●PCJ Interview
・File12 飯田かずな
・File11 河合俊哉
・File10 酒匂オサム
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・File04 小山泰介
・File03 奥本昭久
・File02 常盤響
・File01 辻佐織

●Company File
・File08 アドビ システムズ
・File07 富士フイルム
・File06 駒村商会
・File05 ジナー
・File04 ハッセルブラッド
・File03 シグマ
・File02 フェーズワン
・File01 ライカ

●Overseas Photographers
File09 Josh Madson
・File08 Michael Kenna
・File07 Todd McLellan
・File06 Mona Kuhn
・File05 Diana Scheunemann
・File04 Albert Watson
・File03 Nick Meek
・File02 Rankin
・File01 Ron van Dongen
今やデジタルバックの代名詞ともなったデンマークのフェーズワン。今回はフェーズワンの歩み、そして現在に至る製品展開を、フェーズワン・ジャパンのプロダクトマネージャーの下田貴之氏に聞いた。もともと印刷業界用のドラムスキャナを作っていた開発者が、1990年代に入り、今後写真はフィルムではなく、デジタルでダイレクトに写真を撮る時代になるという考えから、デジタルカメラバックの開発に着手。以来、デジタルの最先端を走り続けて、現在は充実したデジタルバック製品群に加え、カメラ、レンズ、現像ソフトのCapture Oneなどハイエンドのシステム一式を提案する。フェーズワンの製品群は、常に市場やユーザーのニーズを先取りしてきた先進性を秘めている。

http://www.phaseone.com

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▲話を聞いたフェーズワン ジャパン 
プロダクトマネージャーの下田貴之 氏


▲Phase Oneの中判デジタルカメラ
「645DF(Vertical Grip for 645DF装着状態)」(クリックで拡大)



●フェーズワンの歴史と今

−−まずフェーズワンの概要を、歴史と現状から簡単にお話しいただけますか。

下田:フェーズワンは1993年に設立されたデンマークの会社で、創業者は、それまで印刷に用いるドラムスキャナの開発・販売などを行っていました。ですので今後写真はデジタルに変わっていくだろうということを早くから察知していました。そこで、ハイエンドのデジタルバックの開発に着手し、製品展開を行ってきたという流れです。ですからまだ新しい会社です。

日本のフェーズワン・ジャパンですが、日本国内のマーケティングがメインの活動で、国内の販売サポートはすべてDNPフォトルシオさんにお願いしています。

日本にはキヤノンやニコンと言った主要なデジタル一眼レフのメーカーさんがあるので、フェーズワンとしては日本市場の動向をかなり注視しています。製品開発力やサービス面での土壌がある日本市場の情報を得たいという気持ちもあると思いますね。

日本法人では、マーケティングをしながら日本の市場情報を本社にレポートすること、加えて、DNPフォトルシオさんと本社の架け橋となってうまくこの市場を牽引していくことがメインの仕事になっています。

●フェーズワン製品の展開

−−これまでのフェーズワンの製品を、順を追ってご説明いただけますか。

下田:まずデジタルバックですが、開発が始まった当初は今のような1ショットで撮るタイプではありませんでした。最初は、スキャンタイプといって、いわゆるフラットベッドスキャナがカメラになったようなシステムで、これをHasselbladなどの中判カメラのフイルムバックの代わりに取り付けて撮影するタイプのものでした。

そこからだんだんと製品が1ショットタイプに変わっていくのですが、初期モデルには1996年リリースのスキャンタイプの「Photo Phase」などがあります。物撮りをするカメラマンさんたちが先駆けてデジタルバックを使いはじめてくれました。スキャンタイプは、センサーの画素数は少なくても、被写体に対してスキャンして(センサー自体が移動して)撮影していくので、最終的な画素数は大きくなり、製版に耐えうる解像度を実現します。当時は1分から、場合によっては10分ほどかけてスキャンしていました。ラインセンサー自体にRGBが入っているので、読み取りはワンパスですが。このように、フェーズワン製品は印刷業界向けから日本市場に入ってきたのです。

−−当時のユーザーはフォトグラファーというより、印刷業界の製版担当者だったということですか。

下田:いえ、基本的にはフォトグラファー向けですね。印刷会社さんにとっては、ダイレクトにデジタル化できるため効率がよく、ドラムスキャナに比べて安いので導入しやくかったというのが背景だと思います。

基本的には、プロのコマーシャルを撮影しているフォトグラファーがずっとフェーズワン製品の中心ターゲットであることに変わりはありません。実際、デジタル化を見越した人たちがデジタルバックを購入されていましたね。

−−その頃の主力モデルは何だったのでしょう。

下田:2000年リリースのスキャンタイプの「PowerPhase FX/FX+」というモデルがありますが、それを使って自動車や広告用の写真を撮っていた人たちが、徐々にワンショットタイプのデジタルバックに変わっていきました。その後、フェーズワンが広告写真などの専用カメラのイメージが強くなってきたのは、1998年に発売した1ショットタイプの「Light Phase」が出てからの広がりだと思います。



▲1996年リリースのスキャンタイプのデジタルバック「PowerPhase」(左)と後継の2000年登場の「FX」(クリックで拡大)



−−Light Phaseと2003年まで続くHシリーズは、違うモデルなのですか。

下田:名前は違いますが、同系モデルです。基本的にはHasselbrad V 500シリーズのマウントのものなので、本体は、Hasselbradの500と、4×5版カメラをお使いの方が多かったですね。これが後の2004年から発売し現在に至るPシリーズやP+シリーズに進化していきます。



▲ハッセルに装着した2003年にリリースされた2,200万画素のデジタルバック「H25」(クリックで拡大)



−−現在、Leafのデジタルバック、Aptusシリーズもフェーズワンが扱われていますが、その経緯を教えてください。

下田:Leaf自体が2009年にフェーズワンの傘下に入りました。製品は引き続きLeaf Imagingが取扱っています。国内では両ブランドのマーケティングをフェーズワンジャパンが行っていますが、基本的にはマーケティングは別です。また、販売に関してもフェーズワンが行っているといことではなく、Phase Oneブランドはフェーズワン、LeafブランドはLeaf Imagingが販売しております。この両者には、画素数が重複するモデルがあまりないのですね。ちょうどお互いの間を埋めるようにラインナップが並んでいるので、お客様のニーズに合わせて、セレクトできる幅は広くなりました。画素数の大きいモデルはフェーズワンのほうが多いので、ハイエンドモデルはPhase Oneが主力製品を埋めており、もう少し下のモデルをLeafが埋めているというイメージです。価格もPhase OneよりはLeafの方が多少、買い求めやすくなっています。

●Capture Oneの歩み

−−それらデジタルバックシリーズの成長に連動して、画像の取り込みやRAWデータの現像用ソフトとして「Capture One」が登場しました。

下田:そうですね。Capture Oneは現在ではソフトウェア単体で販売していますが、当初は単にデジタルバックで撮ったデータを処理するためのソフトウェアでした。

ところが、キヤノンの1Dや1Dsが出る頃になると、徐々に市場が変わってきます。当時は、どこのメーカーもRAWデータを現像する際に自社のソフトしか使えなかったのですが、我々はいち早く、Capture Oneでキヤノンのカメラが連結撮影を行えるようにしました。

Capture Oneは、キヤノンさんの現像ソフトに比べて、プロのワークフローに合ったソフトウェアだったのが評価されまして、キヤノンのデジタル一眼レフを購入された方が、連結撮影もできるし、使い勝手がプロのニーズに合っている、現像結果も良いというので、Capture Oneを購入されるようになりました。

デジタル一眼レフでシェアを伸ばしたキヤノンのカメラで連結撮影や現像ができたということが、Capture Oneが広がっていった大きな要因だと思います。それに加え、Phase Oneのデジタルバック自体はRAWデータのみの書き出しなので、そのRAWデータをTIFFやJPEGに変換するには必要なソフトです。

●Phase Oneのカメラとレンズ

−−カメラ本体についてお伺いしたいと思います。

下田:現在の645DFの前に、2008年に発売した645AFという最初のモデルがあります。こちらはオープンプラットフォームという形で、デジタルバック以外にフィルムバックも使えました。デジタルバック専用機になるのはその後です。AFはフィルムも使えたのですが、DFは完全にデジタルのみのコントロールという形にしています。

−−デジタルバックを提供するフェーズワンとしてオリジナルの本体を、という流れで645DFが開発されたのでしょうか。

下田:フェーズワンとしては、オープンプラットフォームという形でどのカメラにも着けられるデジタルバックを展開していますが、デジタルバックの性能だけではなく、その前にあるレンズなども写真にとって重要な要素ですから、システム全体で自社で提案できるシステムが先々必要になるということになりました。それらを考え併せたうえでマミヤさんらとやりとりをして、このような形でカメラ本体やレンズを提供することができるようになったという感じですね。

−−デジタルバックと本体の相性も純正ボディでしたら、問題ないですね。

下田:他社のカメラに対してもかなり精度の高いところまで追い込めていたので、精度の点ではかなり良いのではないかと考えています。それに加えて、カメラ、デジタルバック、レンズを一体にしたことで、より一体感のあるカメラをご提案できるものになっていると思います。

−−レンズは純正とSchneiderの2つの展開をされていますね。

下田:やはりさまざまな撮影条件がありますので。645DFのボディ自体はフォーカルプレーンのカメラなので、基本的にはフラッシュシンクロは125分の1までしか対応できません。そういった時に、カメラボディを換えるのではなく、レンズを換えることで対応できるという点ではSchneiderさんのレンズシャッターのレンズを使うメリットはあります。またシャープな画像を撮りたい時に、レンズの解像感を生かして撮影できるというのも利点です。Schneiderさんのブランドは定評がありますしね。

逆に、硬さをあまり好まない方もいらっしゃいますので、そういった意味では、必ずしもSchneiderのレンズを使わなければいけないということではなく、ラインナップの1つとして考えていただければと思います。Schneiderはプライスも高くなりますし、どちらかというとハイエンド向けのオプションという位置づけでしょうか。通常は、純正ラインナップのレンズが一般的ですね。

−−今はPhase Oneでシステム一式を揃える方が多いのですか。

下田:そうですね。デジタルバックの部分に関してはPhase OneかLeafを選択できますが、前の部分は、デジタルバックの画素数が上がることで解像力が必要になるということもあり、カメラごと一式購入されるという方は増えてきています。レンズのラインナップもかなり増えてきているので、いろいろなニーズにお応えできるのではないかと思います。今後も新しいレンズをどんどん投入していく予定ですので、必要に応じて新しいレンズをセレクトできると思います。


▲フェーズワンのレンズ群。28mm f/4.5から75-150mm f/4.5まで8本が用意されている(クリックで拡大)

▲「Capture One Pro 6」のパッケージ(クリックで拡大)



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