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第24回 SONY Cyber-shot DSC-RX1R

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://gungh6.wix.com/takaotsushima

●Cyber-shot DSC-RX1R 基本スペック
・有効画素数  2430万画素
・撮像素子   35mmフルサイズ (35.8mm x 23.9mm) "Exmor" CMOSセンサー
・レンズ    カールツァイス「ゾナーT*」レンズ(7群8枚非球面レンズ3枚)
・焦点距離   35mm
・撮影距離   約30cm〜(マクロ切り替え時約20cm〜35cm)
・F値      F2.0〜/9枚絞り
・撮影感度   ISO100〜ISO25600(1/3段ステップ/拡張ISO50/60/80)
・液晶モニタ  3.0型 約122万ドット エクストラファイン液晶
・サイズ   (幅)113.3mm×(高さ)65.4mm×(奥行き)69.6mm(奥行き)
・重さ     約482g(付属バッテリー、メモリーカード含む)


SONY Cyber-shot DSC-RX1Rの製品サイト
SONY Cyber-shot DSC-RX1Rのスペシャルサイト



●驚愕のローパスレスフルサイズ

SONY Cyber-shot DSC-RX1R(以下RX1R)は、2012年11月に発売されたCyber-shot DSC-RX1のローパスレス機となる。2,400万画素35mm判フルサイズのローパスレス "Exmor" CMOSセンサーを搭載し、カールツアイス「ゾナーT」35mm単焦点レンズの組み合わせにより、驚愕の高画質、高品質の画をコンパクトデジタルカメラと同等サイズの筐体で得ることができる。


●作例

◀・f5.0 1/500 ISO400 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/オート

 (クリックで拡大)


RX1Rの魅力の1つである2,400万画素35mm判フルサイズのローパスレス "Exmor" CMOSセンサーの画は、シャープで、高画質、高解像度を誇る。一眼レフであってもこのような画を得ることは難しく、コンパクトデジタルカメラとほぼ同サイズで撮影できることに改めて驚かされる。

◀・f2.8 1/1000 ISO400 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/オート

 (クリックで拡大)


もう1つの魅力が、カールツアイス「ゾナーT」35mm単焦点レンズ。レンズ一体型による最適に設計された卓越したレンズが映し出す画は、シャープで高コントラスト、高画質を約束してくれる。被写体のみならず周囲の空気感までしっかりと描写する至極のレンズがRX1Rの魅力である。

◀・f3.5 1/320 ISO400 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/オート
 (クリックで拡大)


このような素晴らしい画が得られることは、撮影者にとって最高に嬉しいことである。少々使いづらいメニュー周りやAFがちょっと遅いなどは二の次。得られる画の魅力が、撮影することを楽しくしてくれる

◀・f2.8 1/1600 ISO100 WB/オート
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/OFF
 (クリックで拡大)


レンズ鏡胴部分のマクロ切り替えをまわすとマクロ撮影をすることができる。レンズが出っ張ることもなくコンパクトな状態で撮影できる。20cmまで寄ることができ、倍率0.26倍。もう少し寄りたい気もするが必要十分。

◀・f4.0 1/1600 ISO100 WB/オート
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/OFF
 (クリックで拡大)


◀・f5.6 1/640 ISO100 WB/オート
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/OFF
 (クリックで拡大)


マクロ撮影でも、レンズの切れ味は素晴らしい。高解像のセンサーとの組み合わせで、花粉だらけになる蜂の細かな状態、花粉の粒まで驚くほど克明に描写する。

◀・f4.0 1/1250 ISO50 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/OFF
 (クリックで拡大)


仕上がりを決定するクリエイティブスタイルは13種類。

1、スタンダード/標準モード。豊かな階調と美しい色彩を再現する
2、 ビビット/コントラスト、色彩を強調し色鮮やかに仕上げる
3、 ニュートラル/彩度・シャープを控えめにする
4、クリア/ハイライトのヌケがよい
5、ディープ/深みのある色再現で質感、奥行きを効果的に表現する
6、ライト/明るく軽い発色
7、ポートレイト/軟調なコントラストと肌を柔らかく、ナチュラルに表現する
8、風景/シャープ、コントラストを高め、空の青さや木々を印象的に表現する
9、夕景/WBを調整して夕刻の赤みを表現する
10、夜景/ントラストがやや低く見た目の夜景に近く表現する
11、紅葉/紅葉の赤、黄を鮮やかに表現する
12、白黒/白黒で表現する
13、セピア/セピアで表現

それぞれ、コントラスト、彩度、シャープの微調整をすることができる。
今回はほとんどスタンダードで撮影している、スタンダードでも、十分色乗りがよく、シャープな画を得ることができる。

◀・f2.8 1/200 ISO100 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/白黒
 ・Dレンジオプティマイザー/OFF
 (クリックで拡大)


モノクロの仕上がりは、ただカラーをモノクロに変換しただけののっぺりとした仕上がりではなく、上品で立体感のある仕上がりになっている。

◀・f2.8 1/160 ISO50 WB/オート
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/夕景
 ・Dレンジオプティマイザー/OFFF
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13時半頃の撮影だが、 クリエイティブスタイルを夕景にすると、夕方の雰囲気に仕上がる。

◀・f5.6 1/200 ISO400 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/夕景
 ・Dレンジオプティマイザー/LV5
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最近の Cyber-shotでたいへん優れている機能が Dレンジオプティマイザーである。ハイライト、シャドーを自動補正して見たままの印象に近づける機能だ。上の写真は明るく綺麗に整っているが、撮影時はかなりシャドーが潰れているが、Dレンジオプティマイザーによって、ハイライトが飛ぶことなく、シャドーが持ち上がってバランス良く仕上がっている。

◀・f4.0 1/1000 ISO400 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/紅葉
 ・Dレンジオプティマイザー/OFF
 (クリックで拡大)


DレンジオプティマイザーをOFFにした状態。撮影するのが大変な場面である。単純に露出を空けていくと、手前の白い車や、背景の建物、青空は飛んで、浅くなってしまう

◀・f4.0 1/800 ISO400 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/紅葉
 ・Dレンジオプティマイザー/LV5
 (クリックで拡大)


Dレンジオプティマイザーのレベルを最大のLV5にした状態。シャドーは明るくなっているが、ハイライト部の車の白や、建物、空のトビは最小限に抑えられて、バランスの良いしっかりとした「画」になっている。このような仕上げは難しいが、 Dレンジオプティマイザーを使用することによって簡単に撮影することができる。 Dレンジオプティマイザーのレベルはオートとレベル1〜5まで選択することができるので、仕上がりを見ながら撮影することが可能である。

また、1回のシャッターで3枚の画像を撮影して、画像を作成するオートHDR機能も搭載している。しかし、RAW+JPEG撮影の時は利用できない。また、なるべく高解像度で1.4倍、2倍に拡大して記録できるスマートテレコンバーターの機能等もRAW+JPEGでは使用できない。なるべく高解像のデータを記録しておくため、RAWを必須で撮影している方も多いので、このような機能でもRAW+JPEG時でも使用できるようにしていただきたい。

◀・f5.0 1/3200 ISO800 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/LV5
 (クリックで拡大)


かなり難しい撮影の場面でも、 Dレンジオプティマイザーで美しく仕上げることができる。

◀・f5.0 1/800 ISO400 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル//スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/LV5
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◀・f2.8 1/160 ISO1600 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/オート
 (クリックで拡大)


フルサイズの大きなセンサーは高感度も美しい画を写し出す。 大きなセンサーの浅い被写体深度とカールツアイスの9枚円形絞りが美しいボケを写し出す。

◀・f2.8 1/2050 ISO50 WB/5000K
 ・JPEG撮影
 ・クリエイティブスタイル/スタンダード
 ・Dレンジオプティマイザー/オート
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◀・f2.8 1/1250 ISO50 
 ・RAW撮影 Adobe Camera RAW8.2.0.94で処理
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JPEG撮影でも美しい高画質な画だが、RAW現像で、さらに仕上がりを追求できる。主要RAW現像アプリケーションはすでに対応しているので、使い慣れたアプリケーションで仕上げることができる。



RX1Rは、ソニーにとって妥協なく、高画質を追求したカメラである。コンパクトカメラであれば、APS-Cや小さなセンサーが使われる。フルサイズはむしろ、浅すぎる被写体深度や、高画質に耐えうるレンズなど超えなくてはならないハードルが大きいため、小さいセンサーを選択することになる。

しかし、RX1Rはあえてフルサイズを選択、高画質なセンサーとそれに耐えうる専用一体型レンズによって、見事なカメラに仕上がっている。妥協なき大きなセンサーの高画質。空気感、立体感、美しいボケを見事に表現するレンズ。撮影された画を見る楽しさ。そして何よりも「撮影することが楽しい」カメラである。

ソニーらしい上品なデザインと製品を持つワクワク感、使う時の楽しみ、高画質。
RX1Rは、ソニーのモノ作りへのこだわりが十分に感じられる見事なカメラに仕上がっている。


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