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第13回:IQ280の概要と感想

解説::湯浅立志/フォトグラファー http://homepage3.nifty.com/y2/
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アップグレードの続編が遅くなりまして申し訳ありませんでした。

7月にIQ280を修理に出すことになり、手元にない状態でIQ280のことを書くのもどうか? と思い、今になってしまいました。修理は購入時から気になっていた色ムラに対してで、CCDの再キャリブレーションを行いました。結果としてはまあまあ満足のいく状態です。そのことはまた書く機会もあるかと思います。

今回は新しいIQ2シリーズであるIQ280の概要とその感想をまとめてみたいと思います。


従来機であるIQ1シリーズと外観はほぼ同じです。操作もほとんど同じ。機能的な違いはWi-Fiが内蔵されているかどうか? だけと言ってもよいでしょう。

僕の場合、P+シリーズからのアップグレードだったので、世代的にはかなり差があり、使い勝手としては非常によくなっていると感じました。


最初に気がつく大きな違いはデジタルバックの取り付け方法。

今まではボタンのロックが、スライド式でロックするしないを、スライド状態で変える方法でしたが、IQ2シリーズは常時ロック方式に変更されました。

具体的にはロック解除のスライドスイッチをボタン方向に動かしながら、取り外しボタンを押す、というやり方に変わっています。スライドスイッチはバネが仕込まれていて、常にロック状態になります。外したいときだけ、解除方向に指で動かして、その位置でボタンを押さないとデジタルバックは外れません。

IQ1シリーズを使っていて、最も不安だったのはこのデジタルバックの取り外しボタンでした。カメラを提げていて、不用意にこのボタンが動いてしまい、デジタルバックが外れてしまったら? と不安でした。IQ1シリーズを使うときは、このスライドスイッチをロック状態にして、その上からテープで押さえておく、という絶対に外れないような工夫をしていました。それがなくなっただけでも、屋外使用の多いフォトグラファーにはありがたい変更です。

電池は従来の電池がそのまま使えます。が、推奨電池容量が 2900mAhになっていますので、古いバッテリーだとその基準を満たしません。僕の使っているバッテリーは古いもので 2400mAhしかありません。使えていますが、あくまで自己責任と言うことで。

現在国内で販売中のバッテリーはすべてこの基準になっています。


テザー撮影用の端子はFireWire800とUSB 3.0のデュアルポートです。背面には今まで通りFireWire800の端子。


側面にはUSB 3.0ポートが付いています。USB 3.0のB型と呼ばれるコネクターです。

僕が新しいIQ2シリーズに変更したいと思ったのは、この点もありました。MacにFireWire800ポートが付かなくなっているからです。デジタルバックはどうしてもPCとのテザー撮影抜きでの仕事がしにくいことがあり、つながるPCは必須なのです。現在僕が使っている MacBook ProにはFireWire800ポートがありますからまだいいのですが…このMacBook Proを選んだのは、 FireWire800ポートが付いている最後の型だったからです。いつかはこのMacBook Proも買い替えますから、そうなるとP+シリーズのテザー撮影ではPCとの間に変換するためのものをいれないとなりません。それで撮影しているフォトグラファーも多いのですが、決して便利とは言えないでしょう。

USB 3.0ポートでテザー撮影ができれば、軽いMacBook Airでも撮影が可能になります。ロケを考えると、この違いは大きいですね。


撮影感度ですが、IQ2シリーズの中でもこのIQ280だけISO35が最低感度です。絞りを開けたいときや、長時間露光をしたいときなど、意外に便利なのが低感度域です。

新しいNikon D810がISO64ということで話題になりましたが、その点でも最低感度に対して注目度は高いと言うことでしょう。


IQシリーズには以前よりsensor+という機能が付いていました。画素数を1/4にできると言うことで、デジタルバックのように高画素なものでも、画素数がいらない撮影では落として使えると言うことで、仕事での撮影では便利な機能です。

ただし、sensor+を使うと、最低感度が上がってしまいます。IQ280ではISO140となりますが、他の機種ではISO200 が最低感度です。屋外での撮影ならISO200でもいいでしょうが、スタジオ撮影では却って使いにくくなってしまいます。画素数が減って、さらに使いにくい、ということで、スタジオ撮影の多い僕には、使わない機能の1つでした。

IQ280でのsensor+を使うとISO140で画素数が2,000万画素と、十分使えるレベルのデータになります。

8,000万画素もある、巨大なデータを常に使うわけもないので、大きく印刷されるような仕事にしか出番がないと思いがちですが、僕の場合だと、雑誌の片ページでの撮影などをsensor+で撮影しています。左の写真はsensor+を使って撮影したものです。

2,000万画素というと、Canon6Dと同じくらいのデータになりますが、仕上がりは断然IQ280の方が良いと思っています。

sensor+を使った最高感度はISO3200です。


ライブビューが簡単にできます。右下の吹き出しのようなアイコンをタッチするとこのような画面になり、そのビデオカメラのようなアイコンをタッチするとライブビューになります。

使用カメラがマミヤ645DF+でファームアップされていれば、この操作だけでライブビューになります。

ただ、IQ250と違い、コマ落としのようですし、昼間の屋外のような場所ではライブビューとしてはとても使えません。この辺りは最新のデジタルバックの方が遙かに進化しています。


IQ2シリーズの最大の特徴はWi-Fiを内蔵していることです。

Wi-Fiをオンにするのもここにタッチするだけと簡単です。オンは設置されている無線LANに繋ぐ場合、アドホックはデジタルバックとダイレクトにiPhone、iPadなどをつなぐということです。


左の画面が僕のスタジオの無線LANにつないだところです。つなぎ方は簡単で、基地局を選んでパスワードを入れるだけ。


接続状況を表示したところ。


アドホックモードでの接続。ここも選ぶだけです。


Wi-Fiがオンになっているとこのようにアイコン表示されます。

Wi-Fi接続しての使い勝手については、次回以降に書くつもりです。


IQシリーズになってから、物撮りをするフォトグラファーにとって便利になった機能が「レイテンシー」です。

レイテンシー(latency) とは、信号が入ってからの遅延時間のことを指す用語ですが、シャッターを切った瞬間にデジタルバックが取り込みをするという意味で、それをレイテンシーゼロと言います。Phase Oneデジタルバックの場合、昔ながらの大判カメラで使っていたコンパーなどのシャッター付きレンズで撮影するとき、事前にウェイクアップボタンを押すか、シャッターを2回切るなどして、撮影画像取り込みをスタートするという信号をPhase Oneデジタルバックに伝えないと撮れませんでした。

IQシリーズではこのレイテンシーゼロにしておくと、左のようなシャッターでもウェイクアップさせることなく、1回のシャッターで撮影ができます。

僕も仕事ではジナーにIQ280を付けて撮影することが多いので、この機能はPシリーズからIQ280に変えて最も便利になったところです。


実際に撮影して、そのデータを調整、Photoshopで合成などをやっていますが、当初、とてもじゃないけど、今までのPCでは使えないと思っていました。

今までのPhase One P45+が8ビットTIFFデータに展開すると、117MBだったのが、IQ280をだと241MBになります。P45+が3,900万画素でIQ280が8,000万画素と2倍なので、当然なのですが、そこからレイヤー合成していくと、1ファイルあたり1GB以上になることが普通になってしまいました。最初のうちはこれでは仕事にならないかと思っていましたが、使えないほど遅くはありません。

今現在のPC環境は以下です。

MacPro Mid 2010
Quad-Core Intel Xeon CPU E5620 2.4 GHz 8core
メモリ20GB

新しい円筒型のMacProが欲しいところですが、初期型なので当分の間は避けています。

IQ250やPentax 645Zなどの5,000万画素機が出てきて、PCの買い換えが、という意見を言う人もいますが、5年以上前のPCを使っているのなら買い替えも必要でしょうが、数年前以降なら問題なく使えると思っています。あくまでも個人的感想で、使用目的にもよると思いますが。

今回はここまでで。

次回以降、Wi-Fiなどの機能を詳しく書くつもりです。




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