●今気になる最新ツール

●PCJ Review

●PhaseOne シュナイダー全レンズレビュー

●プロカメラマンのためのこだわりグッズ

●新製品インタビュー




第26回 OLYMPUS OM-D E-M1

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://gungh6.wix.com/takaotsushima

OM-D E-M1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12~40mm F2.8 PRO+パワーバッテリーホルダーHLD-7

OM-D E-M1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12~40mm F2.8 PRO+パワーバッテリーホルダーHLD-7

●OM-D E-M1 基本スペック
・有効画素数  1,628万画素
・撮像素子   4/3型Live CMOSセンサー
・撮影感度   ISO100〜ISO25600(1/3段ステップに変更可能)
・液晶モニタ  3.0型 可動式静電容量方式タッチパネル 約104万ドット
・ファインダ アイレベル式約236万ドットライブビューファインダ
・サイズ   (幅)130.4mm×(高さ)93.5mm×(奥行き)63.1mm(奥行き)
・重さ     約497g(付属バッテリー、メモリーカード含む)

使用レンズ
●M.ZUIKO DIGITAL ED 12〜40mm F2.8 PRO
・レンズ構成  9群14枚(非球面EDレンズ1枚、非球面レンズ2枚)
・焦点距離   12mm〜40mm(35mm判換算:24mm〜80mm相当)
・撮影距離   約20cm〜
・寸法     69.9mm×84mm
・質量     382g


●M.ZUIKO DIGITAL ED 75〜300mm F4.8-6.7 Ⅱ
・レンズ構成  13群18枚(スーパーEDレンズ、EDレンズ2枚、HRレンズ3枚)
・焦点距離   75mm〜300mm(35mm判換算:150mm〜600mm相当)
・撮影距離   約90cm〜(75mm)、1.5m(75mm以外)
・寸法     69mm×116.5mm
・質量     423g

●M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
・レンズ構成  10群13枚(EDレンズ、HRレンズ2枚、E-HRレンズ)
・焦点距離   60mm(35mm判換算:120mm相当)
・撮影距離   約19cm〜
・寸法     56mm×82mm
・質量     185g

●ボディキャップレンズ BCL-1580
・レンズ構成  3群3枚
・焦点距離   15mm(35mm判換算:30mm相当)
・F値      F8
・寸法     56mm×9mm
・質量     22g

関連アクセサリー
●パワーバッテリーホルダーHLD-7
防塵防滴対応OM-D E-M1専用のパワーバッテリーホルダー

OLYMPUS OM-D スペシャルサイト
OLYMPUS OMD E-M1 サイト



●OM-D E-M1の概要

OM-D E-M1はマイクロフォーサーズ規格を採用するOLYMPUSのミラーレス一眼デジタルカメラである。OLYMPUSには同じくミラーレス一眼デジタルカメラのPENシリーズがあるが、OM-D E-M1は往年のフィルム使用マニュアル機、OMシリーズを彷彿させるボディデザインと超大型、超高精細の電子ビューファインダーを内蔵した一眼レフスタイルのカメラだ。

小柄なクラシックデザインの筐体には最新のAF方式、電子ビューファインダー、ボディ内5軸手ぶれ補正、防塵・防滴・ダストリダクションなどの最新の技術がふんだんに盛り込まれた充実の作りとなっている。



●作例

今回は撮影したままのJPEGを使用。RAWデータはAdobe Camera RAW(Ver.8.2.0.94)で現像可能。Capture One7、DxO Optics pro 9では未対応(執筆時)。

◀・1/30 F5.6 ISO200 WB/5000K
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12〜40mm F2.8 PRO/24mm
 (35mm判換算48mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ナチュラル

 (クリックで拡大)


センサーの面積故に画質面で不利だとされるマイクロフォーサーズ。ところが驚くほど高精細、高画質な「画」である。新開発された16M Live MOSセンサーと画像処理エンジンのTruePicVIIは今までのマイクロフォーサーズの画質面の不安や不利な面を払拭するほどのパワーを感じる。以前PEN E-P2を所有していたが、その頃とは比べ物にならないほど素晴らしい画質を実現している。

◀・1/15 F5.6 ISO400 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12〜40mm F2.8 PRO/17mm域
 (35mm判換算34mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ビビット

 (クリックで拡大)


ローパスレスのセンサーは被写体の細かで繊細な情報を余すところなく表現する。画像処理エンジンは、偽色・モアレを抑えながら、高画質で最適な画像処理を行う。かなり繊細に細かな所まで描写し、シャープでヌケの良い画を得ることができる

◀・1/30 F4.0 ISO200 WB/5000K
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12〜40mm F2.8 PRO/40mm
 (35mm判換算80mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ビビット

 (クリックで拡大)



新開発のM.ZUIKO PROレンズは、全域F2.8の大口径レンズだが、マイクロフォーサーズシステムの魅力でもある小型、軽量で、さらに光学性能にも妥協しない素晴らしい描写のレンズとなっている。ボケも素直で綺麗。その上重さは382gである。フルサイズ機の同等レンズは概ね800g〜900gあるので、その差は歴然である。

◀・1/13 F2.8 ISO1600 WB/5000K
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12〜40mm F2.8 PRO/40mm
 (35mm判換算80mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ナチュラル
 (クリックで拡大)


ボディ内5軸手ぶれ補正にもかなり驚かされる。かなり暗い状況でシャッター速度が遅い状態でもかなりの確率で綺麗に手ぶれ補正される。この利き方には正直、驚かされた。本来光学式手ぶれ補正でないため、ファインダー使用時に像が安定しないのだが、シャッター半押し状態で自動で手ぶれ補正が働き、ファインダー像も安定する。今回の撮影はすべて手持ち撮影で行い、三脚は使用しなかったが、しっかりと手ぶれ補正が効いていた

◀・1/8 F5.6 ISO400 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED ED 60mm F2.8 Macro
 (35mm判換算120mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


超大型・超高精細の電子ビューファインダーはフルサイズ一眼に匹敵するほどの大画面である。また、236万ドットの高精細な表示は自然な見え方をする。実際に覗いてみると見やすく視認しやすい優秀なファインダーである。初期設定では露出が反映するような設定になっているが、設定を切って常に自然な見え方にしておくと驚くほど見やすいファインダーになる。また、暗い場所では、光学ファインダーではピントなど見づらい場合があるが、液晶ファインダーであれば暗い場所でも問題なく確認できる。
今回の撮影では100%液晶ファインダーで何の不自由も使いづらさもなく使用することができた。


◀・1/640 F4.0 ISO200 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED ED 60mm F2.8 Macro
 (35mm判換算120mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


MF使用時にはフォーカスピーキング機能を使用することができ、マニュアルでのピント合わせをしっかりとサポートしてくれる。このフォーカスピーキングはたいへん便利で見やすくボタンに機能を割り当てることで、ワンボタンでON/OFFすることが可能であるので煩わしく感じることもない。電子ビューファインダーになったことで光学ファインダーではあり得なかったサポート機能など最新の技術が撮影をしっかりとサポートしてくれる

◀・1/250 F4.0 ISO200 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED ED 60mm F2.8 Macro
 (35mm判換算120mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


OLYMPUSはフィルムの時代からマクロに強いといわれている。今回使用した M.ZUIKO DIGITAL ED ED 60mm F2.8 Macroも無限から1:1の等倍までヌケの良い高解像度のレンズとなっている。かなり小型のレンズだが、絞り開放から切れ味の良い描写をする。

◀・1/40 F16 ISO400 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED ED 60mm F2.8 Macro
 (35mm判換算120mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


細部に至るまでしっかりと描写する。また、このような微妙な手持ち撮影でも5軸の手ぶれ補正はしっかりと撮影をサポートしてくれる

◀・1/500 F8 ISO200 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED ED 60mm F2.8 Macro
 (35mm判換算120mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


小型軽量で素晴らしいカメラであるが、私には少々小さすぎる所がある。今回一緒に使用したパワーバッテリーホールダーを使用するとちょうど良い大きさになった。小型も行き過ぎると各種ボタンが押しづらかったり、見づらかったりするが、E-M1はちょうどよいように感じる。

◀・1/500 F8 ISO200 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 75〜300mm F4.8-6.7 Ⅱ/200mm
 (35mm判換算400mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ビビット
 (クリックで拡大)


マイクロフォーサーズ機はボディやレンズを小型軽量化できるため、今まで大掛かりだったり大きく重たいレンズを使用しなければ撮れなかった写真も気軽に撮影することができる。 M.ZUIKO DIGITAL ED 75〜300mm F4.8-6.7 Ⅱは35mm判で150mmから600mmという望遠の世界をたった432gで表現する。フルサイズ機で軽いF4.5〜5.6クラスのズームレンズで300mmまででも700g強なのでいかに軽いかがよく分かる。

◀・1/1000 F5.9 ISO800 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 75〜300mm F4.8-6.7 Ⅱ/171mm
 (35mm判換算343mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


軽いだけで画質が良くなければ本末転倒だが、M.ZUIKO DIGITAL ED 75~300mm F4.8-6.7 Ⅱは甘くなりがちな望遠ズームでもしっかりとしたクリアでヌケの良いしっかりとした描写をする。

◀・1/640 F5.5 ISO800 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 75〜300mm F4.8-6.7 Ⅱ/140mm
 (35mm判換算280mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


ボディ内5軸手ぶれ補正と M.ZUIKO DIGITAL ED 75~300mm F4.8-6.7 Ⅱの組み合わせは、望遠レンズでもいかんなく実力を発揮する。今まで撮ることが難しかった被写体や諦めていた写真を撮ることができるのは嬉しい。

◀・1/250 F-- ISO400 WB/オート
 ・ボディキャップレンズ BCL-1580 15mm
 (35mm判換算30mm相当)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


ボディキャップレンズ BCL-1580 15mmは薄さ9mmというなかに3群3枚のレンズで構成されたパンフォーカスレンズとして使用できるレンズ。マニュアルフォーカスも可能でアートフィルターなどと組み合わせることで、一味違った楽しい写真を撮ることができる。

◀・1/320 F-- ISO400 WB/オート
 ・ボディキャップレンズ BCL-1580 15mm
 (35mm判換算30mm相当)
 ・Jpeg撮影
 ・ART 6(トイフォト)
 (クリックで拡大)


◀・1/60 F-- ISO400 WB/オート
 ・ボディキャップレンズ BCL-1580 15mm
 (35mm判換算30mm相当)
 ・Jpeg撮影
 ・ART 6(トイフォト)
 (クリックで拡大)



◀これからのカメラに必須であるWi-Fiによるカメラのコントロール、画像閲覧、転送、加工などにも対応している。OLYMPUS Image ShareはAnmdroid、iOS両方に対応している。


◀スマートフォン、タブレットからカメラをコントロールすることが可能。


◀画像閲覧も快適に表示される。


◀動画撮影でも5軸手ぶれ補正は良好に働く。この動画はM.ZUIKO DIGITAL ED 75~300mm F4.8-6.7 Ⅱで手持ちでかなりの望遠で撮影しているが、手ぶれ補正がよく効いている。
 (クリックでスタート)


◀・1/500 F5.7 ISO200 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 75〜300mm F4.8-6.7 Ⅱ/156mm
 (35mm判換算312mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/ i-Finish
 (クリックで拡大)


◀・1/1000 F5.6 ISO200 WB/オート
 ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12〜40mm F2.8 PRO/13mm
  (35mm判換算26mm)
 ・Jpeg撮影
 ・ピクチャーモード/i-Finish
 (クリックで拡大)





正直なところ、今回は驚きの連続だった。不安もあった画質は美しく、電子ビューファインダーの完成度に目を奪われ、5軸手ぶれ補正にはまさに驚かされた。かなり完成度が高いカメラであり、今までまったくと言っていいほど考えなかった「マイクロフォーサーズ機で仕事をする」ことを可能にしたカメラである。

ここではお見せできないが、実際にインタビュー撮影などで使用してみたが、まったく問題がなかった。電子ファインダーで十分視認することが可能であり、顔認識、瞳認識はほぼピントを外すことなく、シャッターも軽快に撮影できる。最近のカメラからすっかりなくなってしまったシンクロターミナルがあることも、外部ストロボメインで撮影する場合は付いていて欲しい物である。パソコンでテザー撮影はできないが、Wi-Fiでスマートフォンやタブレットから確認、リモートが可能だ。

現在のフルサイズ一眼レフカメラの画質が、フィルム時代の中判や大判に匹敵するなら、マイクロフォーサーズはフィルム時代の35mm判であり、画質は当時の35mm判以上である。現在のフルサイズ一眼はフィルム時代の中判に匹敵するような大きさと重さがある。マイクロフォーサーズのこの「OM-D E-M1」であれば、レンズを含めたシステムとして、フルサイズ一眼の約半分、1/3程度の大きさと重さで十分に機動よく撮影可能だ。この機動力は魅力である。そこまで考えさせられるほどE-M1は完成度が高いカメラである。



↑Page Top

| ご利用について | 広告掲載のご案内 | プライバシーについて | 会社概要 | お問い合わせ |
Copyright (c)2010 colors ltd. All rights reserved