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第23回 Panasonic LUMIX DMC-GX7

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://gungh6.wix.com/takaotsushima

●LUMIX DMC-GX7基本スペック
・有効画素数  1,600万画素
・撮像素子   4/3型Live CMOSセンサー
・撮影感度   ISO125~ISO25600(1/3段ステップに変更可能)
・液晶モニタ  3.0型 チルト式静電容量方式タッチパネル 約104万ドット
・ファインダ チルト式約276万ドットライブビューファインダ
・サイズ   (幅)122.6mm×(高さ)70.7mm×(奥行き)54.6mm(奥行き)
・重さ     約402g(付属バッテリー、メモリーカード含む)

使用レンズ
● LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH.
・レンズ構成  5群7枚(非球面レンズ2枚)
・焦点距離   20mm(35mm判換算:40mm相当)
・撮影距離   約20cm〜
・寸法     63mm×25.5mm
・質量     87g

●LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 II ASPH./MEGA O.I.S.
・レンズ構成  8群9枚(非球面レンズ2枚)
・焦点距離   14mm〜42mm(35mm判換算:28mm〜84mm相当)
・撮影距離   約20cm〜(14mm~20mm):約30cm (21mm〜42mm)
・寸法     56mm×49mm
・質量     110g

●LUMIX G VARIO 45-150mm/F4-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
・レンズ構成  9群12枚(非球面レンズ2枚:超高屈折率UHRレンズ1枚)
・焦点距離   45mm〜150mm(35mm判換算:90mm〜300mm相当)
・撮影距離   約90cm〜
・寸法     62mm×73mm
・質量     200g

Panasonic LUMIX DMC-GX7のサイト



●LUMIX DMC-GX7の概要

LUMIX DMC-GX7(以下GX7)に採用されているマイクロフォーサーズシステムは、パナソニックとオリンパスが共同開発したフォーサーズシステムベースの新規格で、既存の一眼レフカメラのミラーボックスを排除し、フランジバックを短くすることで、さらなる小型化、薄型化を進め、コンパクトなミラーレス一眼を作ることができる規格である。パナソニックは、2008年にLUMIX DMC-G1を発表し、現在のパナソニックの一眼ラインナップはすべてがマイクロフォーサーズを採用したミラーレス一眼となっている。

マイクロフォーサーズシステムのセンサーは、35ミリ判(フルサイズ)の約1/2、焦点距離は約2倍に相当する。現在のフルサイズやAPS-Cと比較すれば小さいが、1インチセンサーや、コンパクトデジカメなどのセンサーよりは大きい。発足当時はパナソニック、オリンパス、ライカの3社だったが、現在はコシナ、カールツアイス、シュナイダー、タムロン、ケンコートキナーなどからも交換レンズが揃い、Blackmagic Designなどムービーの世界でも採用され、拡がりを見せている。

今回のGX7は、2011年11月に発売されたハイスペック、コンパクトなLUMIX DMC-GX1の歴代の後継モデルの最新モデルになる。世界最高の約276万ドットのチルト可動式の液晶ライブビューファインダーを内蔵し、出っ張りなどが極力ないすっきりとした筐体デザインを採用したカメラである。これからのデジタルカメラに必須であろうWi-FiやNFC(Near Field Communication:近接距離通信)も採用している。


●作例
カメラ本体の完成度は高く、このクラスのカメラではなかなか搭載されることのなかった1/8000の高速シャッターや1/250の外部ストロボとのシンクロ、マグネシウム合金外装など、細部にいたるまでしっかりと作り込まれている。軽すぎることもなくしっかり手になじむ。各種ボタン配列やダイヤルなども煩雑にならずうまく整理されている。ソフトウェアのメニュー階層も整理され、迷うことなく使用できる。

◀・1/50 F4.7 ISO125 WB/オート
 ・LUMIX G VARIO 14mm~42mm/F3.5-5.6 II /
  22mm(35mm判換算45mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/スタンダード 
  iDレンジコントロール/オート 超解像/拡張

 (クリックで拡大)


GX7の画は自然で素直な美しい画である。大型センサーの画に比べると若干ノイズが感じられ、ベタっとしている様にも感じられるが、概ね素直な画である。

iD(インテリジェントダイナミック)レンジコントロールによって、ハイライトからシャドーまで自然で美しいトーンを得ることができる。

◀・1/60 F5.5 ISO200 WB/オート
 ・LUMIX G VARIO 14mm~42mm/F3.5-5.6 II /
  35mm(35mm判換算70mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/スタンダード 
  iDレンジコントロール/オート 超解像/拡張

 (クリックで拡大)


GX7の画像処理エンジンのビーナスエンジンには「超解像技術」という画像処理技術が搭載されている。画像のエッジ、ディテール、グラデーションを自動解析し、それぞれ最適な画像処理を行う。拡張モードでバランスのよいエッジと解像感を出す。「超解像技術」を使用しなくても十分綺麗な画ではあるが、ちょっと甘く感じられる時には有効な手段となる。

◀・1/30 F1.7 ISO200 WB/5000K
 ・LUMIX G 20mm/F1.7 II (35mm判換算40mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/スタンダード
  iDレンジコントロール/オート 超解像/拡張
 (クリックで拡大)


レンズキットの LUMIX G 20mm/F1.7 II は87gと軽いパンケーキスタイルの単焦点レンズ。フォーサーズはレンズ表記の2倍が35mm判の画角になる。このレンズは35mm判で40mm相当の標準レンズとなる。小型軽量でF値が明るいので、使いやすくなおかつ高画質なレンズである。

このレンズには手ぶれ補正は付いていないが、DMC-GX7ではボディ側にも手ぶれ補正があるので、手ぶれ補正の付いていないレンズであっても手ぶれ補正の恩恵を受けることができる。パナソニック以外の手ぶれ補正なしのレンズや、マウントアダプターを介してのオールドレンズなどを利用する時にも恩恵を受けられるだろう。ただし、動画ではボディ手ぶれ補正は使用できない


◀・1/3200 F1.7 ISO400 WB/5000K
 ・LUMIX G 20mm/F1.7 II (35mm判換算41mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/ナチュラル 
  iDレンジコントロール/オート 超解像/OFF
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画作りをコントロールするフォトスタイルはスタンダード/ヴィヴィット/ナチュラル/モノクローム/風景/人物/カスタム。それぞれコントラスト/シャープ/彩度/ノイズリダクションが設定でき、モノクロはさらにフィルター効果を設定可能。

◀・1/50 F1.7 ISO400 WB/5000K
 ・LUMIX G 20mm/F1.7 II (35mm判換算41mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/ナチュラル 
  iDレンジコントロール/OFF 超解像/OFF
 (クリックで拡大)


背面の液晶モニタはクリアでヌケがよい。しかし液晶が美しすぎるため、撮影時、液晶モニタで美しく見えたデータをPCで見るとあれ? と戸惑うことがある。それほどこのモニタは美しいまたファインダーはAdobeRGB比率で色再現性100%を実現しており、視野角も広く細部までしっかり確認できる。

◀・1/125 F8.0 ISO800 WB/5000K
 ・LUMIX G VARIO 14mm~42mm/F3.5-5.6 II /
  14mm(35mm判換算29mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/スタンダード 
  iDレンジコントロール/OFF 超解像/OFF
 (クリックで拡大)


内蔵されているチルト可動式電子ビューファインダーは世界最高(2013年10月執筆時)の約276万ドットの高解像度パネルで、この電子ファインダーもピントや細部の視認性もよく美しい電子ファインダーである。今までのファインダーの中ではダントツに見易い。上向き80度まで可動することができ、ウエストレベルファインダーのように使用することもできる。

◀・1/30 F5.5 ISO400 WB/5000K
 ・LUMIX G VARIO 14mm~42mm/F3.5-5.6 II /
  19mm(35mm判換算39mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/スタンダード 
  iDレンジコントロール/OFF 超解像/OFF
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AFのフォーカスフレームの移動はタッチ式液晶なので、合わせたい所にタッチするだけで、AFフレームを移動できる。画面内のどこでも移動可能なので、隅ギリギリまで選択することが可能。慣れるとたいへん快適で、今までのボタンで移動したり、ダイヤルで移動することが面倒になるほど使い勝手は良い。
 
また、このタッチパネルは液晶ファインダー使用時でも使える。液晶ファインダーを覗いたまま、目を離すことなく親指などでタッチパネルをなぞると液晶ファインダー内でAFフレームが移動する。これが実に使いやすい。この機能があるおかげで、いちいちファインダーから目を離すことなく集中できる


◀・1/4000 F10 ISO160 WB/5000K
 ・LUMIX G VARIO 45mm~150mm/F4.0-5.6/
  53mm(35mm判換算110mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/スタンダード iDレンジコントロール/OFF 
  超解像/OFF
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マイクロフォーサーズのレンズもかなり小型軽量である。300mmまでのズームレンズの重さが200gとびっくりする。通常であれば600g以上なので、かなり小型軽量である。今回は使用できなかったが、F2.8の大口径ズームもあるので、機会があれば是非とも使用してみたい。F2.8クラスでも360gと相当軽い。

◀・1/30 F4.0 ISO1600 WB/電球
 ・LUMIX G VARIO 14mm~42mm/F3.5-5.6 II /
  14mm(35mm判換算29mm)
 ・Jpeg撮影
 ・フォトスタイル/スタンダード iDレンジコントロール/OFF 
  超解像/OFF
 (クリックで拡大)


マイクロフォーサーズの魅力は何と言っても小型軽量である。今回ボディ1台、標準ズーム、望遠ズーム、パンケーキ型標準単焦点合わせても799gしかない。これがフルサイズとなれば軽めのボディだけで超えてしまう位、マイクロフォーサーズは小さい。画質は確かにセンサーの大きな方が良いかもしれないが、GX7は、荷物が制限される海外取材などで思い切って使用してみてもいいかもしれない。フットワークを生かした撮影が行えるだろう。

◀・1/3200 F5.4 ISO400 WB/5000K
 ・LUMIX G VARIO 45mm~150mm/F4.0-5.6/
  76mm(35mm判換算157mm)
 ・RAW撮影
 ・Adobe CameraRaw8.2.0.94で処理
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●現像やクリエイティブコントロール

RAWデータは使い慣れたAdobe系のアプリで処理することができる。ただし、フルサイズ、APS-Cなど大型センサーと比較すると、補正幅が狭く感じられるため、あまり大きく補正をしないような注意が必要になる。これは小さなセンサーの宿命なので、できるだけ細かくカメラ設定を駆使して、撮影時に理想のトーンに仕上げる方法が理想的な使用方法かもしれない。

◀・1/500 F1.7 ISO200 WB/オート
 ・LUMIX G 20mm/F1.7 II (35mm判換算41mm)
 ・Jpeg撮影
 ・クリエイティブコントロール/オールドデイズ
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表現の幅を拡げる クリエイティブコントロールも22種類と充実している。また、撮影アスペクト比も4:3、3:2、16:9、1:1と選択できる。クリエイティブコントロールを使用しても、RAWデータを一緒に撮影しておくことも可能である。RAWデータは クリエイティブコントロールがかからない状態なので、後でノーマルの画像が必要な時はRAWデータから書き出せばいいので、思い切ってクリエイティブコントロールを使用することができる。ただし、アスペクト比はRAWデータにも適用されるので注意が必要である(他社機種などではアスペクト比もRAWデータでは適用されない機種もある)。

◀・1/60 F1.7 ISO200 WB/オート
 ・LUMIX G 20mm/F1.7 II (35mm判換算41mm)
 ・Jpeg撮影
 ・クリエイティブコントロール/オールドデイズ
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◀・1/60 F1.7 ISO1250 WB/オート
 ・LUMIX G 20mm/F1.7 II (35mm判換算41mm)
 ・Jpeg撮影
 ・クリエイティブコントロール/クロスプロセス
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◀・1/10 F3.6 ISO3200 WB/オート
 ・LUMIX G VARIO 14mm~42mm/F3.5-5.6 II /
  16mm(35mm判換算33mm)
 ・Jpeg撮影
 ・クリエイティブコントロール/ブリーチバイパス
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●スマートフォンとの連携も可能

GX7は、これからのデジタルカメラには必須になるであろうWi-Fi、NFCに対応している。筆者はiPhone4Sなので、Wi-Fiが使用できる。アプリはiOS、Androidの両OSに対応していて無料で利用可能だ。

Panasonic Smart Appのページへ。

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Wi-Fiでカメラと接続してアプリを使用する。接続に若干不安定な場合もあるが、設定作業は難しいことはないのですぐに利用できる。カメラ内の画像を閲覧することも可能で、スマートフォンへ画像を転送し、SNSなどで一眼カメラならではの画像を共有することができる。

◀クリックで拡大


●動画の作例

スマートフォンのアプリからリモートでの撮影も可能である。アプリ画面は見やすく、画面タッチでAFの駆動も可能である。各種の設定もスマートフォン上から設定可能。

◀・LUMIX G VARIO 14mm~42mm/F3.5-5.6 II使用
 ・MP4形式 1920x1080/30p
 ・WB/5000K
 ・フォトスタイル/スタンダード 
  iDレンジコントロール/OFF 超解像/OFF
 (クリックで 動画スタート)


動画機能はさすがのパナソニックなので、きれいな動画を時間無制限で撮ることができる。画質はAVCHD 1920×1080/60pにも対応。またPC閲覧などで使用しやすいMP4 1920×1080/60pにも対応している



GX7は良く作り込まれたカメラである。通常であれば省略されてしまうであろう機能もしっかり装備され、充実した各種機能や、美しいタッチパネル液晶と高精細な液晶ファインダーなど、使い勝手の良いカメラである。

センサーの小ささからフルサイズ、APS-Cと比べるとどうしても敬遠されがちだが、その分小型軽量を生かしたフットワークの軽い撮影を行うことができる。また、GX7はデジタルカメラとしての完成度が高いため、今まで以上に電子ファインダーやタッチパネルを利用したストレスのない撮影を行える。自由に任意の位置にタッチしてフォーカスを合わせられる機能は、今の光学ファインダーではできないことであり、使い勝手がよく、技術的にもかなり進んだ機能である。

願わくば今回は使用できなかった大口径の明るいズームや、カールツアイスなどの単焦点レンズなどと組み合わせた、最高の画質を見てみたい。 「マイクロフォーサーズのカメラもここまで完成されてきたか」と思わせる、使っていてストレスを感じることの少ない完成されたカメラとなっている。



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