●今気になる最新ツール

●PCJ Review

●PhaseOne シュナイダー全レンズレビュー

●プロカメラマンのためのこだわりグッズ

●新製品インタビュー




第21回 RICOH IMAGING GR

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://www.gungho.or.tv/
◯GR 基本スペック
・有効画素数:  約1620万画素
・撮像素子:   23.7mm×15.7mmローパスレスCMOS
・撮影感度:   ISO100~25600
・液晶モニタ:  3.0型 123万ドット
・ファイル形式: RAW(DNG)、JPEG
・記録媒体:   SD、SDHC、SDXC、Eye-Fi(X2)
・レンズ:    18.3mm(35ミリ判換算で約28mm相当)、F2.8?F16
・レンズ構成:  5群7枚(非球面レンズ2枚)
・サイズ:    117mm(幅)×61mm(高)×34.7mm(厚)
・重量:     245g(電池、カード付き)


RICOH IMAGING GRのサイトへ



●APS-C、ローパスレスのGR

GRは2005年のGRデジタルから一貫して35mm判換算28ミリ相当の単焦点広角レンズを採用したコンパクトデジタルカメラであり、2007年のGRデジタルII、2009年のGRデジタルIII、2011年のGRデジタルIVと進化。今回の第5世代からAPS-C、ローパスレスセンサーとなり、1/1.8〜1/1.7型CCDセンサーの従来機よりさらに高画質を追求したカメラへと進化している。

APS-Cセンサーカメラで世界最小、最軽量のこのカメラの単焦点28ミリ相当のレンズは、歪みが限界まで少なく、APS-Cローパスレスセンサーと組み合わせることで、驚くほどの高画質、高品位な画像を写し出すことが最大の魅力となっている。


●作例

◀・f4.0
 ・1/125
 ・ISO800
 ・WBマルチパターンAUTO

 (クリックで拡大)


歪みが限界まで少ない28mmレンズ。まず第一にこの描写に本当に驚く。歪みが少ないだけでなく、描写力も素晴らしく、APS-Cローパスレスセンサーとの組み合わせの描写の良さにひたすら驚かされる。この描写力、高解像度がGR最大の魅力である。

◀・f4.0
 ・1/90
 ・ISO800
 ・WBマルチパターンAUTO

 (クリックで拡大)


単焦点28mmレンズの画像周辺部では、描写が崩れたり、流れたりすることなくしっかりとした描写を見せる。改めて専用に設計された単焦点レンズの凄さに驚嘆する。

カメラのレスポンスも良く、AFスピード、シャッターフィーリングも良い。各種ボタン、メニュー選択のレスポンスも良く、世界最小、最軽量のカメラのホールドも安定していて快適で軽快な撮影を体験できる。28mm単焦点は使いこなしにちょっと癖がある画角だが、引くことでその場全体をしっかり撮影し、踏み出して近づくことでより臨場感がある写真を撮ることができる。28mmが広すぎるようであれば、35mmクロップすることが可能である。

◀・f2.8
 ・1/2000
 ・ISO100
 ・WB5000K
 (クリックで拡大)


絞り開放から、描写力が高い。フォーカス精度も高く、開放から安心して使用することができる。フォーカス方式には9ヶ所AFエリアから測距、最も近い位置にピントを合わせ、中抜けを防止するマルチAF、1点のAFエリアのスポットAF、より精度の高いピンスポットAF、追尾AF、MF、設定した距離にピント固定するスナップ、無限遠と、豊富に用意されている。自分の使用目的に合わせて、自由に選択できる。また、ADJレバーで簡単に変更することも可能だ。

◀・f2.8
 ・1/350
 ・ISO100
 ・WBマルチパターンAUTO
 (クリックで拡大)


絞り開放から素晴らしい描写を見せる。ピントの合っているところはしっかりと描写し、ボケは柔らかく、その場の空気感までしっとりと描写する。

◀・f4.0
 ・1/60
 ・ISO100
 ・WB5000K
 (クリックで拡大)


APS-Cローパスレス1,620万画素の描写の力は専用単焦点レンズと組合わせることで驚愕の描写力を発揮する。細部まで崩れることなく豊かな階調を持った美しい描写を得られる。

◀・f3.5
 ・1/125
 ・ISO800
 ・WBマルチパターンAUTO
 (クリックで拡大)



WBの設定も細かく用意されている。AUTO、マルチパターンAUTO、屋外、日陰、曇天、白熱灯2パターン、各種蛍光灯、色温度、マニュアルと充実している。マルチパターンAUTOは光源が混在する場合でも分割した領域ごとで光源に合わせて自動で設定される。精度は高く、安心して使用できる。

◀・f5.6
 ・1/125
 ・ISO1600
 ・WBマルチパターンAUTO
 (クリックで拡大)


高感度はISO25600まで使えるが、ISO800辺りから画像が荒れ始める印象がある。筆者の印象ではISO1600までにとどめておきたい。

◀・f4.0
 ・1/400
 ・ISO1600
 ・WB5000K
 (クリックで拡大)


ISO1600でも、きめの細かい細部の描写におどろく。

◀・f4.0
 ・1/40
 ・ISO1600
 ・WB5000K
 (クリックで拡大)


このカメラには今では当たり前となっている手ぶれ補正がついていない。そのため、しっかりと構え、しっかりとした撮影が必要となる。

◀・f4.0
 ・1/750
 ・ISO100
 ・WB5000K
 (クリックで拡大)


センサーが大きくなってよりボケも大きく綺麗になり、最大で10cmまで寄ることができる。広角28mmで寄ることで、臨場感が生まれる。

◀・f4.0
 ・1/60
 ・ISO100
 ・WBマルチパターンAUTO
 (クリックで拡大)


28mmでちょっと遠く感じる場合は35mmにクロップすることができる。その場合画素数は約1,030万画素となる。35mmクロップでも十分高画質なので、28mm、35mmの2つの単焦点カメラとして利用できる。

◀・f4.0
 ・1/250
 ・ISO100
 ・WB5000K
 (クリックで拡大)


通常、カメラのデフォルトの設定では、描写やコントラスト、シャープが甘かったり、彩度が高すぎたりするので、カスタムで使用する場合が多いが、GRはデフォルトの設定(スタンダード)で、描写が素晴らしく、今回はほぼすべて、スタンダードで撮影した。もちろんカスタム設定も可能で、ビビットなどのプリセットもしっかりと用意されている。

◀・f4.0
 ・1/250
 ・ISO100
 ・WB5000K
 (クリックで拡大)


電池の持ち、液晶の視野、視認性も良く、ほぼ不満のないカメラに仕上がっている。

◀・f4.0
 ・1/800
 ・ISO100
 ・WB5000K
 ・AdobeCameraRawで現像
 (クリックで拡大)


RAWデータはDNG形式なので、Adobe Camera Rawなどの現像ソフトで高画質に現像処理が行える。使い慣れた現像ソフトで作業できるのは大変便利である。また、Lightroomなどでの画像管理も容易である。



GRは、たいへんよくできた素晴らしいカメラに仕上がっている。最小、最軽量の筐体に妥協のないAPS-C、ローパスレスセンサーを搭載し、また、限界まで歪みのないしっかりとした至極の28mm単焦点レンズ。写真のことをしっかりと考えた、真面目で実直なカメラである。

最近は、指先1つで簡単に操作できるズームレンズ搭載で、手ぶれ補正完備、暗いところでも撮れ、失敗することのないカメラが主流である。確かに便利だし、綺麗に撮れる。しかしGRは露出関係はほぼ失敗することはないが、ズームレンズではなく28mmの単焦点なので被写体を捉えるには、自ら歩み寄ったり、離れたりしないとしっかりと捉えることができない。手ぶれ補正がないので、しっかりと構えないとブレてしまう。写真本来の、また最も基本的な、被写体をしっかり捉えることを最優先に考え、最高の描写を誇る真面目なカメラである。



↑Page Top

| ご利用について | 広告掲載のご案内 | プライバシーについて | 会社概要 | お問い合わせ |
Copyright (c)2010 colors ltd. All rights reserved