデータを得ることのできるハイレゾショット。センサーが小さく、高画素化と高画質化の両立が難しいマイクロフォーサーズだが、オリンパスならではのセンサーシフトで手振れを抑える技術を利用して複数回露光することで、高画素、高画質なデータを得ることが可能。むろん、動く被写体は上手く画像生成ができないこと、三脚使用などの制約はあるが、小型軽量の筐体と小型センサーで、できる限りの高画質なデータを撮影するための1つの方法であり、実際かなり良質なデータを得ることができる。

◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  27mm(35mm判換算54mm相当)
 ・1/1000 F5.6 ISO 200 WB/オート
 ・ハイレゾショット 5,472 x 7,296ピクセル
  撮影時生成JPEG
(クリックで拡大)


◀注)比較用通常撮影 3,456 x 4,608ピクセル
 ・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  27mm(35mm判換算54mm相当)
 ・1/1000 F5.6 ISO 200 WB/オート (クリックで拡大)


通常の撮影でE-M5Mark IIのデータは十分高精細で高画質な良好なデータなのだが、ハイレゾショットにすることでさらに高画素のデータを得られる。かなり細かい所まで写っているしっかりとしたデータである。

メーカー推奨は M.ZUIKO DIGITAL PROのレンズだが、通常の M.ZUIKO DIGITAL、 M.ZUIKO DIGITAL PREMIUMのレンズでも、またマウントアダプター+他レンズでも使用可能。しかし、高画質なデータを得るためにはなるべく良質なレンズを使用した方が良い。

また、良質なデータを得るためには絞りはF8.0までの制限がある。 M.ZUIKO DIGITALなどのレンズ使用時はF8.0以上は選択できない。どうしても絞りたいならばマウントアダプター+他レンズの使用で絞り込むことができるが、絞ることによる画像劣化によってかえって良好なデータを得ることは難しい。

絞り制限と同じように使用感度制限はISO1600まで、長時間露光制限は8秒までの制限がある。

◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  12mm(35mm判換算24mm相当)
 ・1/100 F8.0 ISO 400 WB/オート
 ・ハイレゾショット 7,296 x 5,472ピクセル/撮影時生成JPEG 
  (クリックで拡大)


◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  12mm(35mm判換算24mm相当)
 ・1/80 F8.0 ISO 400 WB/オート
 ・ハイレゾショット 7,296 x 5,472ピクセル/撮影時生成JPEG
  (クリックで拡大)


◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  24mm((35mm判換算48mm相当)
 ・1/250 F8.0 ISO 400 WB/オート
 ・ハイレゾショット 5,472 x 7,296ピクセル/撮影時生成JPEG
  (クリックで拡大)


◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  32mm(35mm判換算64mm相当)
 ・1/1600 F4.0 ISO 200 WB/オート
 ・ハイレゾショット 7,296 x 5,472ピクセル/撮影時生成JPEG 
  (クリックで拡大)


◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  16mm(35mm判換算32mm相当)
 ・1/1000 F5.6 ISO 200 WB/オート
 ・ハイレゾショット 7,296 x 5,472/撮影時生成JPEG
  (クリックで拡大)


◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  19mm(35mm判換算38mm相当)
 ・1.6 F5.6 ISO 200 WB/オート
 ・ハイレゾショット 7,296 x 5,472ピクセル/撮影時生成JPEG
  (クリックで拡大)


◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  12mm(35mm判換算24mm相当)
 ・4.0 F5.6 ISO 100 WB/オート
 ・ハイレゾショット 7,296 x 5,472ピクセル/撮影時生成JPEG
  (クリックで拡大)




風景では風に揺らされる葉や枝、海面などで、上手く画像処理がされてない箇所が見受けられる。

◀また、このように多重露光されたように、ぶれてしまうこともある。


8回露光なので自然界のさまざまな事象に影響を受けるのは至極当然のことである。むしろその中で感覚を研ぎすまして自然と対峙することもまたハイレゾショットを使う楽しみでもある。また、むしろ思い切って長時間露光して流してしまうといった使い方もできる。

RAW+JPEGの同時記録にしておくと、ハイレゾショットRAW、ハイレゾショットJPEG、通常RAW(8回露光の1コマ目)の3パターンが記録されるので、上手くいかなかった場合には通常のRAWがあるので撮り漏らすということはないので、積極的にハイレゾショットを活用できる。

※注:Macの場合、ファインダーおよびAdobe BridgeではハイレゾRAW(.ORF)、ハイレゾJPEG、通常RAW/Unix実行ファイル(.ORI)というファイル構成になる。.ORFは執筆時ではオリンパス配布のハイレゾショットRAW現像Photoshopプラグインで現像可能。通常RAW(.ORI)はOLYMPUS Viewer 3で現像することが可能。

◀Photoshopプラグインの現像画面。CameraRAWのような細かい設定は現段階ではできない。明るさ、ホワイトバランス、コントラスト、シャープネス、彩度、色空間の基本項目だけ調整可能。出力は 9,216 x 6,912ピクセルのさらに大きな約6,300万画素、16ビットのデータを得ることができる。


ハイレゾショットは通常撮影だけでなく、スタジオなどでの外部ストロボを使用しての撮影にも利用可能だ

◀外部ストロボを使用する場合はメニュー→ハイレゾショット→充電待ち時間を設定する。
1秒、2秒、4秒、8秒、15秒、30秒と設定可能。これだけ待ち時間があればストロボのチャージミスは回避できる。ただし同調速度は1/20秒以下となる。シャッターを切ると自動で8回露光されて画像処理される。


◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  36mm(35mm判換算72mm相当)
 ・1/20 F8.0 ISO 100 WB/オート
 ・ハイレゾショット 5,472 x 7,296ピクセル/撮影時生成JPEG
  
(クリックで拡大)


◀注)比較用通常撮影 3,456 x 4,608ピクセル
 ・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 
  36mm(35mm判換算72mm相当)
 ・1/20 F8.0 ISO 100 WB/オート
 
(クリックで拡大)


仕上がりは通常でも十分高画質だが、さらに高画素のデータでは、かなり細かい所まで描写している。スタジオ使用で動く被写体ではないので、綺麗な画像処理がされている。

オリンパスにはスタジオ用にPC直結のテザー撮影アプリの「OLYMPUS Capture」があるが、残念ながら執筆の段階ではハイレゾショットには対応していない。今後対応する可能性はあるが、できるだけカメラが動かない方がより完成度の高いデータを得られるため、USBコードなどからのぶれを嫌ってのことだと推測できる。

当然レリーズも手に持ったりぶら下げておくことで不要なぶれになる可能性があるので、極力使用せず、シャッターを押してから実際にシャッターが切れる間での待ち時間をコントロールすることで極力ぶれを抑える撮影に徹した方がより良い結果となる。スマートフォンでカメラをコントロールするアプリも執筆時はハイレゾショット未対応なので、こちらは早急に対応していただければ、ワイアレスでシャッターを切ることができので便利に使用できるだろう。

◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  27mm(35mm判換算54mm相当)
 ・1/6 F2.8 ISO 400 WB/オート
 ・通常撮影
 
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ハイレゾショットだけでなく、通常の撮影、特に手振れ補正は恐ろしくなるぐらいしっかりと力を発揮する。動体ぶれがないシーンでは積極的に低感度で美しいショットが期待できる。シャッターも通常だけでなく、低振動、消音も搭載する。消音では完全電子シャッターのようなので、音もシャッターショックもまったくない。

◀・ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  36mm(35mm判換算72mm相当)
 ・1/10 F2.8 ISO 400 WB/オート
 ・通常撮影
 
(クリックで拡大)

◀・ M.ZUIKO DIGITAL 14-150mm F4-5.6 II
  17mm(35mm判換算34mm相当)
 ・1/6 F6.3 ISO 200 WB/オート
 ・通常撮影
 
(クリックで拡大)

新しくなった M.ZUIKO DIGITAL 14-150mm F4-5.6 IIはヌケもキレも良くなりバランスの良いレンズに仕上がっている。

◀動画撮影(クリックで再生)

M.ZUIKO DIGITAL 14-150mm F4-5.6 IIは35mm判換算で28mmから300mmまでの高倍率ズーム。動画撮影時は寄ったり引いたりと、1本でカバーできるので使いやすいズームレンズである。強力な手振れ補正は動画撮影時も効果的に働く。



確実に進化している。OM-D E-M5Mark IIはそういった印象を受ける。初代に比べてシャッターストローク、EVF、手振れ補正、ハイレゾショット、動画機能などもはや上位機種のE-M1以上の性能を備えているカメラである。新しいハイレゾショットは使い勝手などの面で、まだまだの部分があることは事実だが、今後さらに進化していくことは間違いなく、上位機種のE-M1の次期機種にはさらに進化した形で搭載される可能性もある。

それに伴い、さまざまな技術、機能がまだまだ進化していく。レンズなどもさらに充実していくとのアナウンスがあるので、今後のオリンパスには注目していたい。



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