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第18回 PENTAX RICOH IMAGING PENTAX 645D

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://www.gungho.or.tv/
◯PENTAX 645D 基本スペック
・有効画素数:  約4000万画素
・撮像素子:   44mm×33mm 
・画素ピッチ:  6.0μm×6.0μm
・撮影感度:   ISO200~1000(拡張ISO100~1600)1EV、1/2EV、1/3EV選択
・液晶モニタ:  3.0型 92.1万ドット
・ファイル形式: RAW(PEF/DNG)、JPEG
・記録媒体:   SD、SDHC、SDXC(最新ファームウェアで対応)、デュアルスロット
・防塵防滴:    防塵防滴構造
・サイズ:    156mm(幅)×117mm(高)×119mm(厚)
・重量:     1480g(電池、カード付き)

同時使用レンズ
◯FA645 45mmF2.8
・画角:     63°
・構成:     8群9枚
・最小絞り:   F22
・最短撮影距離: 0.45m
・フィルター径: 67mm
・重量:     475g

◯D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW
・画角:     53°
・構成:     7群9枚
・最小絞り:   F22
・最短撮影距離: 0.5m
・フィルター径: 67mm
・重量:     416g
・AF駆動に超音波モーター(SDM)採用。防塵防滴構造
・645DのみAF/MF、他645シリーズではMF

◯FA645 75mmF2.8
・画角:     40.5°
・構成:     5群6枚
・最小絞り:   F22
・最短撮影距離: 0.6m
・フィルター径: 59mm
・重量:     215g

◯FA645マクロ 120mmF4
・画角:     26°
・構成:     7群9枚
・最小絞り:   F32
・最短撮影距離: 0.395m
・フィルター径: 67mm
・重量:     735g

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PENTAX 645レンズラインナップ



●発売3年目となるPENTAX 645D

ペンタックスの645Dは、風景写真家達の高い評価を受けた645シリーズの後継であり、国産唯一の中判デジタルカメラである。Mamiyaは現在Phase One/Leaf 陣営であり、本体、レンズの供給はしているが、デジタルバックの部分は手掛けていない。その為、PENTAX 645Dが国産唯一の中判デジタルカメラとなる。

現在、中判デジタルカメラはHasselblad、Phase One/Leaf/Mamiya、Sinar、LEICA、PENTAXの5社が発売しており、LEICA、PENTAXは本体とセンサーの一体型となっている。PENTAXはホコリ除去機能や、防塵防滴構造などを採用し、他機種に比べ100万円を大きく切る低価格でリリースされているのが大きな特徴となっている。 発売は2010年と最新機種ではないが、今でも十分魅力的な製品である。次世代モデルのうわさも聞こえる中、改めて645Dを評価してみたい。


●作例

今回の作例はRAWで撮影。PENTAXのPEFではなく、Adobe DNGで撮影し、Adobe Camera Rawにて調整、変換している。

◀・ISO200
 ・F8.0 1/320
 ・D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW

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約4,000万画素のローパスレスの大型のセンサーは高精細で高画質である。細かな松の葉を見事に描写している。現在、同社のK-5IIsやニコンのD800E、D7100など、ローパスレスの高画素カメラは増えてきているが、大型センサーの描写は35タイプとは違った緻密なディテールとその場の空気感まで描写をする。是非体験していただきたい。

◀・ISO200
 ・F5.6 1/500
 ・D FA645 55mmF2.8AL[IF]SDM AW

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D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AWは、645Dに最適に設計された新レンズ。AFに超音波モーター(SDM)を採用し、防塵防滴構造になっている。クリアで抜けの良い高画質で645Dでは35ミリ判換算43.5mmで使いやすい画角になる。 周辺部の描写も良好。

◀・ISO200
 ・F8.0 1/125
 ・D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW

 (クリックで拡大)


中判タイプのデジタルバックの多くは低感度だが、645DはISO200から使用できるため(拡張でISO100利用可能)、手持ちでも十分撮れる。機動力を活かした撮影も可能になるが、高画素なので、手ぶれには十分な注意が必要になる。 現在、HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRという、レンズ内手ぶれ補正(SR)を採用したレンズが1本用意されているが、今後のラインナップの充実に期待したい。

◀・ISO200
 ・F8.0 1/320
 ・FA645 75mmF2.8

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PENTAX 645AF2マウントで、今までのsmc PENTAX 645レンズがすべて使用できる。645Dに装着した場合は焦点距離の1.3倍(35mm換算では約0.8倍)になる。この75mmは重量215g、全長37.5mmのPENTAXらしいコンパクトなレンズで、絞るとシャープな描写をする。

◀・ISO200
 ・F8.0 1/250
 ・FA645 75mmF2.8

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645Dは最新の製品ではないので、ライブビューといった機能はついていないのだが、大きく、クリヤーなファインダーの見やすさは抜群である。今後の後継機種にはこの優れたファインダーを維持しつつ、ライブビューなどへの対応も期待したい。

◀・ISO200
 ・F8.0 1/800
 ・FA645 75mmF2.8

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今回の撮影で一番気になった点は、書き込み速度の遅さである。撮影後、液晶にプレビューが表示されるまで、かなり時間がかかる。

組み合わせるカードにもよるかもしれないが、かなり遅いと感じるし、プレビューが表示されてからも書き込みに時間がかかる。書き 込まれてからの表示や拡大などは大丈夫なのだが、刻々と変わる光や、雲など、確認しながらの撮影ではかなりストレスを感じることになる。後継モデルでは改良されると思われるので期待したい。


◀・ISO800
 ・F4.5 1/80
 ・D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW

 (クリックで拡大)


最新のPhase One IQシリーズなどのバックタイプの感度は随分と良くなっているのだが、筆者所有のDM22(LeafAptusII-5)などはISO200や400(最高ISO400)では画像が荒れる。この写真はISO800で撮影しているが、645DはISO1600まで拡張でき、画質も良いので、このようなシーンでもしっかりカメラを構えることにより、手持ちで撮影することが可能だ。

◀・ISO1600
 ・F8.0 1.3秒
 ・D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW

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ISO1600ではさすがにノイズがのるが、十分に高画質を維持している。

◀・ISO200 
 ・F8.0 15秒 
 ・FA645マクロ 120mmF4

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バックタイプは長時間露光も不得手なのだが、645Dは長時間露光でも高画質を維持する。

◀・ISO200 
 ・F8.0 1秒 
 ・FA645マクロ 120mmF4

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◀・ISO200 
 ・F8.0 1/160 
 ・FA645マクロ 120mmF4
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◀・ISO200 
 ・F8.0 1/1000 
 ・FA645 45mmF2.8

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◀・ISO200 
 ・F8.0 1/500秒 
 ・D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW

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◀・ISO200 
 ・F8.0 1/500 
 ・FA645マクロ 120mmF4

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◀・ISO400 
 ・F8.0 1/100 
 ・FA645 45mmF2.8

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◀・ISO200 
 ・F8.0 1/200秒 
 ・D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW

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発売から3年の歳月が経った645Dだが、必要十分な高解像度で高画質なローパスレス大型センサーをはじめ、防塵防滴構造、11点AF、常用ISO200~1000、645システムレンズなどまだまだ魅力なカメラである。書き込みが遅い、ライブビューがない(デジタルプレビュー機能はある)、もっと高感度で使用したいなど、最新のカメラと比べれば、気になる点はいくつかあるが、撮影に関する機能に死角はない。むしろ十分である。改めて、しっかりとした技術と自信を感じる「写真を撮る」カメラである。

また、今回はフィールドでの撮影であったが、スタジオでの使用もあり得る。テザー撮影に関することは苦手のようだが、4,000万画素の高画質はスタジオ撮影でも実力を発揮するだろう。

後継モデルでは、気になる書き込み速度の高速化や、ライブビュー機能の実装、テザー撮影の充実、デジタル対応レンズの拡充などへの期待が高まる。

35ミリ判デジタルカメラが高画素、ローパスレスに向かっているようだが、中判カメラの描写はさらに上を行く。645Dは今でもまだまだ魅力を失わない、唯一の国産中判デジタルカメラである。



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