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第17回 Nikon D7100

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://www.gungho.or.tv/
◯Nikon D7100基本スペック
・有効画素数     2,410万画素
・撮像素子      23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ)CMOSセンサー
・撮影感度      ISO100〜ISO6400(1/3段ステップ、 1/2段ステップ)
           ISO6400に対して0.3、0.5、0.7、1、2(ISO25600相当
の増感、感度自動制御が可能
・液晶モニタ     3.2型TFT液晶モニター 約122.9万ドット
・フォーカスポイント 51点設定、11点設定
・サイズ       (幅)135.5mm×(高さ)106.5mm×(奥行き)76mm(奥行き最薄部 30.9mm)
・重さ        約765g(付属バッテリー、メモリーカード含む)

同時テストレンズ
◯AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED
・レンズ構成     7群11枚
・焦点距離      12 - 24 mm(35mm判換算:18 - 36 mm相当)
・撮影距離      約30cm(ズーム全域)
・寸法・質量     82.5mm×90mm 約465g

◯AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
・レンズ構成     13群17枚(ナノクリスタルコート)
・焦点距離      24 - 120 mm(DX/APS-C判換算:36 - 180 mm相当)
・撮影距離      約45cm(ズーム全域)
・寸法・質量     84mm×103.5mm 約710g

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●D7100の概要

ニコンの新モデル、D7100は、DXフォーマット(APS-C)で約2,400万画素の高解像度を持つカメラである。高解像度の力を十分に発揮するために、光学ローパスレスとなっている。また、小型・軽量であるが、防塵、防滴、ダブルSDカードスロット、51点AFシステム、最高秒7コマ、1.3倍クロップ(35mm換算2.0倍)、Dムービーなど、必要十分な機能も備えている。今回は12〜24mm/F4と、24mm~120mm/F4の2本のレンズによって。35mm換算18〜180mmをカバーするコンパクトなセットで作例の撮影に臨んでいる。

●作例

今回の作例は高感度のテスト以外はすべてRAWで撮影。現像処理はCaptureNX2を使用して調整、JPEGに変換している。

◀・ISO 100
 ・f8 1/320秒
 ・66mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算99mm)

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さすが2,400万画素の光学ローパスレス。 APS-Cなので、若干線の太い描写ではあるが、 かなり細かいところまで解像している。展望台からの撮影なので、ガラス越しで、春の霞んだ不利な天候でも、十分に力を発揮している。

◀・ISO 200
 ・f8 1/800秒
 ・12mm(AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED) (35mm判換算18mm)

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APS-Cで2,400万画素なので、センサーの性能も重要だが、レンズにも高度な描写力が必要なようだ。また、あまり絞りすぎると逆に描写が低下するので、注意が必要になる。

AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-EDの場合、12mm側で広角特有の周辺が流れるが、必要十分なレンズである。

◀・ISO 100
 ・f5.6 1/1000秒
 ・12mm(AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED)(35mm判換算18mm)

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シャッターが少々深く感じられた。Canon EOS 5Dmk2ほど深くはないため、慣れるのにさほど時間がかからなかったが、もう少し浅い方が軽快に撮影できるように思われる。D4や1DX以外は、最近のカメラはシャッターが深い。往年のContax RTSとまで言わないが、もう少し、浅くて軽快なシャッターはできないものなんだろうか。

◀・ISO 100
 ・f5.6 1/200秒
 ・30mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算45mm)

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背面液晶の解像度は122.9万ドットで視認性も明るさも必要十分で、最大38倍まで拡大できるが、拡大しすぎると、却って画像の状態が分からないことになってしまう。カスタム登録ができると思うが、拡大は等倍までで、拡大ボタン一発でフォーカスポイント等倍表示された方がありがたい(D4、D800などにはそういう機能があるようなので、カスタム可能と思われる)。

◀・ISO 100
 ・f5.6 1/500秒
 ・120mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算180mm)

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デフォルトの設定だと、私には甘く感じられるので、ピクチャーコントロールでスタンダードで、輪郭強調5〜6、コントラスト+1〜2ぐらいのセッティングか、ビビットで同じ様なセッティングを作り、シーンによって切り替えて使用した。他にもモノクロのセッティングなど数パターン登録できる。

◀・ISO 100
 ・f8 1/125秒
 ・24mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算36mm)

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こちらはモノクロのセッティング。輪郭強調6、コントラスト+3、フィルター効果Redを使用している。設定はRAWでも反映され、CaptureNX2で変更することも可能。

◀・ISO 100
 ・f5.6 1/400秒
 ・44mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算66mm)

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ファインダーは視野率約100%。倍率0.94倍で明るく、視認性もよい。ミラーレスのEVFや、ライブビューも良いのだが、やっぱり光学ファインダーの美しさと撮影のしやすさは素晴らしい。少々フォーカスポイントの線が太いことが気になるが、見やすく美しいファインダーである。ピクチャーコントロールがモノクロの場合は、ファインダー内で確認できる。意外とセッティングを戻し忘れたりするので、覗いた時に警告してくれるのは便利だった。

◀・ISO 200
 ・f5.6 1/400秒
 ・55mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算82mm)

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◀・ISO 200
 ・f5.6 1/500秒
 ・100mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算150mm)

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光学ローパスレスで2,400面画素ということで、気になるのはモアレだ。本来はスーツやシャツなどで検証すべきだが、今回は時間的余裕がなかった。この鳥の羽の部分を見てみると、ちょっと怪しい部分はあるが、ほぼモアレなく、細かく解像している。

◀・ISO 200
 ・f5.6 1/400秒
 ・120mm /1.3クロップ使用(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算240mm)

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羽の部分の100%切り出し。モアレが出ている。今回の撮影で顕著にモアレが出たのはこのカットのみ。

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今回の撮影を見る限り、モアレで悩むようなことはないように思われる。むしろ光学ローパスレスで高解像度の恩恵の方が大きく感じられる。

◀・ISO 100
 ・f4 1/1000秒
 ・82mm /1.3クロップ使用(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm判換算164mm)

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D7100には1.3倍クロップという機能がついている。DXフォーマットではレンズ表記の1.5倍(35mm判換算)になるのだが、さらに1.3倍クロップすることで2.0倍の画角となる。クロップ時はファインダー内に画角範囲のフレーム(線)と1.3倍であることの警告が表示される。画素数は当然のことながら減って約1,540万画素になるのだが、手持ちレンズでさらに被写体を引き寄せることができる。この機能は静止画だけでなく、動画でも使用可能だ。

また、クロップすると横のフォーカスポイントが画角一杯まで使用でき、また、51点のAFポイントで効果的に被写体を捕捉できるのでスポーツシーンなどで効率よく効果を発揮する。


◀・ISO 100
 ・f8 1/500秒
 ・12mm(AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED) (35mm換算18mm)

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◀・ISO 100
 ・f7.1 1/320秒
 ・66mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm換算99mm)

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◀・ISO 100
 ・f6.3 1/500秒
 ・58mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm換算87mm)

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◀・ISO 100
 ・f8 1/20秒
 ・12mm(AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED) (35mm換算18mm)

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夕景や、夜景等の撮影の時はライブビューが役に立つのだが、撮影画像の確認時と同じように、32倍まで拡大できるので、拡大のしすぎや、中途半端な拡大率だとかえってピントが分からない時がしばしばあった。これは、ピントが外れているのか、拡大率があっていないのかの判断がつきづらいので、ライブビュー時は単純な倍率だけで良いのではないかと思う。

◀・ISO 100
 ・f8 2.5秒
 ・34mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm換算51mm)

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こちらは高感度のテスト。このデータのみJPEGの撮ったままのデータ。
・WB/5000K
・ピクチャーコントロール/スタンダード、輪郭強調5、コントラスト+2、
・高感度ノイズ軽減/標準
・長秒時ノイズ軽減/しない
・アクティブDライティング/標準

◀ISO 100から6400、更にH0.3、0.5、0.7、1.0の等倍切り出し。
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ISO3200位までなら使用できる。6400から非常用と言った所だと思われる。

◀・ISO 100
 ・f8 15秒
 ・38mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm換算57mm)

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◀・ISO 100
 ・f8 30秒
 ・12mm(AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED) (35mm換算18mm)

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ピクチャーコントロールでモノクロを設定。調色にイエローを選択。30秒という露光時間だが、ノイズも少なく細部もよく描写している。

◀・ISO 1600
 ・f4.5 1/30秒
 ・12mm(AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED) (35mm換算18mm)

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◀・ISO 100
 ・f5.6 1/400秒
 ・38mm(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR) (35mm換算57mm)

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今回の画像は高感度のテスト以外はRAWをCapture NX2で調整、JPEGに変換している。私は基本JPEGは撮影せず、すべてRAW処理をしている。執筆時、D7100のRAWに対応しているのはCapture NX2とViewNX2、SILKYPIX Developer Studioだけで、Adobe、Capture One、DxOは未対応だったので、Capture NX2を使用した。

細かく調整でき、なおかつ直感的に操作できるカラーコントロールポイントは魅力的なツールに感じた。Corei7 3.4Ghz、16GBメモリのiMacで、重たい感じもなく、軽快に動作する。

◀・RAWファイルをCapture NX2にて処理
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D800でFXフォーマット(フルサイズ)最大の3,600万画素、D800Eで光学ローパスフィルターを働らなくして、高解像度に挑み、さらに今回のD7100でDXフォーマット(APS-C)で2,400万画素の高解像度を最大限に引き出すために、光学ローパスフィルターレスを選択したニコン。画素競争が一段落したと思われていた中で、高解像度カメラの新しい流れの先駆けになった。

かなり良く写る。しかしそれと同時に、組み合わせるレンズの力も必要になってくる。今回使用してみて思ったことは、まさにここにつきる。今時、高感度が使える、秒5〜7連写、防塵、防滴などはほぼ標準のスペックと言っていい。

大切なのは、きっちり写ること。今回組み合わせた AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED とAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRは絞ると厳しい面もあるが、十分に描写できるレンズだと思われる。また、そういった高解像のデータをしっかりRAWから専用ソフトで高画質に変換することも重要である。

今回のD7100は、画素数、画質、レンズ描写力など、今までよりさらに一つ上の世界に入ったような気がする。今後のニコンの製品が楽しみだ。



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