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第22回 富士フイルム X-M1

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://gungh6.wix.com/takaotsushima

●富士フイルム X-M1基本スペック
・有効画素数  1,630万画素
・撮像素子   23.6mm×15.6mm(APS-Cサイズ)X-Trans CMOSセンサー
・撮影感度   ISO200〜ISO6400(1/3段ステップ)拡張感度ISO100/12800/25600
・液晶モニタ  3.0型 3:2アスペクトチルト式TFT液晶モニター 約92万ドット(視野率約100%)
・サイズ   (幅)116.9mm×(高さ)66.5mm×(奥行き)39mm(奥行き最薄部 32.1mm)
・重さ     約330g(付属バッテリー、メモリーカード含む)

使用レンズ
●フジノンレンズ XF27mmF2.8
・レンズ構成  5群7枚(非球面レンズ1枚)
・焦点距離   27mm(35mm判換算:41mm相当)
・撮影距離   約60cm〜/マクロ34cm〜
・寸法     61.2mm×23mm
・質量     78g

●フジノンレンズ XC16mm〜50mmF3.5-5.6 OIS
・レンズ構成  10群12枚(非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚)
・焦点距離   16-50mm(35mm判換算:24-76mm相当)
・撮影距離   約60cm〜(全域)/マクロ30cm〜(広角)40cm〜(望遠)
・寸法     62.6mm×65.2mm(広角)/98.3mm(望遠)
・質量     195g

●富士フィルム X-M1のサイトへ



●X-M1の概要

X-M1はコンパクトデジタルカメラに匹敵する小型、軽量の筐体に、高画質な1,630万画素のAPS-CサイズX-Trans CMOSセンサーを積んだ、Xシリーズのレンズ交換式ミラーレス3機種目である。視認率の良い3.0型チルト液晶モニターを搭載し、すべての操作を右手で行えるように設計された小さな筐体は、評価の高いXシリーズをさらに簡単に使えるようにと設計された完成度の高いカメラになっている。液晶ファインダーは省かれているが、その分X-Pro1やX-E1より視認性の高い液晶モニターを搭載している。上位機種のサブカメラや入門機的な位置に留まらない、十分メインカメラとして使用できるように作り込まれたカメラとなっている。


●作例
執筆時、筆者がメインで使用しているAdobeや、Capture Oneなどの他社アプリがX-M1のRAWに対応していないために、JPEGの撮影したままのデータを使用する。

◀・1/20
 ・F8
 ・ISO400
 ・WB/オート
 ・Jpeg撮影
 ・XC16〜50mm/16mm(35mm判換算24mm)
 ・Filmシュミレーション/PROVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/100%

 (クリックで拡大)


価格を抑えたモデルではあるが、X-Pro1、X-E1同じ1,630万画素APS-CサイズX-Trans CMOSセンサーで、高解像度で高画質な画像を得ることができる。

定評のあるX-Trans CMOSセンサーは従来の画素配置ではない独自配列のセンサーなので、モアレをおさえるローパスフィルターが不要なため、高い解像力を得られる。高画質なフジノンレンズとの組み合わせで、細部までしっかりとした描写をする。

◀・1/125
 ・F5.6
 ・ISO400
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XC16~50mm/50mm(35mm判換算75mm)
 ・Filmシュミレーション/ASTIA(ソフト)
 ・ダイナミックレンジ/100%

 (クリックで拡大)


小型軽量を優先し、本機ではX-Pro1のハイブリットマルチビューファインダーやX-E1の有機EL電子ビューファインダーなどは搭載していない。しかしX-E1の46万ドットより高い92万ドットの高輝度のチルト式液晶モニターを搭載している。X-Pro1は123万ドットだが、液晶はX-M1が一番見易いように感じる。低価格モデルは、液晶が良くない場合が多いが、X-M1の液晶は見易く、視認性も高い。

◀・1/2900
 ・F8.0
 ・ISO400
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XC16〜50mm/16mm(35mm判換算24mm)
 ・Filmシュミレーション/Velvia(ビビット)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


Xシリーズでおなじみのフィルムシュミレーションも搭載しているが、X-Pro1、X-E1のように種類は多くない。M1ではPROVIA(スタンダード)/Velvia(ビビッド)/ASTIA(ソフト)/モノクロ/セピア。PRO Neg.Hi、PRO Neg.Std、モノクロ+Yeフィルター、モノクロ+Rフィルター、モノクロ+Gフィルターは省略されている。

この辺は、価格を抑えた、入門機的位置づけなので省いたのであろうが、Xシリーズの売りでもあり、分かりやすいシミュレーションなので搭載して欲しかった。また、X-M1で写真を始めるユーザーにも分かり易いと思うので、ファームアップなどで対応できるのであれば期待したい。

◀・1/2700
 ・F5.6
 ・ISO400
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XC16~50mm/35.5mm(35mm判換算53mm)
 ・Filmシュミレーション/Velvia(ビビット)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


もう1つ省かれた機能にホワイトバランスのケルビン(色温度)指定がある。入門機的位置づけなので、省かれたのかもしれないが、省いてもメニュー階層が乱雑になる訳でもないのでそのまま積んでおいてほしかった。仮にX-M1をサブカメラに使用したりする時に、メインカメラで、色温度設定にしている時などはサブとしては使いずらくなるため、なるべくは撮影の基本に関わる部分は省略しないでいただきたい。こちらもファームアップなどで対応できるのならうれしい。

◀・1/1100
 ・F5.6
 ・ISO400
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XC16~50mm/21mm(35mm判換算32mm)
 ・Filmシュミレーション/Velvia(ビビット)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


カメラでフォルトのJPEGは、X-Pro1、X-E1よりも全体的にすっきりした感じがする。この辺りは、入門者でもデフォルトの設定の間までも綺麗に写るようにチューンされているようだ。それでも慣れてきたら、カラー設定などを自分好みに設定した方がより楽しく撮影することができる。この辺のカラー設定などはX-Pro1、X-E1と同じなので迷うことはない。ちなみに筆者設定はハイライトトーン+1、シャドー+1、シャープ+2〜+1の設定。このようなセッティングでさらにすっきりとした写真を撮れる。

◀・1/1200
 ・F5.6
 ・ISO400
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XC16〜50mm/24mm(35mm判換算36mm)
 ・Filmシュミレーション/Velvia(ビビット)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


カメラ操作や、メニュー階層などはXシリーズでほぼ共通しているので、迷うことはない。X-M1では、操作に関するダイヤル、ボタンがすべて右側に配置されたため、右手だけの直感操作が可能になっている。この配置は、X-E1などはボディ左側にもボタンが配置され、フォーカス操作に関する項目が操作しづらいことを解消している。

◀・1/55
 ・F6.4
 ・ISO800
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XC16〜50mm/16mm(35mm判換算24mm)
 ・Filmシュミレーション/RPOVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/400%
 (クリックで拡大)


新しいXC16〜50mmF3.5-5.6 OISレンズはM-1に合わせたような195gという小型軽量のレンズ。レンズ側に絞りリングなどはなく、すっきりとしたレンズだが、描写はさすがのフジノンレンズ、しっかりとした描写を見せる。また、このレンズをX-Pro1やX-E1で使用する場合は、最新ファームウェアに更新しないとボディ側で絞りを設定できないので、注意が必要になる。後述するXF27mmも同じである

◀・1/1200
 ・F5.0
 ・ISO1600
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XC16〜50mm/32mm(35mm判換算49mm)
 ・Filmシュミレーション/RPOVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


◀・1/50
 ・F2.8
 ・ISO800
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XF27mm(35mm判換算41mm)
 ・Filmシュミレーション/RPOVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


XF27mmは 厚み23mm、重さ78gのXFレンズ最薄、最軽量の単焦点レンズ。 35mm判換算41mmという焦点距離は人間の視野に近く、スナップや様々なシーンでの標準レンズとしても使用できる。開放から十分シャープな描写をする。

◀・1/150
 ・F3.2
 ・ISO3200
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XF27mm(35mm判換算41mm)
 ・Filmシュミレーション/RPOVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


XF27mmは手ぶれ補正が付いていない。また、XC16〜50mmF3.5-5.6 OISは手ぶれ補正が付いているが、効果はそれほど高くない印象だ。カメラが小型なので、ホールディングなどでぶれには注意したい。XC16〜50mmF3.5-5.6 OISは小型なのでその中に十分な手ぶれ補正機能を入れるのは厳しいだろう。しっかりとしたホールディングを心がけた方が良いと思われる。また、高感度を使用して、シャッタースピードを十分に確保した方がよい。日常ならISO800〜1600でも問題なく、ISO3200も独自のフィルムっぽい描写で十分である。

◀・1/400
 ・F2.8
 ・ISO800
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XF27mm(35mm判換算41mm)
 ・Filmシュミレーション/RPOVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/100%
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XF27mmは使いやすい画角で、ピントの合っているところはシャープでボケも柔らかく美しく描写する。

◀・1/350
 ・F2.8
 ・ISO800
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XF27mm(35mm判換算41mm)
 ・Filmシュミレーション/RPOVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


◀・1/120
 ・F4.0
 ・ISO400
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XF27mm(35mm判換算41mm)
 ・Filmシュミレーション/RPOVIA(スタンダード)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


◀・1/80
 ・F2.8
 ・ISO3200
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XF27mm(35mm判換算41mm)
 ・Filmシュミレーション/B(モノクロ)
 ・ダイナミックレンジ/100%
 (クリックで拡大)


モノクロ+高感度では、フィルムのような描写を得ることができる。 X-M1+XF27mmを使用しての軽快な夜のスナップなどは趣のある表現が可能だ。また、3:2のアスペクト以外に16:9、1:1も使える。

◀・1/1000
 ・F11
 ・ISO800
 ・WB/晴れ
 ・Jpeg撮影
 ・XC16〜50mm/29mm(35mm判換算44mm)
 ・Filmシュミレーション/ASTIA(ソフト)
 ・ダイナミックレンジ/400%
 (クリックで拡大)


今回は試してはいないが、X-M1はスマートフォンと連携することができる。無料アプリの「FUJIFILM Camera Application」を利用すれば、ID、パスワード設定不要ですぐにスマートフォンやタブレット端末に画像を送信可能。高画質な写真をすぐにSNSなどにアップできる。また、スマートフォンの位置情報を画像に付ける事も可能である。これからのデジタルカメラには必須の機能がX-M1に搭載されている。

◀・1/8
 ・F5.6
 ・ISO1600
 ・WB/日陰
 ・Jpeg撮影
 ・XC16〜50mm/16mm(35mm判換算24mm)
 ・Filmシュミレーション/ASTIA(ソフト)
 ・ダイナミックレンジ/200%
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X-M1ではアドバンストフィルターというモードが追加されている。これば8種類のフィルターモードから選択できる。ミニチュア/パートカラー(レッド・オレンジ・イエロー・グリーン・ブルー・パープル)/トイカメラ/ダイナミックトーン/ハイキー/ローキー/ソフトフォーカス/ポップカラーから選ぶことができる。

◀・1/6
 ・F3.5
 ・ISO800
 ・WB/オート
 ・Jpeg撮影
 ・XC16〜50mm/16mm(35mm判換算24mm)
 ・アドバンストフィルター/ダイナミックトーン
 (クリックで拡大)


こちらはアドバンストフィルター/ダイナミックトーンを使用している。X-Pro1やX-E1にはないこの機能が、入門者向けには必要な機能である。X-M1の アドバンストフィルターで写真を撮って、スマートフォンで共有する。これからの1つの写真のスタイルである。



ポジション的にはX-M1は入門機であろう。しかし、その中身は 低価格機でありながら手を抜くわけでなく、妥協のないセンサーと基本に忠実であり、上位機種と統一されたカメラ機能など、十分メインカメラとしても通用する。それに加えて、入門機らしいアドバンストフィルターなどの機能や、スマートフォンとの連携など、上位機種にはなく、またこれからのカメラとして必要な機能をしっかりと搭載した最新のカメラである。

こうなってくると上位のX-Pro1などの次期後継機種にも十分期待が持てる。評判の良いXシリーズが今後どのように進歩発展していくか楽しみである。



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