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第36回 LEICA M (Typ 240)

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://gungh6.wix.com/takaotsushima



LEICA M(Typ 240) + LEICA SUMMICRON-M 50mmf2

● LEICA M(Typ 240) 
・有効画素数    2,400万画素
・撮像素子     LEICA MAX24MP CMOSセンサー(35mm判フルサイズ)
・撮影感度     ISO200~6400(ISO100設定可能)
・液晶モニタ    3.0型約92万ドット
・ファインダ    レンジファインダー、0.68倍(パララックス自動補正)
・シンクロ同調速度 1/180秒
・動画       1080p、720p、VGA
・サイズ(本体のみ) 139mm(幅) x 80mm(高さ) x 42mm(奥行き)
・質量(本体のみ)  680g


レンズ左より
LEICA ELMARIT-M 28mmf2.8 ASPH
LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
LEICA SUMMARIT-M 90mmf2.5



● LEICA SUMMICRON-M 50mmf2(6bit対応)
・焦点距離/開放f値 50mm/f2.0
・レンズ構成    4群6枚
・最小f値      f16
・最短撮影距離   0.7m
・フィルターサイズ E39
・全長       43.5mm
・質量       240g

● LEICA ELMARIT-M 28mmf2.8 ASPH(6bit対応)
・焦点距離/開放f値 28mm/f2.8
・レンズ構成    6群8枚
・最小f値      f22
・最短撮影距離   0.7m
・フィルターサイズ E39
・全長       52mm
・質量       180g

● LEICA SUMMARIT-M 90mmf2.5(6bit対応)
・焦点距離/開放f値 90mm/f2.5
・レンズ構成    4群5枚
・最小f値      f16
・最短撮影距離   1m
・フィルターサイズ E46
・全長       66.5mm
・質量       360g

LEICA Mのサイトへ



●LEICA Mの概要

1913年の「ウルライカ」から100年。1954年の「M3」から60年。デジタルカメラとしての登場は2006年の「M8」で、APS-Hセンサー1,030万画素のデジタルカメラでライカ伝統のレンジファインダー・マニュアルフォーカスの伝統的Mスタイルを継承していた。

その後フルサイズ1,800万画素の「M9」、モノクローム専用「M Monochrom」を経て、2013年の2,400万画素CMOSセンサーのLEICA 「M(Typ240)」となる。

LEICA 「M(Typ240)」は、デジタル化によってAE機能や外付けEVF、ライブビューなどの機能を搭載しているが、基本はレンジファインダー/マニュアルフォーカスであり、フルマニュアルで使用する伝統的なカメラである。

LEICAの現在のデジタル製品は「M(Typ240)」、「M Monochrom」、「M-E」、他に中判デジタルカメラの「S (Typ007)」、「S-E (Typ006)」またAPS-Cセンサーの「T(Typ701)」、他コンパクトカメラなど、幅広い製品がある。もちろんフィルムカメラである「M-A」、「M7」、「MP」も現役である。


●LEICA Mの作例

◀・1/125 f4.0 ISO400 WB/5000k
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・Adobe Camera Rawにて現像

  (クリックで拡大)


レンジファインダーでのピント合わせや、フレーミングには慣れが必要だが、出来上がりの写真はそういった手間を吹き飛ばしてくれるほど魅力的な写りをする。簡単に撮れるカメラではないので、撮れたときの喜びは格別である。

最新の6bit対応レンズであればExifに使用レンズやシャッター速度、絞りなどの情報が記録される。 ただし、絞り情報に関しては、電子接点で通信しているわけではないので、本体正面上部にある丸い窓で、周囲の明るさを見ながら、この辺の絞りを使用しているであろうという値を記録する。よって実際の撮影絞りと異なることがある。 オールドレンズや他社Mマウントレンズではレンズの種類や絞り情報など記録されない。ライカのレンズであれば、ライカサービスで6bitの改造が可能。13,650円(執筆時)。

◀・1/60 f8.0 ISO400 WB/5000k
 ・ LEICA ELMARIT-M 28mmf2.8 ASPH.
 ・フィルムモード/スムース
 ・JPEG撮影
  (クリックで拡大)


最新のレンズ、ELMARIT-M 28mmf2.8 ASPH.。歪みもなく、抜群の写りを与えてくれる1本。

フィルムモードはビビット/スムース/モノクロの3種類。OFFの状態でもコントラストが高く独自の色味を持つ。個人的にはスムースを使用する機会が多い。落ち着いた感じの独自の描写をするがコントラストは高い。RAWで撮影して調整もいいが、JPEG撮影で得られるライカの画像の作り方、考え方を感じながらの撮影も楽しい。

◀・1/500 f3.4 ISO400 WB/オート
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・フィルムモード/モノクロ
 ・JPEG撮影
  (クリックで拡大)


モノクロのフィルムモードではノーマル以外にレッド、イエローなどのフィルター効果も使用可能。

◀・1/250 f2.4 ISO3200 WB/オート
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・フィルムモード/モノクロ
 ・JPEG撮影
  (クリックで拡大)


モノクロでもカラーでも、ノイズはある。しかし嫌なノイズ、電気的なノイズではなく、あくまでもフィルムの粒子のようなノイズである。最新のデジタルに慣れてしまった感覚ではこのノイズに違和感があるかもしれないが、こちらの描写が自然なのであって、このようなノイズの考え方にもライカのこだわりを感じることができる。

◀・1/90 f3.4 ISO1600 WB/オート
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・フィルムモード/OFF
 ・JPEG撮影
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◀・1/180 f5.6 ISO400 WB/晴れ
 ・ LEICA SUMMARIT-M 90mmf2.5
 ・フィルムモード/ビビット
 ・JPEG撮影
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レンズはLEICA SUMMARIT-M 90mmf2.5。コンパクトな望遠レンズで切れ味もいい。しかし望遠系のレンズはレンジファインダーのカメラではかなり使いづらくなってしまう。そういったときはファインダー像を拡大してみれる1.25倍、1.4倍のマグニファイヤーといったアクセサリーもある。またオールドレンズには眼鏡付きの135mmがあり、ファインダー像を拡大してみることができる。そういったオールドレンズも使用可能だ。また、Lマウントのレンズを使用するためのマウントアダプターもあるので、世界中に存在するオールドL、Mマウントレンズを使用できる。

また一眼レフ用のRマウントのレンズを使用するためのアダプターも用意されているので、Rマウントレンズを使用することで、135mm以上の望遠レンズ、マクロレンズなどを使用することが可能。そういったレンズでは距離系でピントを合わせることができないため、ライブビューが可能であり、外付けの液晶ファインダーの使用も可能である。

◀LEICA M + LEICA SUMMICRON-M 50mmf2 + EVF2 + マルチファンクショングリップM
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◀電子ファインダーのEVF2はホットシューに取り付け、専用の接点でつながる。
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◀マルチファンクショングリップMはGPS機能を備え、USB端子、シンクロ接点などを備える。
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LEICA Mは伝統的なスタイル、使用方法を継承しているカメラであると同時に、新しい使用方法にも対応しているカメラである。マルチファンクショングリップMを使用し、「LEICA Image Shuttle」を使用すればテザー撮影にも対応する。今までなかなか仕事では使用しづらかったLEICA Mだが、今後は十分仕事にも使用できるカメラになっている。

◀「LEICA Image Shuttle」の画面

◀・1/125 f11半 ISO100 WB/5000k
 ・ LEICA SUMMARIT-M 90mmf2.5
 ・フィルムモード/OFF
 ・JPEG撮影
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「LEICA Image Shuttle」を使用しての撮影。現在Rレンズは所有していないので、 SUMMARIT-M 90mmf2.5を使用。Mマウントレンズは最短撮影距離が長いためなかなか物撮りでは使用しづらいが、Rレンズであれば問題なく撮影できるはずである。電子ファインダーなので正確なフレーミングも拡大してのピント合わせ、ピーキングの使用も可能である。十分スタジオでも使用できる。

◀・1/500 f4.8 ISO100 WB/5000k
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・Adobe Camera Rawにて現像
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RAWデータはAdobeDNG形式。画像耐久性も良くかなり調整しても十分な高画質を維持している。ユーザーになればライカのサイトより「Adobe Lightroom」がダウンロード可能だ。もちろんAdobeDNGを処理できるソフトであれば、他社ソフトでも使える。

◀・1/750 f3.4 ISO200 WB/5000k
 ・ LEICA ELMARIT-M 28mmf2.8 ASPH.
 ・Adobe Camera Rawにて現像
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◀・1/180 f5.6 ISO400 WB/5000k
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・フィルムモード/スムース
 ・JPEG撮影
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◀・1/350 f3.4 ISO400 WB/晴れ
 ・ LEICA SUMMARIT-M 90mmf2.5
 ・フィルムモード/スムース
 ・JPEG撮影
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◀・1/30 f4.0 ISO1600 WB/オート
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・フィルムモード/スムース
 ・JPEG撮影
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◀・1/500 f2.4 ISO400 WB/晴れ
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・フィルムモード/スムース
 ・JPEG撮影
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◀・1/250 f2.8 ISO400 WB/晴れ
 ・ LEICA ELMARIT-M 28mmf2.8 ASPH.
 ・フィルムモード/スムース
 ・JPEG撮影
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◀・1/125 f5.6 ISO400 WB/晴れ
 ・ LEICA ELMARIT-M 28mmf2.8 ASPH.
 ・フィルムモード/スムース
 ・JPEG撮影
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◀・1/60 f2.8 ISO1600 WB/晴れ
 ・ LEICA SUMMICRON-M 50mmf2
 ・フィルムモード/スムース
 ・JPEG撮影
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なぜ「LEICA」なのだろうか? レンジファインダーを使いこなすのは正直難しいし面倒である。LEICA Mは液晶ファインダーとライブビューを備えるが、基本はレンジファインダーカメラである。

レンジファインダーは、光学ファインダーや液晶ファインダーなどとは違った独自の感覚で「写真を撮る」ことを改めて考えさせてくれる。通常光学ファインダーを覗けば見たままに写すことができるが、レンジファインダーではスヌケのファインダーに写る範囲が表示されているだけである。光学ファインダーはファインダーに写される画が美しい。明るいレンズで望遠などを使用すれば、ファインダーの中のとろけるような美しい画に魅了される。しかしレンジファインダーでは、いくら明るいレンズで絞りを開けたところで見える画は変わらない。広角レンズを使用すれば、光学ファインダーでは広大な画と迫力のあるパースで高揚するかもしれないが、レンジファインダーではいっさい変わらないし、超広角などは外付けファインダーでないと範囲さえ確認できない。

だから「写真を撮る」時に考え、感じることが必要になる。レンズの選択、ピント、被写界深度、露出・・・。もちろん光学ファインダーでも同じように考えること、感じることは必要であるが、考えること、感じることがレンジファインダーと光学ファインダーでは違うのだ。

上手く伝えることができないが、光学ファインダーはその場を切り取るような印象があるが、レンジファインダーはその場と一体となっているような独自の感覚があると思う。この感覚がLEICAの魅力なのではないだろうか。もちろん職人魂溢れるレンズもカメラ本体も素晴らしい逸品であり魅力である。

ある仕事でLEICA M6を引っ張りだしてフィルムを入れた。10数年ぶりにLEICAで仕事をして、LEICA熱が再燃してしまい、ついにLEICA Mを購入したわけだが、できれば若い人に使ってもらいたいと思う。確かに高価なカメラなので難しいと思うが、年をとってからだとレンジファインダーでのピント合わせは辛い物があると思うし、どんどん楽な方へ進んでしまいがちになる。若いからこそがんがんLEICAを使用してたくさん写真を撮ってもらいたい。

もちろん私も積極的にLEICAを使っていきたいと思う。


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